モスクラシック(千駄ヶ谷)

千駄ヶ谷

来週、またまた藤井聡太五段のフィーバーが巻き起こると思われます。ところが正直、将棋については詳しく知らず、藤井五段が置かれている状況を、理解出来ていません。そこで、イメージを湧かせる為に、仕事帰りに将棋会館のある千駄ヶ谷に行ってきました。

2月14日のバレンタイン当日には第49期新人王戦で古森悠太四段と対局、2月17日には第11回朝日杯オープンの準決勝で羽生善治竜王との大一番が控えていて、またまた、マスコミ、ワイドショーはこぞって藤井五段を取り上げるでしょう。

日本そばの「みろく庵」から、豚キムチうどんの出前を取ったとか、バリバリのマジックテープの財布を使っているとか、知っているのは、そんな事ばかりで、どんな立場で、どんな風に戦っているかなど、わからない、知らない、想像つかないというのが本当の所です。

そこで、将棋の世界をイメージしやすくする為に、こちらの映画を観ておきました。日本将棋連盟の公式サイトのコラムでも、将棋好きは絶対観るべき!映画「3月のライオン」をオススメする4つの理由とは?と、推薦されている映画です。

将棋の世界を描いた、「3月のライオン」という映画。

羽海野チカさんによる将棋漫画が原作の実写作品で、15歳でプロ棋士になった天才棋士桐山玲を、神木隆之介さんが演じ、羽生善治さんを思わせる名人を加瀬亮さんが演じます。子供の頃からプロだった桐山玲を、子供の頃からプロだった神木隆之介さんが演じたら子供の頃からプロだった藤井聡太さんとオーバーラップするでしょ。そりゃ。そして加瀬さん、いつも寝癖ついているし、もう羽生さんにしか見えません。イメージをつかむのには、ピッタリです。映画では藤井五段も挑戦する新人王戦なども描かれていたので、対局を迎えるまでの時間、対局中の心理など事前に映画を観たおかげで、世界観が想像出来るようになりました。

3月のライオンは「将棋をテーマ」にした作品でありながら「棋士を職業とした男の子の人生」を描いています。なので、主人公の桐山玲に降りかかる、色んな事を通して、中学生の藤井君は、こんな時、どんな事を考えているんだろうなあと、思えるようになりました。

鳩の森神社

将棋会館のすぐ目の前にある鳩森神社は、映画にも何度も出てくるのですが、ここは、自転車のお守りでも有名な神社で、以前もお参りに来た事があったので、見覚えのある風景。神木隆之介君演じる主人公も、ここを抜けて将棋会館に向かうのですが、映画に登場した近道は、現在、通り抜け禁止になっていました。

将棋堂

境内にある将棋堂には、棋士達の絵馬がかけられているのですが、木立の中にあるので、暗くて、残念ながら読む事は出来ませんでした。

将棋会館

表から将棋会館を。2階の窓越しに、対局している人達が見えます。

ドコモビル

映画の中で、将棋会館で対局を終えて帰るシーン、負けた棋士は、悔しそうに駅へと向かいます。その時に、良く出てくるのが、鳩森神社前の交差点。遠くにドコモビルが怪しく浮かんでいます。

モスクラシック

さて、藤井聡太五段が将棋会館の帰りに寄った事で話題なのがモスクラシック。モスバーガーの高級版で、本学的なグルメバーガーのお店です。ネットでは、中学生の藤井五段が贅沢をしていると、ザワつきましたが、正直、藤井五段は皆さんより稼いでいます。

映画の中でも、高校生である主人公が、先生に「おまえ、俺より稼いでいるんだもんなあ」と言われたり、大人達に子供扱いされると、「僕は年収700万円ある!一人前の大人だ!」と宣言したり。そのぐらい稼いでいれば、グルメバーガーなんて、どうって事ないハズなんですが、藤井五段も「普通のモスとはかなり値段が違ってびっくりしました」とちょっと、ビビったみたいなので、普通の中学生として、この店に入ってみたようです。

店内

こちらのお店、映画にも登場するのですが、左手の観葉植物の奥が、主人公の義理の姉、有村架純さんが、佇んでいた席です。普通のモスと違って、ハンバーガーレストランであるという雰囲気、伝わるでしょうか?ファストフードのモスと違い、サラリーマンやOLの方が多いです。

アボカドバーガー

頂いたのは、アボカドバーガー、1150円。通常は、ハンバーガーにはコーラと決めているのですが、お酒が飲めるのが特徴なので、ハートランドの生ビール、550円。大人のモスバーガーなので、お酒を飲むことも出来ます。ビールの他に、ワインなど、お酒も充実。

