喫茶・デン(鶯谷)

目白駅

江古田から東長崎を抜けて、目白通りを進みます。チャリで23区のカフェ制覇の旅でも、たびたび使う通り。目白駅を越せば通りも少し広くなるし、交通量も減るので比較的走りやすい通りです。

不忍通り

不忍通りを進み、護国寺を抜けると少し長い上り坂となります。その上にあるのが春日通りとの交差点。いつもはここを右折して、本郷や上野方面に向かうのですが、今回は、このまま直進。

自転車レーン

千石から白山通りに入り、さらに旧白山通りに入ると、自転車専用のレーンが出現。こちらは、国道としては東京都内初の自転車レーンだそうで、2010年の3月26日からスタートしたものです。

実は最近、少しずつですが、こういう自転車レーンが増えているのです。江戸川区を走った時も、このように自転車レーンが色違いで塗られていましたが、足立区を走った時は、白線のみで、所々に「二輪」の文字がありました。ただ、まだドライバーにはあまり知られていなくて、ただの路側帯と思われている事も。

このように色が塗り分けられていると、車が中央側を走ってくれるので、自転車も安心して走ることが出来ます。それに駐車違反の料金が上がったせいでしょうか、昔に比べれば圧倒的に違法駐車が少なくなりましたしね。

本郷

本郷に入ったら、東大農学部と安田講堂の間の言問通りに入ります。ギラギラの太陽が照りつける日は、こういう木陰のある所に入ると、ぐっと涼しくなり、気持ちいい風も感じることが出来ます。うちの近所の中野通りも、桜並木の緑がトンネルのように日差しを防いでくれるので、気持ちよく走れるので好きな通りです。

自転車旅だと、坂のアップダウン、交通量、路側帯の幅、舗装、自然、道路の色んな事が気になり、それが総合されて自分の好きな通りというのが生まれます。

旧・吉田屋酒店

言問通りを根津から谷中へ向かうと目に飛び込んできたのが、上野公園にある下町風俗資料館の付設展示場である、旧・吉田屋酒店。実は、当初、今回の目的地は、この付近でした。谷中は、カフェ本に取り上げられたりするお店の多い、カフェの宝庫なのですが、土曜日という事もあってか、街を散策する観光客でいっぱいで、当然、カフェも満員御礼。なので、この場所はあきらめ、言問通りをさらに直進する事にしました。

谷中付近は、古い町並みが残り風情があるのですが、実は若い店主が多いらしく、古い建物を生かしながら、若い人達にもうけるコンセプトのショップが多いのも特徴です。

たとえば、この旧・吉田屋酒店でも音楽が流れていたのですが、写真から想像して、どんなのが流れていたと思います?江戸情緒の残る下町といえば、お囃子とか、民謡とか、そんなイメージじゃないですか?

実はカフェミュージックだったんですね。

未だに多くの商店街では、年配者が実権を握っているために、若いお客のニーズに合わず、ただ古いだけになってしまう事が多いのですが、この付近は、並ぶお店や散策するお客さんなどをみても、旨い具合に世代交代出来ているのが、感じられます。

若いって言っても、中心は30代〜40代ぐらいでしょうかね。商店街では50代でも若手。60〜70代が中心ですものね。

陸橋

陸橋を使って、山手線、京浜東北線を越えていくと、スカイツリーが見えて来ました。ここの陸橋も自転車部分は緑に塗り分けられているので、安心して走れます。

デン

根津、谷中付近から予定を変更してやってきたのは、鶯谷付近の根岸周辺。このあたりも古い町並みと新しい町並みが融合する場所です。

ここで選んだのは、こちらの「喫茶・デン」。

グラパン

お目当てはこちらの「グラパン」。食パンをくり抜いて、ホワイトソースのグラタンを入れた物で、具は、エビ、ハム、ホタテの中から選べるので、エビをチョイス。ドリンク付きのグラパンセットは、980円です。

カラオケボックスなどで、食パン一斤を使い、ハチミツやアイスクリームを乗せたハニートーストにお目にかかることがありますが、こちらはグラタン。しかも、ハニートーストの場合は、みんなで食べる事がが多いので、これを一人で食べきれるのか多少不安がよぎったのですが、食べ始めると、意外といけます。

