加藤仁と阿部守正の店(葛西)

環七

梅雨明け初めての日曜日。
雨の心配がないので思い切って遠出する事にしました。
自転車で23区のカフェ制覇の旅。
どうせなら、一番遠いであろう江戸川区へ。

江戸川区へは、荒川のサイクリングロードを下るコースがいいと聞いて、
まずは環七を荒川方面へと向かいます。

隅田川

東武東上線、中山道、東北本線を越えて行くと見えて来た川。
しかし、これは荒川ではなく隅田川にかかる新神谷橋。
実はこのあたりの上流は、隅田川と荒川が合流してもおかしくない程、接近している事も。

荒川土手

新神谷橋を渡って少し行くと、荒川にかかる鹿浜橋へ向かう坂道が見えてくるのですが、
そちらへは行かず、側道へと入ります。
すると荒川の土手にぶつかり、土手の向こう側へ出るための坂道が現れます。

荒川サイクリングロード

土手沿いにずーっと続くのが、荒川サイクリングロードです。
目指す葛西は荒川の河口付近ですから、これを下っていくと着く計算に。
しかも、車が走っていないし、信号もなく、
これまでの市街地より、かなり精神的に楽な気分で、走ることが出来るのです。

首都高

どこまで来たかという目安になるのが、橋です。
一般道なのか、首都高なのか、それとも鉄道なのか、
それで、だいたいの位置関係がわかります。

トイレ

サイクリングロードは、車がいなくて走りやすいのはいいのですが、
逆に、困ることもあります。

まず、コンビニはおろか自販機など、飲み物や食べ物を売っている場所がありません。
これまでのチャリ旅から、飲み物の準備は万端なのですが、
炎天下で予想以上にエネルギーを消費し、食べ物が欲しくなりました。
ウィダーインゼリー でも持ってくれば良かった…。

あと困るのが、トイレ。
熱中症にならないように、こまめに水分を取っていたのですが、
全部が発散する訳でもなく、急にトイレに行きたくなったりします。

そんな時には、野球場やサッカー場を探しましょう。
その脇には、だいたいトイレがあるからです。

そんな時に助かるのが千住新橋グラウンドのトイレ。
陽炎が見える炎天下の中、本当に砂漠の中のオアシスに思えてきます。
トイレの他、水飲み場あり、休憩用のベンチあり。
まずはここで休憩をする事にしました。
トイレの他、空になったペットボトルに水の補充も。
500mlを二本持ってきたのですが、ここまでで1本空になってしまったのです。

これだけ暑いと、水道水もボルヴィックなみに、旨い!
ちなみに、土手の向こうにチラっと見えているのは、スカイツリーです。

千住新橋グラウンド

川面を眺めながら、しばしの休憩。
風を感じ、空の青さを感じ、太陽の力を感じる。

多くの人がここで休憩を取るのですが、
ママチャリでサイクリングに挑戦している集団もいました。
危険も少ないし、のんびり走る分には、ママチャリでもOKです。

河原では、いろんな人達が、試合や練習をしています。
野球やサッカーはもちろん、ラグビー、アメフト、老人の方々のゲートボール。
チアリーディング、フリスビー。
そして意外と多かったのが、和太鼓の練習。
集団で大きな音で叩ける場所って、あまりないんでしょうね。

アイス売り

河原には強い風が吹いているせいか、日陰に入ると急激に涼しくなります。
そのため、橋の下で休憩している人も多数みられます。
そんな人達をみこんでか、アイスキャンディーを売っている人が。

さっそく買おうと思って声をかけて多のですが、
オジサンが熟睡をしてしまっていて、いくら声をかけても起きません。
それほど、心地よい風だったのでしょうか?

かなり大きめで何度も声をかけたよ、執念。
だけど、全く起きずに、断念。
そして残念。
荒川乃風。

標識

しばらく走ると、河口まであと9キロの標識が!
え?かなり走ったんですけど、まだそんなにあるの?

