ツールドフランスで活躍した自転車2013

各賞

ツールドフランスで活躍した自転車メーカーを調べている人が多いようです。
そういう検索ワードでのアクセスが非常に多いです。
たぶん、昨年の記事ツールドフランスで活躍した自転車2012が、
ヒットしてるでしょうね。

そこで、2013年度版を書いてツールの締めくくりとしたいと思います。

まず、今年の各賞をふりかえりましょう。

■個人総合時間賞「マイヨジョーヌ」(黄色)
21ステージを戦っての個人総合時間が最も少ない選手を称える、
もっとも権威のある総合優勝。
各チームのリーダー達が、チームメイトに守られながらこの賞を取りに行きます。

受賞したのは「クリス・フルーム(イギリス)」
スカイ プロサイクリング

■ポイント賞「マイヨヴェール」(緑)
各ステージのゴールと中間スプリントポイントで与えられる合計で
競われるポイント賞。
瞬間的に早い、スプリンター達が戦う賞。

受賞したのは「ペーター・サガン(スロバキア)」
キャノンデール・プロサイクリング。

■山岳賞「マイヨブラン・アポワルージュ」(水玉)
各ステージに設けられた山岳ポイントで加算される得点が
もっとも多い選手に与えられる賞。
登りに強いクライマー達が争います。

受賞したのは「ナイロ・クインターナ(コロンビア)」
モビスター
(クインターナは、途中からキンタナという呼び名に統一されました)

■新人賞「マイヨブラン」(白)
25歳以下の若い選手中で、個人総合時間順位最上位の選手。

受賞したのは、こちらも「ナイロ・クインターナ(コロンビア)」
モビスター

ちなみに、「マイヨブラン・アポワルージュ」と「マイヨブラン」を
クインターナがW受賞してしまった為、
マイヨブラウンは、2位だった、
アンドリュー・タランスキー(アメリカ、ガーミン・シャープ)が
繰り下げで着ています。

マイヨジョーヌカラー

さて、それぞれの使用機材。
まず、総合優勝のマイヨジョーヌのフルームが使っているのは、ピナレロ。
フルームは昨年の覇者である同じチームのウィギンスが、
ジロデイタリアで故障して欠場する事になったので、エースに昇格。
昨年は、ウィギンスのアシストでした。

こちら、最終ステージのパリ・シャンゼリゼでは、
マイヨカラーのピナレロで疾走!

ピナレロ

本来のスカイが使っていたのは、ブラックカラーでした。
PINARELLO DOGMA 65.1 THINK2
今回は、このロードバイクが大活躍!

ピナレロ

そして、総合2位、山岳賞、新人賞と総なめにした
ナイロ・クインターナが乗っていたのは、
モビスターのチームカラーのPINARELLO DOGMA 65.1 THINK2

もう、今年のツールは、ピナレロ祭りでしたね。

サガン

ポイント賞「マイヨヴェール」に輝いたのは、昨年に引き続き、
ペーター・サガン(キャノンデール・プロサイクリング)
使用機材は、Cannondale SuperSix EVO Hi-Mod

キャノンデール

カラーリングは、チームカラー+サガン仕様!

スプリント

賞ではないのですが、平坦なスプリントステージ、
そして、21ステージのパリ・シャンゼリゼのスプリント勝負などで勝ち、
今年の世界最速の称号を手にしたのは、マルセル・キッテル!
キッテルの所属するアルゴス・シマノは、FELTに乗っていました。

FELT

キッテルの使用機材は、Felt F1 FRD
(ちなみにゼッケン191は、Wスプリンターのデゲンコルブの物)
完全平坦は、キッテル。
多少、アップダウンがある場合は、デゲンコルブの方が得意でした。
というかキッテルは、平坦が速い代わりに、坂が異様なくらい苦手でした。
それは、カヴェンディッシュもだったけど。

グライペル

さて、僕が応援していたのは、そのキッテルと戦ったスプリンターの、
アンドレ・グライペル(ロット・ベリソル)
今年のスプリンター3強は、キッテル、グライペル、カヴェンディッシュ。
サガンもスプリンターに入れられる事があるけど、
実はピュアスプリンターではなく、パンチャーに近いそうです。

そのグライペルが使っていたのは、RIDLEYのNOAH FAST。
エアロ系のモデルですね。
山岳コースでは、 RIDLEYのHELIUM SLに乗り換えていましたが。

ちなみに僕が乗っているのは、RIDLEYの悪路・石畳レース用のFENIXです。

ノア

グライペルのあだ名はゴリラなのですが、
彼のバイクには、特別仕様のゴリラのイラストが。

グライペル

ツールには、彼の友人達がゴリラのTシャツを作って着て
応援に駆けつけたというニュースもありますが、
このTシャツ市販してくれないかなあ、ロット・ベリソルさん!