徐々にパンにグラタンが染みこんできて、しんなりしてくるので、そこをちぎりながら、食べていきます。そして、完食。

クリームソーダ

満腹になり、まったりとしていると、ご近所の常連さんらしき人が来店し「いつもの!」とご注文!すると出てきたのがコレでした。

見たらメチャメチャ食べたくなり、デザートは別腹と言い聞かせ、注文する事に。だって、今逃したら、次にいつ来れるかわからないんだもん。

クリームソーダは550円。こちらはソフトクリームも人気のお店らしく、濃厚なソフトと、ちょっと懐かしい感じのソーダがいい具合にマッチしてます。これ、美味しい!

カフェというよりは、地元の人達に愛される喫茶店という感じ。お客さんの中には、お婆ちゃん達の茶飲み友達チームもいらして、救急車が通ったら「ほら!お迎えが来たよ」なんて、綾小路きみまろさんチックなギャグを飛ばしていました。

■喫茶・デン
■東京都台東区根岸3-3-18
■営業
9:00~22:00(月〜金)
9:00~19:00(土日祝)
■定休日:不定休
場所はこのへん

謎の洋館

デンのすぐ近くの路地を入ると、不思議な建物が見てきました。家が蔦にすっぽりと覆われています。かなり古い歴史のある建物のようですが、特に案内などは書かれていません。

後で調べてみると、どうやら、陸奥宗光の別邸だった場所らしいです。幕末、勝海舟の神戸海軍操練所に入り、坂本龍馬の海援隊に加わるなど、始終龍馬と行動をともにした人で、大河ドラマの「龍馬伝」では、平岡祐太が演じている人です。

明治時代には外務大臣として辣腕をふるい、カミソリ大臣の名で呼ばれた人。明治20年頃に三井家からこの家を贈られ、別邸として使っていたそうです。

現在は、別の人の手に渡り個人の所有物になっているようです。一見廃墟風になっているのですが、個人では維持するのは大変なんでしょうか。

看板

さて根岸と言えば、近くにあったハズ。ねぎし三平堂。初代・林家三平さんの実家であり、記念館でもあります。

三平堂

二代目・林家三平さんは、次男である「いっ平」さんがが継いで、長男の「こぶ平」さんは、九代目「林家正蔵」さんへ。お二人が出られる番組では、たびたびこちらのご実家も登場しますね。

鬼子母神

帰りは、入谷から上野方面に向かったのですが、入谷といえば、朝顔市でも有名な鬼子母神があります。正式名称は、真源寺(しんげんじ)。江戸の三大鬼子母神の一つされ「おそれ入谷の鬼子母神」という狂歌の中の洒落も有名ですね。

社殿

歴史のある寺院という事で、ワクワクしながら入ってみたのですが、すっかり近代的になっていて、少しガッカリ。

山車1

その後、上野公園の脇をすり抜けて帰ることにしたのですが、ちょうど上野公園の夏祭りが行われていて、山車が待機していました。

山車2

その他にも、猿の山車と…。

山車3

狐の山車が待機していたのですが、猿と狐で何のお話でしょうか?もし桃太郎だとしたら、狐ではなく犬ですが、そうなるとキジが足りません。さて、いったいなんの山車なんでしょう?

不忍池

不忍池で、ちょっと夕涼み。屋台も数多く出ていて、ビールを楽しんでいる人も多くいました。ちょっとしたビアガーデン風。

入道雲

ビールをぐっとガマンしてペットボトルの水を補給していると、ビルの向こうに、大きな入道雲がもくもくと。まるで、爆弾が投下されたあとの、きのこ雲のよう。みるみるうちに大きくなっていきます。もしや、これは一雨降るのでは?ゲリラ豪雨?