でも、ここで本日初というか、この自転車旅を初めてから初の、交流が。
この日は強風だったのですが、写真を撮っている時、帽子を飛ばされてしまったのです。

すると後ろから来た、高校生らしき男のコが拾ってくれて、
お礼を言いながら、少し立ち話。
彼は、越谷からやってきて、やはり河口を目指しているのだとか。
で、何度も走っているらしく、
「対岸を走ると無人島ですから、孤独ですよ」と、アドバイスを。
無になりたい時はいいのかもしれないけれど、
初めての長距離では、ちょっと寂しすぎるかもしれませんね。

水門

前方に見えて来た巨大な水門。
荒川ロックゲートです。
こちらも、ベンチなどがあり、休憩ポイントとなっている場所です。

荒川ロックゲート

荒川と向こう側の旧中川では水位が違うために、
ここを解放してしまうと、荒川の水が旧中川に流れ込み、影響を及ぼしてしまいます。
そのため、ここで水位を調節して、船を通すのです。

清砂大橋

東京メトロ東西線と平行して走っている、清砂大橋が見えて来ました。
この橋を使って対岸へと向かいます。
向こうは、今回の目的地である、江戸川区。

橋の上から

橋の上からは、花壇で作られた、江東区の文字が!

江戸川区球場

そしてついに、江戸川区上陸です!
橋を渡るとすぐにあるのが、江戸川区球場。
ちょうど、夏の高校野球の地区予選が行われていて、
ブラスバンドと歓声が飛び込んできました。
音でも夏を感じながら、さらにペダルを漕ぎ続けます。

葛西駅

東西線の葛西駅。
この近くに、今回の目的地の一つである、カフェがあるハズ。

加藤仁と阿部守正の店

こちらが探していたお店「加藤仁と阿部守正の店」。
パン屋さんなのですが、イートインスペースもあり、
ベーカリーカフェとしても機能しています。

地方に行くと「加藤仁商店」みたいなお店だとか、
東京だとマツモトキヨシみたいなフルネーム系のお店はありますが、
ダブルネームって珍しいんじゃないでしょうか?
自分たちの名前を出すというのは、自信のあらわれでしょうね。

地元では、かなり人気のパン屋さんのようです。

看板

新商品「ずんだあんぱん」という文字が。
「ずんだ」とは、宮城とか山形での夏のメニューで、
枝豆をすりつぶして作った餡の事。
これで作ったのが「ずんだもち」で、両県の夏の名物おみやげとなっています。
それを、あんぱんに利用したわけですね。

ずんだあんぱん

選んだのは、やはり「ずんだあんぱん」137円。
そして「カレーコロッケパン」168円。
「アイスカフェオレ」210円。
全体的にお安め!

「ずんだ」の香り。
枝豆の爽やかさが、口の中で広がります。
枝豆って、ビール飲みたいスイッチを確実に押してくれますね。
もちろん、家に戻るまでガマンしますけど。
さらに、カレーのスパイシーさ。こちらも夏です!
味覚の夏祭りって感じです。

ハード系というよりはソフト系中心ですが、
食べてみたいパンが沢山ありました。
葛西臨海公園へ行く前に寄っていくのもいいかも。

■加藤仁と阿部守正の店
■東京都江戸川区中葛西3-36-8
■営業:7:30〜20:00
■定休日:木曜日
場所はこのへん

葛西臨海公園

…という訳で、足を伸ばして葛西臨海公園へ。
駅前の広場では、噴水で子供達が水遊び。
うっすらと虹も出ているのがわかりますでしょうか?

観覧車

葛西臨海公園といえば観覧車。
いっそのこと、一人で乗ってやろうかとも思ったのですが、まずは海へ。
中にサイクリングロードとかもあって自転車でも走れるので、いろいろまわってみました。

展望台

こちらはクリスタルビューという展望塔。
上からみると目の前には東京湾。
正面に、アクアラインが見えます。

水族館

葛西臨海公園といえば、水族館と観覧車。
なのに、なぜかそういうものには目もくれず、自然の方を探してしまいます。
気持ちいい風を受けながら休憩できる場所を求めて、園内を奥へ奥へ。

TDL

鳥類園ウォッチングセンターの脇の奥へ出ると、対岸にTDLが見える海岸に出ます。
木陰では、やはり自転車で来た人たちが、お昼寝していました。
やはり、考える事、欲する事は、同じなんですねえ。