モスは、ハンバーガーチェーンの中では、しっかりした商品を出していますが、それでも、通常モスとは違って、完全に高級路線。パティがしっかりしています。

さて、藤井五段、このハンバーガーを食べながら、何を考えていたのでしょうか?その日の対局の事を考えていたのか?それとも、将棋の戦法のように、どの順番で具をやっつけるのか、考えながら食べたり?でもインタビューでは、コンビニなどで支払いをする時、手間取ってしまうのでレジに行くのが怖いと言っていました。レジに並んでいる時にボーっとしていて、自分の番が来てから鞄の中の財布を探し「あれ?無い!」って、慌てている人を良く見かけますが、藤井五段も、もしかしたらそういう事があるのかも。将棋以外では、先を読めないタイプなのかもしれませんね。食べる事が唯一の楽しみ的な事も言っていたので、今まで食べたのより高級なハンバーガーに、新鮮な驚きを頂いたり、気分転換になっているといいのですが。

■モスクラシック 千駄ヶ谷店
■東京都渋谷区千駄ヶ谷1-8-11
■営業:
11:00~23:00
11:00〜22:00(日曜)
■定休日:年始
場所はこのへん
お店のサイト

まったくの余談ですが…、自転車で走った事のある風景は、映画に1カットチラっと出てきただけであそこだ!と、わかるようで、最後に主人公が対局に向けて着物を作ってもらうのは、下赤塚の「白龍」だ!と、一発でわかりました。いつもあの脇を抜けて、荒川サイクリングロードに向かうのです。そういえば、今年はまだ、荒川サイクリングしてないなあ。

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コーヒーハウス ニシヤ(渋谷)

今、若い才能を浴びたい時期で、それは文章でもいいし、演技でもいいし、喋りでも、演奏でもよくて、こんなに若いのに凄いなあと関心しながら、その反面で、なんて自分は平凡な人間なんだろうと、落ち込む事をを繰り返しています。

ちょっとしたSMプレイのような物で、素晴らしい作品と出会うと、その作品が自分に「この凡才野郎!」と、罵声を浴びせてくるような気分になり脳内で渦巻く罵声の中に身をゆだね、天才でも秀才でも鬼才でも無い、普通の自分を確認するという自虐的なプレイです。

「昔は良かった」なんて、若者の文句を言う人は、自分の方が時代から外れかけているのに、それに気づいていない事の方が多いですが、自分もそうならないようにするための、戒めでもあったりします。老害なんて言葉がありますが、経験だけで物を語らず、自分は若い才能に気づけるようになりたいと、正直もがいている最中です。

ちょっと前ですが、渋谷でAV女優の戸田真琴さんの写真展が行われていました。彼女は文才が凄い人で有名で、シンゴジラを見たときのブログの感想で話題になり、ネットメディアでコラムと映画評を担当する事になりました。

心の中を素直に漏らしている具合が絶妙で、ラジオのDJに、こういう風に自分の気持ちを喋らせたいなと思うほど。

その戸田真琴さんの今回の写真展は、ノンレタッチ、ノー修正の写真展で、人を生々しく映し出す事をテーマにおいた写真展でした。会場には、もちろんAV女優である彼女のファンも多かったのですが、写真好きの女性客も多く、少し不思議な空間でした。

インスタ映えという言葉が流行り、インスタには、自撮りを載せる人も多くいますが、プチプラコーデだったり、キラキラゴルフ女子だったり、美魔女だったり、何かのフィルターが一枚かかっているのですが、生身の自分を見て!と叫べる人は、どのぐらいいるのでしょう?

もちろんヌードもあるのですが、それよりも、服を着ていても素の自分をさらけ出せるという、肝の据わった感じが、写真からにじみ出てきていました。

ご本人も在廊していて、気軽に来場者と話をしていたりしたのですが、なんだかキラキラしていて、スター・ウォーズで、R2D2が映し出したホログラムのレイア姫みたいで、現実なのに仮想なんじゃないかという見え方がしたのでした。

ニシヤ

さて、若き才能に打ちのめされた後、その写真展の会場の近くに、前から行ってみたいと思っていたカフェがあったので、寄ってみる事にしました。コーヒーハウス ニシヤ。カフェなんだけど、なんだかBARのような雰囲気がするお店。代々木公園のFuglen Tokyoとか、そんな感じ。店内には老舗のBARのような緊張感もあります。威圧的っていうんじゃなく、店主の筋の通ったポリシーなんだろうな。

カプチーノ

こちらのお店、ホイップクリームの乗ったプリンがインスタでは人気なのですが、遅い時間だったので、当然売り切れで、カプチーノを頂きました。500円。

写真展の余韻に浸りながら、カウンターから遠い目で外に目をやったら、暗くなってしまった渋谷を映す窓ガラスに、店の明かりが反射して、パソコンを消したときのモニターのように、自分の姿が映し出されていました。

いきなり現実にもどされました。コレが俺か。ふー。

■コーヒーハウス ニシヤ (COFFEEHOUSE NISHIYA)
■東京都渋谷区東1-4-1 尚豊ビル 1F
■営業
11:00〜19:30(平日)
11:00〜18:30(週末)
■定休日:火曜
場所はこのへん
お店のサイト

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