早々に上野を後にして、帰路についたのでした。

自転車で23区カフェ制覇の旅…ただ今、14/23区。

地図

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加藤仁と阿部守正の店(葛西)

環七

梅雨明け初めての日曜日。
雨の心配がないので思い切って遠出する事にしました。
自転車で23区のカフェ制覇の旅。
どうせなら、一番遠いであろう江戸川区へ。

江戸川区へは、荒川のサイクリングロードを下るコースがいいと聞いて、
まずは環七を荒川方面へと向かいます。

隅田川

東武東上線、中山道、東北本線を越えて行くと見えて来た川。
しかし、これは荒川ではなく隅田川にかかる新神谷橋。
実はこのあたりの上流は、隅田川と荒川が合流してもおかしくない程、接近している事も。

荒川土手

新神谷橋を渡って少し行くと、荒川にかかる鹿浜橋へ向かう坂道が見えてくるのですが、
そちらへは行かず、側道へと入ります。
すると荒川の土手にぶつかり、土手の向こう側へ出るための坂道が現れます。

荒川サイクリングロード

土手沿いにずーっと続くのが、荒川サイクリングロードです。
目指す葛西は荒川の河口付近ですから、これを下っていくと着く計算に。
しかも、車が走っていないし、信号もなく、
これまでの市街地より、かなり精神的に楽な気分で、走ることが出来るのです。

首都高

どこまで来たかという目安になるのが、橋です。
一般道なのか、首都高なのか、それとも鉄道なのか、
それで、だいたいの位置関係がわかります。

トイレ

サイクリングロードは、車がいなくて走りやすいのはいいのですが、
逆に、困ることもあります。

まず、コンビニはおろか自販機など、飲み物や食べ物を売っている場所がありません。
これまでのチャリ旅から、飲み物の準備は万端なのですが、
炎天下で予想以上にエネルギーを消費し、食べ物が欲しくなりました。
ウィダーインゼリー でも持ってくれば良かった…。

あと困るのが、トイレ。
熱中症にならないように、こまめに水分を取っていたのですが、
全部が発散する訳でもなく、急にトイレに行きたくなったりします。

そんな時には、野球場やサッカー場を探しましょう。
その脇には、だいたいトイレがあるからです。

そんな時に助かるのが千住新橋グラウンドのトイレ。
陽炎が見える炎天下の中、本当に砂漠の中のオアシスに思えてきます。
トイレの他、水飲み場あり、休憩用のベンチあり。
まずはここで休憩をする事にしました。
トイレの他、空になったペットボトルに水の補充も。
500mlを二本持ってきたのですが、ここまでで1本空になってしまったのです。

これだけ暑いと、水道水もボルヴィックなみに、旨い!
ちなみに、土手の向こうにチラっと見えているのは、スカイツリーです。

千住新橋グラウンド

川面を眺めながら、しばしの休憩。
風を感じ、空の青さを感じ、太陽の力を感じる。

多くの人がここで休憩を取るのですが、
ママチャリでサイクリングに挑戦している集団もいました。
危険も少ないし、のんびり走る分には、ママチャリでもOKです。

河原では、いろんな人達が、試合や練習をしています。
野球やサッカーはもちろん、ラグビー、アメフト、老人の方々のゲートボール。
チアリーディング、フリスビー。
そして意外と多かったのが、和太鼓の練習。
集団で大きな音で叩ける場所って、あまりないんでしょうね。

アイス売り

河原には強い風が吹いているせいか、日陰に入ると急激に涼しくなります。
そのため、橋の下で休憩している人も多数みられます。
そんな人達をみこんでか、アイスキャンディーを売っている人が。

さっそく買おうと思って声をかけて多のですが、
オジサンが熟睡をしてしまっていて、いくら声をかけても起きません。
それほど、心地よい風だったのでしょうか?

かなり大きめで何度も声をかけたよ、執念。
だけど、全く起きずに、断念。
そして残念。
荒川乃風。

標識

しばらく走ると、河口まであと9キロの標識が!
え?かなり走ったんですけど、まだそんなにあるの?

でも、ここで本日初というか、この自転車旅を初めてから初の、交流が。
この日は強風だったのですが、写真を撮っている時、帽子を飛ばされてしまったのです。

すると後ろから来た、高校生らしき男のコが拾ってくれて、
お礼を言いながら、少し立ち話。
彼は、越谷からやってきて、やはり河口を目指しているのだとか。
で、何度も走っているらしく、
「対岸を走ると無人島ですから、孤独ですよ」と、アドバイスを。
無になりたい時はいいのかもしれないけれど、
初めての長距離では、ちょっと寂しすぎるかもしれませんね。

水門

前方に見えて来た巨大な水門。
荒川ロックゲートです。
こちらも、ベンチなどがあり、休憩ポイントとなっている場所です。

荒川ロックゲート

荒川と向こう側の旧中川では水位が違うために、
ここを解放してしまうと、荒川の水が旧中川に流れ込み、影響を及ぼしてしまいます。
そのため、ここで水位を調節して、船を通すのです。

清砂大橋

東京メトロ東西線と平行して走っている、清砂大橋が見えて来ました。
この橋を使って対岸へと向かいます。
向こうは、今回の目的地である、江戸川区。

橋の上から

橋の上からは、花壇で作られた、江東区の文字が!

