「160㎞も走ったの〜!凄い〜!」
なんて反応を期待しているなら、ロングライドはやめとけ!ってアドバイスを送りたい。
待っているのは冷ややかな目です。
自転車に興味のある人なら、多少関心を示してくれるものの、
自転車=ママチャリ的な意識の人は、
「はぁ?いい年して何やってんの?」
いい年してまだバンドをやっているの?に共通するような反応が大半。
そういえば、バンドやってるヤツが言ってたなあ。
「草野球とかゴルフとかと同じで、趣味でバンドやってるだけで、
何でこんなに批判されなきゃいけないんだって。
オッサンになったら、オッサンくさい趣味やらなきゃいけないのか!」
同様に、ロングライドも女子ウケは非常に悪いです。
山ガールとかは、同様の達成感があるせいか、まだ理解ありますけど。
だから、銚子センチュリーライドの会場に集まったのは、
なんと言われようと自転車が好き!な人々。
諸先輩方もいらっしゃるので、申し上げにくいのですが、はっきり言ってバカ共です。
自転車の。
僕は、DJでありナレーターである伊津野亮さんのチームの一員として参加しました。
女性には理解されにくい自転車の世界を、
この後に及んで、言い訳がましく説明させてもらうと、
女性にとっての美容とか、お化粧の世界に近いのかもしれません。
新しい商品、口コミで評判の商品が出たら試してみたい。
→評判の新しいパーツが出たら試してみたい。
使い続けていたら、肌に張りが出てきた
→乗り続けていたら、走れるようになってきた。
合コンやパーティーなど、美容室行って気合い入れて、綺麗な服を着て勝負
→大会で、いい決戦用のホイル履いて勝負
まあ、どう書いたって言い訳じみていますが、
イケてない自分が、もしかしてイケるかも…ってわかったら美容に力が入るように、
走れるハズがないが、走れるかもに変わったあたりから
自分がどれだけ走れるようになったのか、試してみたくなるのですよ。コレが。
という訳で、千葉県印旛郡栄町の「ふれあいプラザさかえ」をスタートし、
自分を試す160㎞の旅へと出ました。
ドラクエのパーティー的には、全員、遊び人と吟遊詩人のパーティーですかね。
あ、セオサイクル西千葉店のサポートもあるので、回復系の僧侶もいるか。
まずは田園風景の中を進みます。
続いて、芝山はにわ道へ。
もちろん1列で信号順守。左側通行。
交通ルールを守っての走行です。
第一チェックポイントは、山武市芝山出張所。
水やバナナ、塩タブレットや飴なども用意されていました。
しばし休憩。
こんな風に出走カードに判子をおしてもらっていきます。
第一チェックポイントは、10時までに通過しなければいけません。
九十九里ビーチラインに出たら、旭市、銚子市方面を目指します。
住宅街の切れ間から時折海が見えます。
房総フラワーラインとまでは行きませんが、沿道には花も咲いています。
旭市の飯岡は、東日本大震災で、津波の被害のあったところ。
左手前方の空き地は、家があった場所で、
基礎や小さな瓦礫のかけらも少し残っていました。
このように、津波の爪痕もまだ残っている場所もあるのです。
実は、この銚子センチュリーライドは、東日本大震災の復興支援もかねています。
この旭市の飯岡付近は、観光がメインの産業なのですが、
震災以降、客足が遠のいてしまいました。
そこで、こうしてコースの中に組み込み、
「食事したり、補給の買い物をしたりしてお金を落とす事」
というのも、大会の案内に書かれています。
飯岡は昨年は、生活者の復興を優先し、
メインの海水浴場の復旧は後回しになった為に、1シーズンを棒にふりました。
今年は、海水浴場の整備もOKになったので、ぜひ足を運んで欲しいとの事です。
さて、その飯岡のコンビニで休憩と補給。
実は、この後、後ろに見える山を越える事になるからです。
