ぐすたふ珈琲(江古田)

看板

雑誌「Hanako」の「喫茶店に恋して」という特集で、江古田の喫茶店が取り上げられていました。中盤に学生街の喫茶店という事で、「モカ」と「林檎」「ヴィエイユ」小竹向原の「音楽喫茶acacia]新江古田の「江古田珈琲焙煎所」が取り上げられていたのですが、前半の「ネオ喫茶の新世代マスター」という特集で、「ぐすたふ珈琲」が大きく取り上げられていました。

南口の江古田コンパから練馬総合病院方面に向かい、いつもチョークで道路に標語みたいなのを書いている、ゴミ屋敷ような謎の家を通過したあたりにあります。路地に入る角の所に、ベルベットの椅子に置かれた看板があり、この路地を入ります。

かつては、といってもかなり昔ですが、このちょい先に青果市場のようお店があり、その向かいに肉屋が二軒、隣にパン屋、定食屋と、ちょっと賑わっていた一角なんですが、青果店の撤退と共に、いっきにそれぞれのお店が閉店し、すっかり寂しい一角となってしまいました。和定食の「平和」は、よく通ったなあ。

ぐふたす珈琲

外観からは想像できないのですが、Hanakoの記事によると、以前はスナックだった物件のようです。

店内

店内はカウンターがメインで、自分が座っている店の奥にソファー席が。昭和感漂うベロアの椅子や、ファーの壁材ですが、逆に今、モダンな感じがするから不思議ですね。スナックとは違う重厚感があります。リノベーション系だから、新店なのに懐かしい感じが漂います。

トースト

トーストを注文すると、「千川通りのヴィエイユの物を使っています。今出ていったのがご主人なんですよ」と、教えてくれました。トーストは、400円。ミルクとマンデリンの2層からなるカフェオレグラッセ650円。

最近、読書といえばエッセイばかりだったのですが、映画「祈りの幕が下りる時」を観てから、東野圭吾の加賀恭一郎シリーズで、映像化されていないものを制覇しようと読み始めました。電車で読んでいて、もうちょっと読みたいなという時に、お店に入って続きを読んだりするのですが、このお店、読書によさそうだなあ。適度な静けさがあって。

■ぐすたふ珈琲
■練馬区旭丘1丁目56-13
■営業:10:00〜18:00
■定休日:水曜
場所はこのへん

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トレボン(江古田)

平野沙希子

フジテレビの「7ルール」を見ていたら、平野沙希子さんがピックアップされていました。様々な分野で輝いている女性の、自分のルールを探す番組で、平野さんは、新進気鋭のフードライターです。

話している事も面白かったのですが、文章が読んでみたいなあと調べてみると、著書に「生まれた時からアルデンテ」がある事がわかりました。

ちょっと待てよ!そういえば、前に聞いた事があるなあ…。そうだ!飲み友のMが、言っていたんだ!「生まれた時からアルデンテが好きなんですよ」と。彼もクリエイティブな仕事をしているのだけど、平野沙希子の文章が好きだと力説していたのです。今から3年前に。

ジュンク堂や三省堂に行ってみたのですが、在庫がなかったので、amazonで中古を買う事にしました。amazonのカスタマーレビューでの評価は異常なくらいに低いのですが、読んでみてわかりました。この本は音楽でいう所のパンクなのです。食やグルメ本、グルメエッセイが好きな人が読むと、それまでの価値観が壊され、ぶちのめされるような気分になります。

まず、タイトルともなっている「生まれ時からアルデンテ」というページ。自分は生まれた時からアルデンテ世代なので、芯が無い事を誇りのように開き直る喫茶店のナポリタンが嫌いだ!と力説。村上春樹の「カンガルー日和」の「スパゲティーの年に」で、「空想のキッチンのタイマーを15分にあわせる」って、茹ですぎだろ!と、大御所の文章にもかみついています。

いやあ、面白い!これは彼女が24才の時に書いた文章。最近、才能のある若者の作品にふれて、自分の凡才ぶりに打ちひしがれる、才能SMプレイが好きだと言いましたが、彼女の文章にもビシビシと打ちのめされていきます。

ナポリタン=昭和のいい思い出話みたいな方程式が、グルメエッセイのスタンダードとなって来ましたが、気がつけば平成元年生まれも30才、ミレニアム生まれも18才、腰の無いナポリタンが最高!なんて感覚は、もはや、オッサンやオバさんの脳内にしか残っていないのです。

誤解無きよう言ってきますが、彼女は昭和だけをディスってる訳じゃあありません。食べログに頼り、評価の答え合わせばっかりしている人や、旨くも無いのに、旨い旨いというグルメレポーター、食に対して予定調和な人達をバッサリと斬って行くのです。自虐というオブラートにつつんで、ユーモアを交えながら。

そんな中で、昭和な人達に甘やかされて生き残ってきた、ぬるま湯メニューである、ナポリタンを一通りディスったあと、(追記)として神泉「フレンズ」のナポリタンは、昔ながらの味なのにアルデンテなので最高です!と、結んであります。だよな、今の時代、ナポリタンもアルデンテにすればいいじゃん!と、腑に落ちて、スッキリしたところで、そういえば、江古田にもあったな!と思い出しました。

トレボン

江古田の老舗喫茶、トレボン。ここで美味しい物といえば、クロックムッシュが代表的なんですが、実は、野沢菜ピラフや、野菜サンド、一見、普通の喫茶店メニューっぽい物が、旨いのです。過去にも書きましたが、普通のメニューを丁寧に作ると、こんなにも旨くなるんだなあという、感動があるのです。

ナポリタン

ナポリタンもその一つです。注文してから、炒め始めるまでの時間から想像するとたぶん、麺は茹でおきなんだろうけど、それほど、ふにゃっとしてなくて、固め。シャキっとしたピーマンの歯触りが気持ちいい。あとは玉ねぎとソーセージと、平凡な具なのに、それでも美味しい。ケチャップもくどくなく、上品!全てがちょうどいい。昭和ノスタルジックも、平成も関係なく、平野さんが何と言おうと、自分にとって、これはこれで満足な一品です!

でも、平野さんが絶賛した、神泉「フレンズ」のナポリタンは、どんな味で食感なんだろう?アルデンテなナポリタン、気になるなあ。

■カフェ・ド・トレボン
■練馬区小竹町1-56-3(小林ビル2F)
■営業:10:00~22:30
場所はこのへん

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