江戸川区球場

そしてついに、江戸川区上陸です!
橋を渡るとすぐにあるのが、江戸川区球場。
ちょうど、夏の高校野球の地区予選が行われていて、
ブラスバンドと歓声が飛び込んできました。
音でも夏を感じながら、さらにペダルを漕ぎ続けます。

葛西駅

東西線の葛西駅。
この近くに、今回の目的地の一つである、カフェがあるハズ。

加藤仁と阿部守正の店

こちらが探していたお店「加藤仁と阿部守正の店」。
パン屋さんなのですが、イートインスペースもあり、
ベーカリーカフェとしても機能しています。

地方に行くと「加藤仁商店」みたいなお店だとか、
東京だとマツモトキヨシみたいなフルネーム系のお店はありますが、
ダブルネームって珍しいんじゃないでしょうか?
自分たちの名前を出すというのは、自信のあらわれでしょうね。

地元では、かなり人気のパン屋さんのようです。

看板

新商品「ずんだあんぱん」という文字が。
「ずんだ」とは、宮城とか山形での夏のメニューで、
枝豆をすりつぶして作った餡の事。
これで作ったのが「ずんだもち」で、両県の夏の名物おみやげとなっています。
それを、あんぱんに利用したわけですね。

ずんだあんぱん

選んだのは、やはり「ずんだあんぱん」137円。
そして「カレーコロッケパン」168円。
「アイスカフェオレ」210円。
全体的にお安め!

「ずんだ」の香り。
枝豆の爽やかさが、口の中で広がります。
枝豆って、ビール飲みたいスイッチを確実に押してくれますね。
もちろん、家に戻るまでガマンしますけど。
さらに、カレーのスパイシーさ。こちらも夏です!
味覚の夏祭りって感じです。

ハード系というよりはソフト系中心ですが、
食べてみたいパンが沢山ありました。
葛西臨海公園へ行く前に寄っていくのもいいかも。

■加藤仁と阿部守正の店
■東京都江戸川区中葛西3-36-8
■営業:7:30〜20:00
■定休日:木曜日
場所はこのへん

葛西臨海公園

…という訳で、足を伸ばして葛西臨海公園へ。
駅前の広場では、噴水で子供達が水遊び。
うっすらと虹も出ているのがわかりますでしょうか?

観覧車

葛西臨海公園といえば観覧車。
いっそのこと、一人で乗ってやろうかとも思ったのですが、まずは海へ。
中にサイクリングロードとかもあって自転車でも走れるので、いろいろまわってみました。

展望台

こちらはクリスタルビューという展望塔。
上からみると目の前には東京湾。
正面に、アクアラインが見えます。

水族館

葛西臨海公園といえば、水族館と観覧車。
なのに、なぜかそういうものには目もくれず、自然の方を探してしまいます。
気持ちいい風を受けながら休憩できる場所を求めて、園内を奥へ奥へ。

TDL

鳥類園ウォッチングセンターの脇の奥へ出ると、対岸にTDLが見える海岸に出ます。
木陰では、やはり自転車で来た人たちが、お昼寝していました。
やはり、考える事、欲する事は、同じなんですねえ。

葛西渚橋

片道約30キロ。
達成感がありつつも、同じ距離を帰ると思うと、すぐには腰があがりません。
かき氷を食べつつ、さらに休憩…。

視覚…霞のかかっていないどこまでも青い夏空
聴覚…風の音、高校野球の応援の音
触覚…肌に触れる風の感触、肌で感じる日向と日陰の気温差
味覚…ずんだの枝豆の味
嗅覚…潮の香り、草の香り

五感で夏を満喫した今回の旅でした。

自転車で23区カフェ制覇の旅…ただ今、13/23区。

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