※こちらのお店は閉店しました。
盛岡は、ちょうど桜が満開でした。
最近、城にも興味が湧き、盛岡城へ。
天守など建物は残っていませんが、東北では珍しい総石垣の城。
城マニアに言わせると、鉄筋コンクリートで作られた復元天守を作るぐらいなら
逆に何にも無い方がいいそうで、
石垣や城の造り(設計)を眺めながら、
どう攻めたらどう守るかなどを想像しながら見るのが、通なのだそうです。
盛岡城は、北上川と南東部を流れる中津川の合流地点に立てられ、
川を掘に見立てて、造られています。
城内では、ちょうどお花見で盛り上がっていました。
盛岡城の掘の役割を果たしている中津川の対岸に、
岩手銀行旧中ノ橋支店があります。
東京駅を設計した建築家である辰野金吾の作品。
現在は、保存用の修復工事中でした。
その近くの路地を曲がったところに、盛岡では有名な喫茶店、
六分儀があります。
店内はアンティーク調に造られ、静かで落ち着いたお店です。
頂いたのは、チーズとコンビーフのホットサンド、400円と
キリマンジャロ550円。
素朴でありながらも、丁寧な仕事で美味しい。
たぶんハンドピックなんかもしてるんじゃないかな。
キリマンジャロは、雑味がなく口当たりもなめらかでした。
※こちらのお店は閉店しました。
■六分儀
■岩手県盛岡市中ノ橋通1丁目4-15
■営業:10:00~19:00
■定休日:火曜
■場所はこのへん
ところで、お店の名前にもなっている六分儀は、
天体観測や、船舶の天測航法用に使用されたもの。
天体の高度を測定し、自分の位置を割り出す道具です。
「自分の立ち位置を見極め迷うことなく進む」
という意味が、店名に込められているらしいです。
実は、今回、盛岡を訪れたのは、父の最後を看取るためでした。
昨年末に入院して以来、闘病生活を送ってきたのですが、
高齢でもある事から、次第に衰弱して来ていました。
もう十分生きたから、このまま逝きたいと言っていましたが、
家族としては、はいそうですかと言うわけにもいかないので、
「せめて誕生日までは頑張ろうよ」
と、声をかけていました。
そして誕生日である4月18日、
午前中に看護婦さんに誕生日を祝って頂いていたのですが、
午後になって容態が変化し、家族全員が揃うのを待って臨終。
家族との約束を守って、旅立っていきました。
実は3年ぐらい前から終活も行っていて、
葬儀会館の会員になり、前払いで葬儀代金の一部も支払われていました。
まさに、この店名の通り、
自分の進むべき道を見極め、その通りに進んだ人生だったんじゃないかと、
家族とも酒を酌み交わしながら、父親の人生を振り返りました。
墓地まで続く道も桜並木で、まるで映画のエンディングのようでした。
ハッピーエンドと言ってもいいんじゃないかな。
父のおかげで、和やかにお別れする事が出来ました。