今回は、ほぼフラットなコースなのですが、
唯一といっていい山越えに挑戦です。
山の上には風力発電の風車が何基も立っているのですが、
海からの霧で、ほとんど見えません。
谷底の方まで霧に包まれてきました。
と思ったら、いきなりのゲリラ豪雨です。
前方を走っていたサポートカーから、雨が来るとの連絡を受け、
みんなレインウエアを着た直後だったので、被害は最小限。
近くのコンビニへ走り、屋根の下で雨宿りしました。
雨をやり過ごしたら、第2チェックポイントへ。
ちょうど犬吠埼の地球が丸く見える丘展望館の近く。
こちらでは、バナナやスイカ、水などの補給が。
今回は、セオサイクル西千葉店から、
オリジナルブランド、semasのCR1を借りて走行しました。
simanoの105がついた標準的なモデルなんですが、
普段のクロモリのクロスから比べると、軽いし早い。
自分の実力がUPしたのではないかというような錯覚に陥ります。
まあヘタレなんで、機材に頼るというのも一つの手でしょう。
クロモリでガンガン乗れる人って、本当に尊敬します。
ロングライダースの中には、女性でもクロモリで長距離って人もいますしね。
ただ、ポタでも何でも乗っている人ならいいんだけど、
高いクロモリロードを組み上げただけで、
ほとんど乗らずに、飾っている人にかぎってクロモリ教を唱えるので、
イラっと来る事もあります。
お前のクロモリは、ディアゴスティーニか!
と、心の中だけでツッコミ入れて、苦笑いしながら聞いてますけど。
その後、犬吠埼に向かったのですが、
濃い霧につつまれて、白い灯台は同化して見えず。
本来であれば気持ちいい風景になるはずの、荒れ気味の海を見ながら
銚子の港を目指します。
お昼休憩は、ウオッセ21の中にある海鮮レストランでとることに。
頂いたのは、本日のオススメ、大漁丼1500円。
生シラスにネギトロ、甘エビと蟹。
それに青のりのお吸い物。
山越えの後だったので腹が減ってて、ガッツリ食べちゃいました。
昼食後、利根川沿いから広域農道に入ると、お天気が徐々に回復。
レインウエアがだんだん暑くなってきました。
第3チェックポイントの多古の道の駅へついた頃には、いい天気に。
さて、残り20㎞。
これまでは、のんびりチームに入って走っていたのですが、
ここからは、消防士さんなど、体力に自信ありのメンバーが揃う
早いチームに入れて貰って走ってみる事にしました。
20㎞なら、なんとかイケるだろうと。
ここまでは、27㎞前後の巡航だったのですが、
30㎞から35㎞ペースで走っていきます。
平地だったけど40近く出ていた事もあるかも。
普段は、遅ポタ専門ですが、
なんとかちぎれる事もなく、最後まで着いていく事が出来ました。
スタート地点である「ふれあいプラザさかえ」へ無事到着。
メーター読みで163㎞!
やったぜ!無事完走だ!
しかし、達成感が半端無い。
クセになりますね。
前を引いてくださった皆さん、ありがとうございました。
そして自転車を貸してくれた、セオサイクル西千葉店の皆さん、
ありがとうございました。
ああ、女性ウケはもうどうでもいいので、またロングライドに出たいです!
普段は1人で走る事が多いのですが、皆で走るのも楽しいですね。
今回のルート!
さて、ロードバイクは買ったけれど遠出した事がないという方、
毎年、10月に行われるツールドちばをお勧めしておきます。
この大会は、速く走るというよりはロングライド挑戦を目的とした物で、
パンクなどのメカニックトラブルのサポートもありますし、
各グループに指導員もつくので、道に迷ったりする事もありません。
また昼食や休憩ポイントなど、ホスピタリティーもいいので、
楽しく、気持ちよく走れます。
20㎞ごとぐらいで、休憩ポイントもあるので、長距離心配という人も安心。
僕もここからロングライドにハマりました。