富里スイカロードレース

バス

人間の価値観なんていい加減だ。
釣りやゴルフの番組に関わりながら、早起きするのが嫌だという理由で、
趣味にするまでのめり込まなかったのに、
10㎞マラソンの為に朝4時半起きしている。
しかも楽しい。

釣りやゴルフが好きな人は、全く逆でしょう。
好きな物の為なら、多少の苦は苦でなくなるのは皆同じ。
でも、それが何かは、人によって違う。
それでいいのだ。
同じでなければならないという事は、全くない。

この日は、渋谷に6時に集合し、チャーターしたマイクロバスで、
千葉県の富里市へ向かった。

DJチーム

声優の山寺宏一さんと富里スイカロードレースに参加しはじめて、今年で4年目になる。
今回は映画コメンテーターの有村昆、お笑いの流れ星、
その他、ラジオDJの皆さん、さらにスタッフ達と共に走った。
(写真はタレントさんチームの集合写真)

コンサートで即日完売という事は良く聞くと思いますが、
この富里スイカロードレースは、申し込み開始日に即日定員に達し、締め切られます。
申し込みが殺到し1万3千人の定員にすぐ達してしまうのです。

なぜにこれほど人気なのか?
それは「楽しいから」の一言に尽きます。

富里市は、スイカの名産地なのですが、
このレースの最大の特徴は、9㎞地点に、給水所の替わりに、
スイカが並ぶ給スイカ所がある事。
走って来て、ここで食べるスイカが旨い!

そして、コスプレのランナーが多い。
一番多いのは赤や緑や黒でスイカ柄に仕立てたランナー達。
その他、タイガーマスクだとかニュースで話題になった物に変身する人達も。

もちろん、これらも楽しさの要素であるのだけど、
一番は、沿道の雰囲気だと思う。

よくマラソン選手がインタビューで
「沿道の皆さんの声援に後押しされて走れました」
など言うのを聞いても、どうせ奇麗事なんだろうと思っていました。
ところが実際に走ってみると、この声援がスゴイ事を体感する事になるのです。

沿道の農家や商店、会社の前には椅子やテーブルが出され、
ちびっ子からお爺ちゃん、お婆ちゃんまで。皆揃って、応援に出ています。
Qちゃんみたいな有名ランナーでない一般人達に、惜しみない声援を贈るのです。

ヘバりそうになると
「あと1㎞で給スイカ所だよ〜!美味しいスイカが待ってるよ〜」
最後の上り坂にかかると
「これを登れば残り1㎞切ってるよ〜」
へこたれそうになると、必ず励ましてくれる声が耳に届くのです。
そんな声にのせられて、ほとんどの人が楽しく完走してしまうのです。

さらにこの日はコンディションも良かった。
木金は最高気温32度を超える真夏日だったのですが、
この日は最高気温は22度で10度近く低かったのです。
震災などで練習不足だったのですが、この気温のおかげで例年よりいいタイムでした。

ジンギスカン

走った後は、お楽しみのジンギスカン!
ビールが旨い!

年がら年中健康に気を遣っている訳ではないけれど、
1年に1回、このスイカロードレースが予定されている事で、
事前にジョギングしたり、その為に酒を控えたり、
結果的に、少し健康について考える事になります。
そして、気温、ペース、コンディションなどと対話しながら、
普段眠っている自分の体の能力をフル回転させてみる事に。

1年間動かしてなかった車のエンジンキーを入れてみる感じというか、
ジブリアニメにある、眠ってた古い飛行機持ち出してみるとか、
そんな感覚です。

パソコンの中のバーチャルでも、テレビで観て知った気になってるでもなく、
言うだけの机上の論理でもなく、100%の実体験。
それまで10㎞なんて絶対無理って言ってた人達が、
意外とやってみると出来るもんなんだなあというのを実感する。
そして自分に少し自信がつく。
楽しいの中には、それが嬉しいというのも含まれているように思います。

この延長上に自転車での遠出があり、
これまた毎年恒例となりつつある富士登山がある。

次の目標は8月の富士登山。
これもまた、実に楽しみなのであります。

Pocket
LINEで送る

お花見

花見

日曜日にお花見をしました。

青森、岩手、宮城、福島。
参加者の中には多数の被災地出身者が含まれていました。

参加にあたって、東北の物を持ち寄ろうという事に。
youtubeでもお花見のお願いをしていた、日本酒の南部美人。
被害の大きかった釜石の浜千鳥、宮城県塩竃の浦霞。
岩手県の銀河高原ビール、茨城県の常陸野ネスト。

つまみも、仙台の笹かまぼこ、牛タン、
釜石のホヤの塩辛、岩手県宮古市のいくらの醤油漬け。

故郷である宮古市の「いくらの醤油漬け」のお店に電話してみたら、
商品は津波を免れたのであるのだけれど、
クール便が配達の受付を中止しているので、発送出来ないとの事。
盛岡にも支店があるというので、盛岡の弟にお願いして送ってもらった。

参加者の中には、今回の震災を期に、逆に、故郷へ帰る決意を固めた人もいる。
その送別会も兼ねている。

ACのCMで「思いは見えないけど、思いやりはみえる」という物があった。
裏を返せば、いろんな思いのつまったお花見だけど、その思いは見えず、
他人からはただの宴会にしか見えなかったろう。
苦々しく思ってた人もいるだろう。

写真は真実を映し出すというけれど、その逆もある。
テレビの映像や写真は、その一部を切り取り、それが全てだとウソをつく。
今回の震災を通じて、一番感じたのはそれだ。

ならば、いぶかしげな物を、あえてウソっぽく映し出す事は出来ないかと、
トイカメラを探し始めた。
この写真は、 NeinGrenze 5000Tというチルトレンズを搭載したカメラで、
発色もオーバー気味で、プラスチックのおもちゃのように取れるカメラ。

そんなお花見をウソっぽく撮ってみた。
被災地の方からすれば、同じ日本でウソのような光景に見えるだろう。
でも、こんな幸せな光景も、いつか一瞬で消え去ってしまうかもしれない。
現に消えてしまった場所があるのだから。

Pocket
LINEで送る