東京は、最高気温35.9度という猛暑日でしたが、青空がキレイだったので出かける事にしました。
白くそびえるスカイツリーが青空に映えるハズ…と墨田区に向かうことにしたのです。以前、柴又に行くときに同じように浅草通りの駒形橋から写真を撮ったのですが、同じ猛暑日でも薄曇りの日で、美しさがイマイチでした。やはり、青空の方が断然イイ!
とはいえ猛暑日で、勢いに任せて走っていては熱射病になるので、コンビニをオアシス代わりにして、水分補給をしたり、ガリガリ君を食べて体をクールダウンさせたりと、無理せずの旅。これだけ自転車に乗っていると、自分の体調や、エネルギーの消費など体の変化のサインが、わかってくるようになるのです。
そして寄り道をしていたので、いい事もありました。吾妻橋近くのコンビニで飲み物を買っていたら、お相撲さんが入ってくるではないですか!よく見たら、高見盛関でした。
高見盛が所属する東関部屋は、東駒形にあり、最寄り駅は本所吾妻橋ですから、間違いないでしょう。普段から、あのにこやかな愛嬌ある顔をしているのですね。体を癒そうと思って入ったコンビニですが、気持ちも癒されました。
さすがスカイツリーという感じで、近くに寄ると、広角レンズを使っても縦じゃないと写らなくなります。スケールが大きい!
この写真、半分が白みがかっているいるのでわかりやすいのですが、東京タワーと違ってスカイツリーは白いので、曇りの日で空が白いと、イマイチ画になりにくいのです。青空の日の方が、断然キレイです!
さて、このスカイツリーが見えるポイントは、ちょうど「おしなりくんの家」の前。浅草通りに面しています。
その前に、おしなりくんとは何ぞや…という事ですが、この付近、押上と業平橋地区の地域活性化の為の、ゆるキャラで、
業平橋の名前の由来になった平安の歌人、在原業平をモチーフに、
タワーをイメージした烏帽子姿が特徴です。
との事。
その家というコンセプトの休憩所で、お茶やお水は無料。おしなりくんグッズやお土産なども売っています。
■おしなりくんの家
■墨田区業平2-15-6
■営業:10:30~17:00
■定休日:火曜
■場所はこのへん
麓まで行って自転車とコラボしようとしたのですが、なかなか難しい。全長と自転車を入れるためには、地べたにカメラを置かなければ無理で、そうなるとモニターを覗かずに写真を撮ることになります。何枚か撮ったのですが、てっぺんまでのツリーと自転車込みの写真はなかなか撮れません。
これでまだ半分でしょ。完成したら、さらにスゴイ事になるんじゃないでしょうか?
遠くから見かけたり写真を撮ったりした事のある人は多いと思いますが、逆に、足もとを見た事がある人は少ないのでは?足もとというより、麓と言いたくなりますね。
東京タワーは足もとが広がっていますが、スカイツリーは、割とコンパクト。これで大丈夫なの?と思ってしまいます。
豆知識的には、足もとが三点なのに上に行くにしたがって円柱に。なので見る角度によっては、傾いて見えたりするのです。
この日の高さは、438m。
その麓には、すでにお土産屋さんがあり、人で賑わっています。
スカイツリーのキーホルダー。でもこれって、工事中の形ですよね。完成すると別物が販売されるのかな。…となると、今買っておくと何年か後にレア物になる可能性もアリですね。
京成橋のあたりも撮影スポットとしては人気で、賑わっています。
午後になってくると逆光になるので、こちらから撮る場合は午前中ですね。
線路際では、撮影の為に線路に進入しないように、「撮影広場」というのも設置されています。ここからだと東武伊勢崎線の線路、車両との写真を撮る事が出来ます。
ただし、こちらも午後は逆光となるので、午前中か、太陽がオレンジ色になる夕方ぐらいの方がいいでしょう。
線路を渡って反対側、北側の方には「見学広場」というのがあります。
こちらには、お休みの日だけでしょうか?ボランティアのガイドさんのような方がいらして、自分たちが撮った写真アルバムを見せながら解説していました。
ここからは、こんな感じ。太陽の位置で、見え方が色々と変わるのがわかって頂けたかと思います。
今回、ぐるっと一周回ってみてのベストショットはこちら!源森橋からの眺め。近場は工事のテイストが強いのですが、ちょっと離れたこちらは、川や屋形船、東武の高架などがバランス良く配置され風情のある画が撮れます。
色々な角度から見て、好きなポジションを探してみてくださいネ。
さて、スカイツリーもそうなんですが、今回、それよりも来たかったのがこちらの「鳩の街通り商店街」。向島と東向島にまたがる商店街で、一見、ただのシャッター通りに見えますが、街を歩くと、カメラを持った観光客が多いのに気がつきます。
昭和の香りの残る下町として雑誌などに紹介される事も多く、そのロケーションから、テレビドラマ「婚カツ!」「サザエさん」「向島芸者シリーズ」などドラマのロケ地にもなっているそうです。
亀の子だわしが売られている雑貨屋さんがあったり…。雑貨屋さんというより、日用品のお店という方が雰囲気あるか。
タスポのおかげで激減したタバコ屋さんも、残っています。
スーパーではなく、こうした魚屋さんからお魚を買うという20代の主婦やOLさんなど、どのぐらいいるんでしょうね。
ロケーションだけでなく、人情も残っているようで、高校生が学園祭のポスターを貼らせて欲しいと一軒一軒お願いに回っていたのですが、どのお店も
「いいよ!一番いいところに貼りな!」
「もっと目立つところに貼りなよ」
「盛り上がるといいなあ」
なんて声をかけていて、地域の暖かみを感じます。
チェーン店ではない、地元の自営のお店ばかりですから、向かい合ったお店の人が、立ち話をしていたり、そういう地域密着な光景が、さらに空気感を作り上げているのです。
今、震災対策という名目で、こういう狭い路地を取り壊し、道路拡張工事をしている所が多いけれど、この距離だからこそ…この土地柄の雰囲気がというのは考慮されていませんね。
机の上で、ごもっともな事だけを並べて仕事する机上の論理ばかり。逆を言えば、震災対策は出来るけど、地域作りは出来ない設計者ばかりなのだから、両方とも出来るという人が出れば、一気に名をあげると思うのですが。いでよ!そういう建築家!設計者!
