喫茶去(神保町)

古民家

ラドリオに続いて、神保町のお店をもう一軒紹介しましょう。
表通りから一本入った裏手のビルの谷間にあるのが、古民家カフェの「喫茶去(きっさこ)」。

喫茶去

こちらに来たかった理由の一つが、
先日行った、経堂のお店「李白」が、経堂に移転する前に営業していたというのが、
こちらの店舗だったというのを知った事。

この建物は、歴代、愛された名喫茶店で、
「モーツァルト」から始まり、次に「李白」、
そのあとをうけて2003年に開いたのが「喫茶去」だそうです。

「喫茶去」とは禅の言葉で、「お茶でもおあがりなさい」という意味です。

看板

店先には青いブルーノのミニベロが停まっていたのですが、
他の人のブログ写真にも写っていたので、たぶん、こちらのお店の方のでしょう。

店内

時を重ねてきた建物は、いい感じで歴史を感じさせてくれます。
窓際の席は、床が少し斜めに傾いているのはご愛敬。

メニュー

メニューはJAZZのEPレコードのジャケットを見開きの台紙にして、
そこにコーヒーやデザートのメニューが挟んであります。
これからもわかるように、こちらはJAZZ喫茶。
JBLからクリアな音楽が流れていました。

レアチーズケーキ

レアチーズケーキは350円。
コーヒーはメニューで一番濃いと表記されていたケニア。
しかし苦いという感じではなく、深いという感じ。
コーヒーを味わいながら、この空間に身をまかせてボーっとひととき。

後から入ってきたお客さん。
年配の男女だったのですが、メニューになってるレコードジャケットを見て
「うあ、懐かしい」とポツリ。
どうやら、そのレコードを実際に聴いていた世代のようです。

音楽業界の方らしく、自分もわかる業界用語がチラホラと会話の中に。
チラっと聞こえてきたお話だと、アニメソングを手がけたいと力説していました。
最近のアニソンは、J-POPの単なるタイアップばかりなので、
アニメの内容にリンクした書き下ろしを作りたいと。

「そう!その通りだと思います!」
…と、心の中で賛成しました。

■喫茶去
■東京都千代田区神田神保町2-24-3
■営業:
09:00~23:00(月〜金)
12:00~21:00(土)
12:00~18:00(日祝)
場所はこのへん

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ハチミツとクローバー

まず最初に原作は読んでいないので、映画だけ観た感想です。
…という事をお断りしておきます。

美大生の恋と青春を描いた群像劇。
よく出来ていると思った。
リアリティーを感じた。

僕の住む江古田にも芸術系の日大芸術学部と武蔵野音大と
普通の大学の武蔵大学という3つの大学があるけれど、
やはり芸術系の生徒は、独特の雰囲気を持っています。

伊勢谷友介さんと蒼井優ちゃんには、その芸術系のニオイがするのです。
伊勢谷友介さんは、東京芸大卒だし、
蒼井優ちゃんは、その江古田の日芸中退です。
ほとんど学校には来なかったみたいだけれと。

リアリティーがあるというのは、その雰囲気の事。
多くの現役、OB、OGを知っているけれど、
はたから観ていて、共通するなと思うのは、口べただなと思う事。
無口なわけではありません。
感覚が先走るので、説明が下手な人が多いのです。
そのくせ、「何でわからないかなあ」なんてジレンマを抱えている。
そして、そんないらだちから上下する感情が表に出る。
でも、アートなんて説明するもんじゃないし、それでいいのだと思います。
そういう感覚的な人が羨ましく思えるし。

映画の中の恋愛や人間模様は、説明的ではなく、その感情の上下で表現されていました。

映画の中の美大生たちは、もちろん年上の人たちが演じているというのあるけど、
本物の学生よりは大人びている。
だから、いつまでも学生気分が抜けないOB,OGの雰囲気と、ドンピシャと思った。
たぶん、あの2人でなければ、出来ない映画だったんじゃないかな。

個人的な感想として、ストーリーよりも、あの雰囲気が重要だったんじゃないかと思いました。
「芸術系の大学の青春って、こんな感じでーす!」
それさえ伝えればいいんじゃないかと思ったのです。

さて、この映画の中で、櫻井翔くんと蒼井優ちゃんがオムライスをたべる喫茶店
「風まち通り」は、この1つ前の記事で紹介した、神保町のラドリオです。

ここは美術系ではなく、多くの作家や編集者など文学系が集まるお店なんだけど、
どこか共通した雰囲気はあると思います。

ところで、このDVDにはオーディオコメンタリーが収録されているのだけど、
伊勢谷、加瀬亮、関めぐみ、蒼井優バージョンが面白かった。
ジョゼと虎と魚たち」のオーディオコメンタリー以来の面白さでした。

その中で、伊勢谷くん自身も言っています。
「この役は芸大を出てるオレにしか出来ないものがあった」と。
それを聞きながら、嫌みとは感じず、だろうなと思いました。

マンガから入った人は、原作とは違うということを言っている方が多いですが、
マンガを知らない僕は、これはこれでいいんじゃないかなと思ったのでした。

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