カフェ・アート(上野)

平昌オリンピックの女子カーリングの、おやつタイムが話題となっています。張り詰めた緊張感が続く中、束の間のほっこりタイム。バナナやいちごをほおばりながら、作戦の確認。北海道弁の「そだねー」が、ほんわかしていて、カーリング女子会などとも呼ばれています。

ところが、17日夜のOAR戦で、NHKは、おやつタイムをカットし、フィギュアスケートの羽生選手のインタビューを流しました。意外や意外、おやつタイムを楽しみにしている人達は多く、NHKには苦情の嵐。そこで急遽、YouTubeで、おやつタイムを流す事にしたのです。

なぜ、おやつタイムはこんなにも人気なんでしょうか?将棋の世界でも、大福や干し柿、チョコレートなどを甘い物を補給し、脳の活性化を図るというものもあります。自転車ロードレースでも、途中にエナジーバーを補給したりするのですが、そんな時は、特に盛りあがらず、背中のポケットにバナナを刺して、途中で剥いて食べたりすると、解説の栗村さんあたりが「この選手はバナナが好きなんですよ」と、増田明美さんばりの補足情報を入れて、盛りあがります。

カーリングも、エナジージェルの人もいるけど、やっぱり、バナナやいちごの方が、ほっこりしていいですもんね。

カフェ・アート

ところで、女子のおやつタイムは、至福のひとときとされるのに、おっさんがおやつを食べるのは、変人扱いされるのはどうしてでしょう?東京都美術館で、ブリューゲル展を観た後に、美術館内のカフェ・アートで一休みする事に。

いちごパフェ

頂いたのは、いちごパフェ980円。確かにかわいらしいフォルムではありますが、おっさんが食べるのは、変わっているのでしょうか?おっさんとスイーツって、その間に何かキャラをかぶせないと、いけない雰囲気があり、新日本プロレスの真壁刀義さんみたいに、鎖を首に巻いて、ワイルドに「うぉおおおおおお」ってやった後に、スイーツ食べるみたいな、キャラでギャップを作らないと許されないみたいな雰囲気があります。

そんな事は誰も言っていないのですが、被害妄想です。なんか自分の心の中で言い訳しないと、食べられない気がするのです。渋谷のセンター街を歩く時に「はい、遊びに来たんじゃありません、仕事で仕方なく通っています」と、心の中で言い訳をすると言ったら、結構、多くの人に共感してもらったのですが、このスイーツを食べる時の、心の言い訳は共感してもらえるでしょうか?

今、いちごって旬の季節じゃないですか!1年で一番美味しい時期ですよ!おっさんだって、いちごパフェ食べたいんですよ!

そだねー!って、誰か言って!

■cafe Art(カフェ アート 
■東京都台東区上野公園8-36 東京都美術館内
■営業
11:00~17:30
11:00~20:00(金曜日)
■定休日:
毎月第1、第3月曜日(祝日・振替休日の場合は翌日)
場所はこのへん
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トレボン(江古田)

平野沙希子

フジテレビの「7ルール」を見ていたら、平野沙希子さんがピックアップされていました。様々な分野で輝いている女性の、自分のルールを探す番組で、平野さんは、新進気鋭のフードライターです。

話している事も面白かったのですが、文章が読んでみたいなあと調べてみると、著書に「生まれた時からアルデンテ」がある事がわかりました。

ちょっと待てよ!そういえば、前に聞いた事があるなあ…。そうだ!飲み友のMが、言っていたんだ!「生まれた時からアルデンテが好きなんですよ」と。彼もクリエイティブな仕事をしているのだけど、平野沙希子の文章が好きだと力説していたのです。今から3年前に。

ジュンク堂や三省堂に行ってみたのですが、在庫がなかったので、amazonで中古を買う事にしました。amazonのカスタマーレビューでの評価は異常なくらいに低いのですが、読んでみてわかりました。この本は音楽でいう所のパンクなのです。食やグルメ本、グルメエッセイが好きな人が読むと、それまでの価値観が壊され、ぶちのめされるような気分になります。

まず、タイトルともなっている「生まれ時からアルデンテ」というページ。自分は生まれた時からアルデンテ世代なので、芯が無い事を誇りのように開き直る喫茶店のナポリタンが嫌いだ!と力説。村上春樹の「カンガルー日和」の「スパゲティーの年に」で、「空想のキッチンのタイマーを15分にあわせる」って、茹ですぎだろ!と、大御所の文章にもかみついています。

いやあ、面白い!これは彼女が24才の時に書いた文章。最近、才能のある若者の作品にふれて、自分の凡才ぶりに打ちひしがれる、才能SMプレイが好きだと言いましたが、彼女の文章にもビシビシと打ちのめされていきます。

ナポリタン=昭和のいい思い出話みたいな方程式が、グルメエッセイのスタンダードとなって来ましたが、気がつけば平成元年生まれも30才、ミレニアム生まれも18才、腰の無いナポリタンが最高!なんて感覚は、もはや、オッサンやオバさんの脳内にしか残っていないのです。

誤解無きよう言ってきますが、彼女は昭和だけをディスってる訳じゃあありません。食べログに頼り、評価の答え合わせばっかりしている人や、旨くも無いのに、旨い旨いというグルメレポーター、食に対して予定調和な人達をバッサリと斬って行くのです。自虐というオブラートにつつんで、ユーモアを交えながら。

そんな中で、昭和な人達に甘やかされて生き残ってきた、ぬるま湯メニューである、ナポリタンを一通りディスったあと、(追記)として神泉「フレンズ」のナポリタンは、昔ながらの味なのにアルデンテなので最高です!と、結んであります。だよな、今の時代、ナポリタンもアルデンテにすればいいじゃん!と、腑に落ちて、スッキリしたところで、そういえば、江古田にもあったな!と思い出しました。

トレボン

江古田の老舗喫茶、トレボン。ここで美味しい物といえば、クロックムッシュが代表的なんですが、実は、野沢菜ピラフや、野菜サンド、一見、普通の喫茶店メニューっぽい物が、旨いのです。過去にも書きましたが、普通のメニューを丁寧に作ると、こんなにも旨くなるんだなあという、感動があるのです。

ナポリタン

ナポリタンもその一つです。注文してから、炒め始めるまでの時間から想像するとたぶん、麺は茹でおきなんだろうけど、それほど、ふにゃっとしてなくて、固め。シャキっとしたピーマンの歯触りが気持ちいい。あとは玉ねぎとソーセージと、平凡な具なのに、それでも美味しい。ケチャップもくどくなく、上品!全てがちょうどいい。昭和ノスタルジックも、平成も関係なく、平野さんが何と言おうと、自分にとって、これはこれで満足な一品です!

でも、平野さんが絶賛した、神泉「フレンズ」のナポリタンは、どんな味で食感なんだろう?アルデンテなナポリタン、気になるなあ。

■カフェ・ド・トレボン
■練馬区小竹町1-56-3(小林ビル2F)
■営業:10:00~22:30
場所はこのへん

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