あの大雪の日にツイートした僕のつぶやきが、1000を越えるリツイートをされました。
リプライも沢山頂いたのですが、
その多くが、そんな視点で考えた事もなかったというものでした。
反響が多かったので、そのエピソードをこちらでも紹介しておきます。
まだ道路が一面真っ白だったあの日。
朝、雪はまだ降り続け、5㎝ぐらいの積雪となっていました。
その雪の降る中、駅に向かう途中で、
「すいませーん!すいませーん!」
という声が聞こえます。
みると、雪の中で白い杖を持った、目の不自由な方が立ち往生をしていたのです。
「どうしました?」
と聞くと、
「駅はどっちの方でしょうか?」
という返事。
どうやら道に迷ってしまったようです。
同じ駅に行く所だったので、案内を申し出ました。
「肘を貸して頂けませんか?」
という事だったので、僕の肘に手をかけてもらい、2人で歩き出す事に。
「雪の影響で迷ってしまったんですか?」
と聞くと、彼は、いろいろ事情を話してくれました。
白い杖を使って道の凹凸やマンホール、
側溝の蓋の数、電信柱の数などを数えながら、
いつもの道か確認しているそうなのですが、
それらを雪が全て隠してしまった為に、わからなくなって、
道に迷ってしまったのだそうです。
普段使うルートを聞くと、確かに一本道が違いました。
そこで言葉で説明しながら、いつもの道に戻るように歩く事に。
「ここから右に曲がりますが、少し下り坂になっているので、
すべらないように気をつけてください」
「ここから歩道にあがりますが、段差があります」
すると、白い杖を雪に刺し、高低差などを確認していました。
本人とすれば、すごい大変だったのでしょうが、
一緒に歩いている間は非常に明るくて、
杖を使って道の情報を得るテクニックや、記憶する術、
そんな裏話も教えてくれたのです。
体で道を覚えるという意味では、非常に自転車と共通する部分がありました。
例えば、こんな路面の荒れ。
車やバイク、自転車でもママチャリは感じないかもしれませんが、
ロードバイクは、確実にこういう路面情報を体が感じます。
車やバイクなどはサスペンションがついているので、
このぐらいの小さな路面の荒れから来るショックは吸収してしまいます。
そして、ママチャリ。
サスペンションはついていませんが、シートの下に2つのバネがついています。
これがどれだけ路面のショックを吸収しているか?
ロードバイクに乗ると、その差がわかります。
ロードバイクの場合は、サスペンションがないので、
路面の荒れの大小が、地震計の針の振れのように、
ハンドルを持つ腕に、細かく伝わるのです。
だから最初はすごく疲れるのだけど、
そのうち、目で路面の荒れを確認すると、
ハンドルを握る手の力を緩め、サドルから少し腰を上げ、
ショックをうまく逃がすような乗り方を覚えていくので、慣れれば大丈夫です。
そんな話しをしながら、2人で雪道を歩きました。
彼も「自転車とも共通点があるんですね」なんて少し興味を持ってくれたり。
もう一つ共通点があったのは「風」というキーワード。
彼の場合、風の吹き方で道路の進行方向がわかったり、
建物の状態、あり無しが、予測できるとの事でした。
自転車の場合は、そこまで繊細ではないのですが、
ゴルフのフォロー、アゲンストみたいな感じで、
風の方向が走りにモロに影響するのです。
だから、自転車のロードレースでは、
エースの為の風よけにになる、アシストという選手が存在したりもします。
そんな風の変化を身をもって感じているので、
J-POPとかに「♪風を感じて〜」とか安直に出てくるたびに、
「どんな風なんだよ」とか、いつもツッコミたくなっちゃいます。
立ってても感じる自然の風、走っているから感じる風、向かい風、追い風、
マジで作詞する人は、自転車に乗ったら、
もっと、いろんな風が体感出来ると思いますよ。
あと「光さす方へ」と「やまない雨はない」の、
違う表現も見つかるハズ。
さて、その日は無事に彼を駅まで送り届けました。
でも、それから気になるのは、やはりこういう点字ブロック。
放置自転車が、点字ブロックや車椅子利用者のさまたげになっているとは
漠然とわかっていたのですが、
今回ほど、身に染みた事はありません。
そして、関心を持つと、白い杖を持った人って結構いるんだなあって。
何で今まで、見えなかったんだろう?
きっと僕自身に関心が無かったんだろうな。
自分の視野の狭さにozr、
でも彼と楽しく話せた事はプラスだったのかな。
なんだか、いろんな事を考えさせられた雪の日でした。
それをさ、140文字にまとめるって、twitterって難しいよね。
その時の、つぶやきはコレ。