LILIUM-リリウム 少女純潔歌劇 サンシャイン劇場

サンシャイン劇場

いやー、久々に凄い芝居を観ました。
正確には、凄い芝居だと各所で絶賛されているので、慌てて劇場に。
金曜日は早めに仕事が終わるので、
当日券狙いで池袋のサンシャイン劇場へ足を運びました。
しかし、すでに行列が。
噂が噂を呼び、連日120名以上の行列が出来ると言います。
土日に至っては、さらにオーバーして、抽選方式に。

噂が噂を呼んで観客が殺到する現場、久々に見ました。

リリウム

観に行ったのは、ハロプロのミュージカル
「LILIUM-リリウム 少女純潔歌劇」

アイドルが出演するお芝居なのでファンの評価が高いのは当たり前ですが
僕が心を動かされたのは、
ファン以外のお芝居好き、ミュージカル好きが絶賛している事。

作演出は、末満健一さん。
佐々木蔵之介さんが所属していた人気劇団「惑星ピスタチオ」出身の方
…と聞けば、お芝居好きならピンと来るのではないでしょうか?

【あらすじ】
雨の降る森のサナトリウム。
バンパイアの少女達が療養するその施設で、
シルベチカという少女が失踪をとげる。
友人であったリリーは消えたシルベチカの行方を捜すが、
サナトリウムの少女たちは誰もシルベチカを覚えていないという。
果たして彼女は本当にいたのか?
それともリリーの妄想だったのか?
謎が解き明かされるとき、残酷な運命が浮かび上がる。

本日東京公演千秋楽で、まだ大阪もあるのでネタバレを防ぐため、
ストーリーについての言及はこれ以上は自粛します。

世界観を例えるなら、「劇場版 魔法少女まどかマギカ[新編]叛逆の物語」
萌え的な少女のキャラとは似つかわしくないダークな世界。
そして緻密に練られたストリーと、次々に結びつく布石に驚かされます。

こちらも、どうせアイドル演劇でしょとたかをくくっていくと、
心をグサグサと刺されまくるダークなミュージカル。
しかもそのクオリティーに「どうせアイドル」という偏見が吹き飛ばされます。

このミュージカルが素晴らしかったのは、やはりハロプロだからでしょう。
コンサートでは口パクをせず、常に生歌。
しかもダンスをしながら。
だから、ミュージカルとしての土台が出来ています。
人寄せパンダとしてのアイドル出演ではなく、
ミュージカルをする為のキャスティング。

そして、感動したのはアイドル歌唱ではなく、
ミュージカルとしての歌唱法をきちんと身につけての歌。

あまりにも歌が良すぎて会場でサントラを買ってしまったのだけど、
それぞれがレコーディングの時よりも、パワーアップしているのがわかります。
上手くなっている。
自分の歌、いや言葉になって、それがメロディーを紡ぐのです。

特に、マリーゴールド役の田村芽実さんは、自身も宝塚ファンなんだけど、
その歌声、音圧、全てが圧巻。
スノウ役の和田彩花さんは、透明感があり儚い。
リリー役の鞘師里穂さんは、純粋でありながら芯の強さを感じる。
この立場の違うキーパーソン3人が一堂に会し、
それぞれの感情と思いを歌でぶつけ合う曲「TRUE OF VAMP」
もう鳥肌が立ちました。

そして、その後、マリーゴールドが歌う、「もう泣かないと決めた」で放心状態。

思春期を迎えた少女ヴァンパイアという役を、
全員10代の中高生達が演じているのだけど、
大人が演じる少女とは違い、リアルな少女達の姿があります。
しかし、未熟さはなくプロフェッショナルな役者としての姿。

リアル少女歌劇で、これだけのクオリティーの物って、
なかなか無いのではないでしょうか?

だから、演劇ファン、ミュージカルファン、宝塚ファンが、
この芝居を絶賛しているのがわかります。
本当に噂を信じて観に行って良かったと思う作品でした。

ハロプロにはアイドルコンサートとは別に、
ミュージカルというジャンルを確立して欲しいと思いました。
「アナと雪の女王」で火がつき始めている日本語ミュージカルの世界。
きっと、ハロプロの作品も、ミュージカル好きの女性の心をガッチリとつかみ
大きなブームを巻き起こすに違いないと、確信しました。

こちらは、このリリウムと関連がある、TRUMPというお芝居。
ミュージカルではないのですが、
男性版ヴァンパイアのお話で、
ストーリーもいろんな所に関連性が。

こちらはイケメン俳優ユニットD2総出演による舞台公演。
リリウムが人気を呼ぶ共に、
関連作品のTRUMPも、amazonで売り切れで入荷待ちに。

おそるべしリリウム現象。

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