※カフェの営業は終了し、着物店は本郷へ移転しました。
目白というと豊島区というイメージですが、駅から100mも行けば、そこはもう新宿区です。
目白通り、目白三丁目の交差点を新宿方面へ曲がると、閑静な住宅街があり、高級住宅地らしく、大きな家が建ち並びます。道をふさぐように立ちはだかる大けやき。この木に敬意を表するかのように、道の方が避けて蛇行しています。なんでも碁盤の目のように区画整理したがる風潮の中で、なんとも微笑ましい光景です。
さてさて、本日のお目当てはこちら。和カフェの「花想容」です。目白方面からだと、先ほどの「大けやき」まで行くと実は行きすぎで、その一つ前の角を右にまがり、次の角を左に行ったところにあります。
普通の住宅のように見えますが、この看板が目印です。
家の脇の細い道を通って、中庭のある方へ。奥へ奥へと進んでいきます。
縁側から靴を脱いであがると、洋のようでありながら、和のようでもあるモダンなお部屋に通されます。大正時代に建てられた建物で、どことなく大正浪漫の香りも。
実はこちらは、近衛文麿邸だった所。日本が太平洋戦争へと突入していく時の首相で、日独伊三国同盟を締結した人です。
首相の家にしてはこぢんまりした感じがしますが、これは残された建物の一部で、本来は、先ほどの大きなけやきのあたりからの、広い敷地の大邸宅だったそうです。
濡れ縁で囲まれた坪庭には緑が生い茂り、初夏の爽やかさを感じさせてくれます。
こちらでは、着物教室などもやっているのですが、縁側には反物なども並べられています。「これは売り物なんですか?」と聞くと、「今の時期は浴衣を売っています」とのお答え。部屋の棚にも、和の小物が並べられて販売されていました。
ケーキなどもありましたが、和のテイストのお店という事で、頂いたのは「あんみつ」のセット、1000円。飲み物も選べるのですが、和で「冷たいゆず茶」にしてみました。
あんみつは、口の中で黒蜜の香りがふわっと広がる自然な甘さ。和の味というのは、なんかホッとするスイッチを入れてくれます。やはり日本人なんだあ…と感じで、のんびりと庭を見ながらリラックス。
こちらのお店、席は2人席が2つと、4人掛けが1つと、あまり大きくないので週末などは、混雑してしまう事もあるそうです。その際は、一組1時間までに制限してもらう事も。なのでお時間のある方は、平日の方が狙い目です。
※カフェの営業は終了し、着物店は本郷へ移転しました。
■花想容
■東京都新宿区下落合2-19-21
■営業:1:30~18:30
■定休日:火曜・祝日
(水曜は着物教室になるので、カフェとしてはお休みです)
■場所はこのへん
■お店のサイト
さて、お店の前の道を新宿方面に進み、2〜3分。少し坂を下った所に、うっそうと木の生い茂った公園があります。それが「おとめ山公園」。
森ガールの為の楽園かというような雰囲気の名前ですが、漢字で書くと「御留山」。江戸時代は、この一帯が徳川家の狩猟地で、一般人の立ち入りが禁止されていたことから、この名前がついたそうです。
都会の中に突如として出現する森で、かつては「落合秘境」とも呼ばれていたそうです。
公園は2つに分かれていて、目白寄りの方には池があり、鯉などが悠々と泳いでいます。
さらには、亀が集団で甲羅干し。
西側は、大きな森となっていて、その中に湧き水を利用した、蛍の飼育施設も。7月には「おとめ山夏祭り・蛍観賞の夕べ」というお祭りも行われるそうです。
森の中のベンチでは、読書する人や、ウクレレの練習をする人など、思い思いに、ゆるゆるムードで過ごしていますが、都会の中の森だけに、カラスにとっても楽園らしく、時折鳴き声がこだまします。
そんな中、さらに奥へ進んでいくと、その森の中のベンチに、お葬式帰りのように黒ずくめのワンピースに、黒い帽子をかぶり日焼け防止用の黒い手袋をした女性が座ってたのですが、さながらカラスの化身のような雰囲気。世にも奇妙な物語のプロローグのような感じで、これから何か起こりそうな怪しい雰囲気を醸し出していて、少しビビりました。
森の奥には、何か怪しい妖気が放たれているような気がします。
■おとめ山公園
■開園時間
7:00〜19:00(4月~9月)
7:00〜17:00(10月~3月)
■入場料:無料
■場所はこのへん
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