ラジオの放送作家が教える、結婚式での上手なスピーチの仕方

この時期の作家あるあるなのですが、ジューンブライドの結婚式シーズンに突入して、「何かいいスピーチって無い?」と聞かれる事が多くなります。

まず、結婚式での挨拶の予定のある方に覚えておいて欲しいのは、

自分ではない、誰かになろうとしない事

結婚式のスピーチって、いつも聞いていて思うのは、何か特別な事をやってやろうと、肩に力の入っている人が多いという事です。

野球に例えると、普段、内野安打レベルの小さな笑いしか取っていない人が、なぜか、結婚式で場外ホームラン級の笑いを取れる気になってブンブン大ぶりしてきます。取れる訳ないじゃん。これまで1本もホームラン打ってないんだから。

また、普段、とっても親しみやすい人が、結婚式のマナーを気にするあまり、

「はなはだ僭越ではございますが、ご指名にて、私よりお祝いを申し上げたいと思います。」

みたいな、固い挨拶を始める事があります。
たぶん、本とかネットとか、結婚式サイトとかで、文例をコピペして来たのだと思いますが、それが間違い。

●本やネットの挨拶文は、書き言葉で書かれていて、話し言葉ではない。
●失敗しない為の文例であって、本人の気持ちが入ってない。

結婚式の挨拶って何だ?という事を、もう一度、思い返して欲しいです。結婚式のスピーチは、コピペした文例を噛まないように言う大会ではありません。

心から、お祝いの気持ちを伝える

多くの人が、これを忘れています。

作家じゃないんだから、急に感動的な言葉を作れる訳ないじゃないですか。作家だってなかなか作れません。感動的な言葉を言おうとすると、結局、どこかで見聞きして良かった言葉を、使おうとしてしまいます。みんな同じ事を考えているから、その言葉の登場打率は高くて、10も結婚式出れば、2つぐらいで「ああ、あの文か」という物が出てきます。

最初に言いました!

自分ではない、誰かになろうとしない事

これが、結局、上手くいくのです。

それが、

あの人らしいい、挨拶だったね。

と、小さな感動を呼ぶのです。
大きな感動はいりません。主役は、新郎新婦です。自分が主役になろうとしなくていいのです。

式の最後の読まれる、花嫁さんからの手紙。つたなく、たどたどしい読みなのに、なぜに、あんなに感動して、涙してしまうのか。

そこには心からの両親への感謝の気持ちが入っているから。

結局、どこからかのコピペじゃ、人は感動させられないのです。

元ニッポン放送の五戸美樹さんと、お仕事でご一緒させて頂いた時も話ましたし、この本にも書かれていますが、

トークが上手くいかないのは、お手本が間違っているから。

冠婚葬祭本や、結婚式サイトの文例は、失敗しない為の文例であって、成功する文例ではありません。書き言葉で棒読みになるように出来ているし、本人の気持ちを入れる余地がありません。ほぼ、成功しないように出来ているのです。なので、五戸さんも言っているように、ほとんどのお手本が間違っているのです。

じゃあ、どうしたら、いいスピーチが出来るのか?正直言って、正しい文例はありません。先ほども書きました!

心から、お祝いの気持ちを伝える

みんなの気持ちって、それぞれ違うじゃないですか。その気持ちを正直に出す事が大事です。

と言っても、なかなかスピーチ問題は解決しないので、前にアドバイスして、上手く行ったと感謝された方法を書いておきます。

まず、新郎もしくは、新婦、自分が直接の知り合いである方の、好きな所をいくつかあげます。

<新婦の女友達の挨拶だとして>
●まずは、みんなも知っているだろう、○○な性格
●自分だけが知っている、○○なところ
●新婦との楽しい思い出
●実は、自分が新婦に感謝している事

笑いを取ろうとしなくていいです。
本当に自分が好きな所をあげるだけでいいです。それで、十分に伝わります。そして最後に、新婦とつきあううえでの注意点を1つ入れます。

<例>
●機嫌が悪くなると、こうする癖がある。
●3人以上いると聞き役に回って、しゃべらなくなる

そういう時は、私は、こうして乗り切っていましたので、○○さんも、ぜひ試してみてください。末永くお幸せに!

イメージで言うと、西野カナの「トリセツ」の、あなたの言葉版というか。

コツは、挨拶のメモを箇条書きにする事。例えば、最後の1つだけ注意点という部分なら

●○○さんは学生時代から、大体午前中は機嫌が悪かった
●午前中話しかけても、「はあ?」とか言うので、午前中に無理に機嫌を取ろうとしなくていい。
●お弁当を食べるあたりから自然にテンションが上がってきた
●昼過ぎでも機嫌が悪い時は、要注意、何か不満がありそう
●とりあえず、お菓子とかあげると、意外と機嫌が直る
●私調べでは、ギンビスのたべっ子どうぶつが効果あり

これを、

○○さんは、学生時代から、大体午前中は機嫌が悪かったのですが、午前中に話しかけても「はあ?」とか言ったりすることがあります。なので午前中には無理に機嫌を取らずに、放っておきましょう。
だいたい、お弁当を食べた後から、自然にテンションが上がって来ますので、昼過ぎても、機嫌の悪い時は要注意です。なにか不満がありそうです。
とりあえず、お菓子とかあげると意外と機嫌が直る事が多かったです。私調べでは、ギンビスのたべっ子どうぶつが効果ありましたので、○○さんも、ぜひ試してみてください。

のように書いてしまうと思うのですが、上の箇条書きの方が絶対上手く行きます。

これはラジオの放送でも使うテクニックなのです。
下の文は完全原稿と言うのですが、これだと、どうしても読んでしまい、素人は棒読みになってしまいます。

「〜です。」「〜ます。」という語尾に感情をのせて読むのは、プロでも難しいです。感情がのっていない例が、通販のしゃべりです。「とってもお得なんですよー」の「よー」って、無表情ですよね。試しに声に出して、誰かに伝えるように言ってみてください。

●とってもお得なんですよ。

●とってもお得

下の方に、自分なりに「なんだよね」とか「なんだって」とか自分の言葉でつけた方が、自然になります。

これ、ラジオあるあるなんですが、企業の広報の方に、この趣旨を説明して、箇条書き台本を送って、それでやってくださいと伝えます。すると、広報の上の人が原稿チェックして、書き言葉の完全原稿に直して、これでやりますと言ってきます。結果、棒読みになってしまい、商品の魅力が伝わらないという。これも、広報の上司、お手本が間違っている例です。

とにかく結婚式のスピーチで一番大切なのは、自分ではない、誰かになろうとせずに、自分の言葉で心から、お祝いの気持ちを伝える

上手い例えとか、名言とか、マジでいらないです。
自分の気持ちを、心を込めて伝えれば、新郎とか、新婦とか、本人には伝わります。お客さんなんか、感動させなくていいんです。新郎新婦にだけ、気持ちが伝われば大成功です!

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