前フリが随分長くなってしまったけど、今回、来たかったのはその「鳩の街通り商店街」にある、こちらのカフェ。
古民家を改装したカフェ「こぐま」です。
昭和2年築の木造長屋を改装したカフェで、戦前から薬局だった造りをそのまま活かしたノスタルジックな空間が広がります。学校の机や椅子のようなテーブルが、さらに懐かしい空気感を。
棚には、どこかジブリを思わせるような陶芸の作品が。この棚はギャラリーになっていて月ごとに作品が変わるのだそうですが、この日は、このカフェでも使用している陶器を作っている人の、陶芸作品展を。
「トトロを思い出すような作品が多いですね」と言ってみると、こちらの陶芸家は、埼玉の狭山に住んでいて、トトロに出てくるような家を作って移り住んだ人なのだそうです。やはりそうでしたか…。
頂いたのは、ひよこ豆のカレー800円。
このお店のように、懐かしさを感じさせつつも、古いだけじゃなく、ちゃんと「今」というテイストも取り入れて作られたカレーです。そこが昔のまま続く喫茶店と、レトロなカフェの違い。まあ、どちらも好きなんですが、一般的に女性受けをするのはこちらでしょう。
懐かしさついでに、クリームソーダも。こちらは650円なんですが、食事を頼むとドリンクは200円引きになるので、450円に。
クリームソーダって子供の頃の最高級品メニューだった気がします。コーラやコーヒーと違い、メロンソーダって家にはない味。つまり、お出かけの味なのです。ここが、コーラフロートやコーヒーフロートと決定的に違う所。
さらにチェリーが沈んでいる。なんだろう?このワクワク感。これもお出かけスタイルでしょう。
もし、普通にチェリーが沈んでいたメロンソーダを家で飲んでいたいう人がいたら相当の金持ちでしょう。ウチが貧乏だった訳ではないですが、絶対そうなハズ!もしくは、両親のどちらかがアメリカ人。そういうイメージの非日常メニューなのです。(ファミレスのドリンクバーで飲んでたという無粋な意見は除く)
さらに、そのワクワクドリンクにアイスクリームを載せるというワクワクonワクワクですよ。あ~たまらない。
■こぐま
■東京都墨田区東向島1-23-14
■営業:10:30~18:30
■定休日:火水
■場所はこのへん
■こぐまのサイト
お店に入ったときは唯一の客だったのに、あれよあれよという間に満席に。さらに、A4ペラ1枚のフリーペーパーらしき案内図を持った
外国人客が入っていく所にも遭遇。そして、街にはカメラを構えるアラサー的人達が多数。
その中の一人の女性に
「カメラを持っている人多いですが、何でここを知って来たのですか?」
と聞くと
「下町特集やカフェの特集で、こぐまは有名で、付随して紹介されていた鳩の街にも興味があったんです」
というお返事。
かつて、谷中に行ったときと同じニオイです。古民家を改装したカフェがあり、同じようなセンスの人が集まり、さらには、憧れて古民家改装系のお店出す新たな出店者が。谷中は、すでにネオノスタルジック路線を突き進んでいますが、こちらは、その最初のつぼみが開きかけているいる時期なのかも。
確かに、商店街には古い店舗を改装して作った、雑貨屋さんもありました。
さらに商店街が6室あるアパートを借り上げ、起業ビジネスや店舗など、3年間の期間限定で利用者に運営してもらうという「チャレンジスポット!鈴木荘」という試みも行われています。内覧会には100名を超す人々が訪れ、その後、6室に対し40組の応募が。これを利用して、ギャラリーや雑貨屋さんが出来ています。
3年で顧客などもつかみ軌道に乗った所で、近所の空き店舗に移って貰うという感じでしょうか。
同じ町おこしでも、押上は、新たな観光誘致に生きる街。スカイツリーを売り物にするのは、温泉どころか油田が湧いたぐらいの確率で、他がマネ出来るようなものではありません。
でも、鳩の街は、古民家を改装した一軒のカフェが雑誌に取り上げられ、周りの町懐かしい並みも、同時に取り上げられる。そして賛同する趣味の人が集まる。そういうサイクルの第一歩を学べる街です。シャッター化に悩む多くの商店街の方々にとってこちらの方が、学ぶべき所が多いのではないでしょうか?
今度は、スカイツリー抜きで、ゆっくり訪れてみたいと思いました。
自転車で23区カフェ制覇の旅…ただ今、22/23区。いよいよ残す所、1区。
>ふるしんさん
鳩の街は戦災からも逃れているので路地がメチャ細いのも特徴ですね。
赤線の名残の建物も、和洋折衷で味がありますね。
もう一度、行ってみたい場所です。
いよいよ大詰めですね~
ご存知かもしれませんが鳩の街は元々赤線地帯だったところです。
和風の売春宿のほかカフェ風のものもありまだ残っていたりします。
そのまま民家になっていたりして写真を撮るのは難しいですが…