新城幸也

さて、最後にこの人を忘れてはいけません。
日の丸を背負ってツールドフランスを完走した新城幸也選手。
彼の所属するユーロップカーは緑のジャージなのですが、
彼は日本チャンピオンなので、
日の丸のチャンピオンジャージを着る事を許されているのです。

空撮で集団の中に日の丸を見つけると、アドレナリンが。
日の丸っていうと、左系の人が騒ぎますが、
単純に国旗として誇らしかったです。
日本人としてのアイデンティティーを感じました。

コルナゴ

さて、その新城選手が使用したのは、コルナゴ、C59
チームは、黒の機材を使っていたのですが、
新城選手は、日本チャンピオンジャージに合わせて、白のカラーリング。
そして、 COLNAGOのOの文字が日の丸に。
ちょとデローザっぽくもあるけど。

そろそろ来年の2014年モデルが発表されはじめ、予約も始まった所もありますが、
来年は、上位独占のピナレロが売れるのかな?
あ、芸能人でいうと小島よしおさんが乗ってるのが、ピナレロね。

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ツール・ド・フランス・2013閉幕

スプリント

ツールドフランスが終わった。
そして自転車好きの夏も終わった。

最終、第21ステージ、最後はパリ・シャンゼリゼの周回コースからの
ピュア・スプリンター達によるゴールスプリント。
制したのは、アルゴス・シマノのマルセル・キッテル。
5連覇を目指したマーク・カヴェンディッシュ、
そして3強と言われた、アンドレ・グライペルを制しての、優勝。

ある種、今年のツールを象徴するシーンだったのではないでしょうか?
一番若いキッテルが、ベテランを下しての勝利。

僕はグライペルのいるロットベリソルを応援していたんだけど、
この日はビューティフルトレインが組めてない。

たぶん最後の発射台はヘンダーソンかな?
飛び出して後ろ見たら、グライペルがいない。
ポカーン。
第6ステージのような、本当に美しいトレインが観たかったよ…。
でも、ロットのみんなお疲れ様。

キンタナ

今年のツールは、若手の台頭と共に、ベテランの凋落。
個人的には、そういう風に映りました。

若手の台頭といえば、途中、クインターナからキンタナに呼び名が統一された
モビスターのナイロ・キンタナ。
23歳の若き選手。

当初はチームメイトのバルベルデのアシストだったはずが、
あれよあれよという間に台頭し、エース交代。

山岳コースに入れば、そのスピードで、
2011年の王者のエヴァンス、クライマーのアンディー・シュレクなどを
あっという間に置き去りにしていく。
最後には、2010年王者でクライマーのコンタドールもついていけない。
動けない、エヴァンスやアンディーを観ているのも少し辛かった。

そんな躍動する姿に、若いチカラをイヤというほど見せつけられました。
そして、山岳賞、新人賞、総合2位と賞もそうなめ。
若さって凄い。

リッチー・ポート

総合優勝、マイヨジョーヌに輝いたのは、
スカイプロサイクリングのクリス・フルームですが、
個人的なMVPは、彼のアシストである、リッチー・ポートです。

昨年のフルームを観ているようでした。

フルームを牽きながら、スピードを上げ、後ろの集団をちぎる。
少し離れてしまった先頭集団の所まで、フルームを引き上げる。
役割を果たして後退するものの、フルームがピンチと知るや、
あがって来て、またフルームをひき出す。
変幻自在の鉄人アシストぶり。

僕はエースより、アシスト職人が好きだったりする所もあるのですが、
昨年で、元祖鉄人・ジョージ・ヒンカピーが引退。
ちょっと淋しい思いをしていたので、新たな鉄人の出現にワクワクしました。

今年は、世代交代の夏でしたね。

ツールの終わりと共に、夏が終わった虚無感につつまれている。
まだ、7月なのに。

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