葛西渚橋

片道約30キロ。
達成感がありつつも、同じ距離を帰ると思うと、すぐには腰があがりません。
かき氷を食べつつ、さらに休憩…。

視覚…霞のかかっていないどこまでも青い夏空
聴覚…風の音、高校野球の応援の音
触覚…肌に触れる風の感触、肌で感じる日向と日陰の気温差
味覚…ずんだの枝豆の味
嗅覚…潮の香り、草の香り

五感で夏を満喫した今回の旅でした。

自転車で23区カフェ制覇の旅…ただ今、13/23区。

地図

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さぼうる2(神保町)

新目白通り

梅雨の晴れ間を狙って、自転車カフェめぐりの旅へ。
土曜日という事もあり新目白通りも大型車が少なく、走りやすい。
快適!快適!

神田川

明治通りとぶつかる直前に神田川が姿を見せます。
意外と水の色も綺麗で、涼しげな流れ。
自転車の旅では、こういう風景と出会うのも楽しみの一つ。
車やバイクでは素通りしてしまう場所ですが、
自転車なら、気に入ったらすぐに降りて、眺める事も。
そこから新たな発見もあったりします。

都電・早稲田駅

明治通りを越えると都電と合流。
そのまま真っ直ぐ進むと、都電の起点となる早稲田駅があります。
そのうち、都電沿いのサイクリングとかも楽しそうですね。

リーガロイヤルホテル

早稲田大学の裏手方面、リーガロイヤルホテル付近に来ると道路の色が変わります。
写真ではわかりにくいのですが、アスファルトが黒ではなく、
白っぽくなったグレーのような色に。
光が反射して、少しまぶしいのですが、これには何の効果があるのでしょうか?
放熱とかヒートアイランド対策?
それにしては範囲が早稲田付近と狭いのですが、実験的なものでしょうか?

飯田橋

そのまま真っ直ぐ進んで行くと、飯田橋の交差点に。

九段下

さらに、そのまま真っ直ぐ進むと九段会館が見えて来ました。
そこを左折すると、今回の目的地、神保町ももうすぐです。

神保町

そしてやってきました。神保町の交差点。
学生街に住んでいるせいか、こういう町には親近感を覚えます。

さぼうる2

今回目指したのは、こちらのお店。
「さぼうる」と「さぼうる2」と並んでいますが、
目指したのは「さぼうる2」の方です。

さぼうる

「さぼうる」は、もう50年以上続く喫茶店。
スペイン語で「味」という意味らしいですが、
学生の間で「サボる」という意味の方が定着してしまったのだとか。
書店や出版社の集まる町らしく、このお店には多くの作家、漫画家、文化人、
さらには、芸能人が訪今も訪れます。
ドラマなどの舞台にも使われ、最近では「素直になれなくて」で、
ナカジ(瑛太)が父親(吉川晃司)と待ち合わせをして会うシーンに出てきました。

こちらは喫茶が中心で、軽食はサンドイッチなど本当に軽い物だけ。

さぼうる2

一方、こちらは食事中心の「さぼうる2」。
学生街の食事の美味しい喫茶店として、人気を博しているお店で、
喫茶店にもかかわらずランチ時には行列も出来ます。

メニュー

お昼のメニューはこんな感じ。
迷わずカレーにする事にしました。

ビーフカレー

ビーフカレーのセットは、サラダとコーヒーがついて850円。
まず、そのボリュームに驚かされてます。
なにも言わなくても御飯が超大盛り。
さすが学生街の喫茶店。
ルーもたっぷりかかっているのですが、
あまりにも御飯が多い為に、調節しながら食べないと、
ルーが足りなくなってしまう羽目になってしまうので、ご注意を!

迷わずカレーを注文したのですが、少し後悔しました。
後から来る人来る人、みんなナポリタンを頼んでいるのです。
見てみると、こちらも大盛りで富士山型にナポリタンが盛られています。
江古田にあるトキのナポリタンも超大盛りですが、それに負けず劣らずのボリューム。
機会があれば、今度はあれに挑戦してみようかな。

■さぼうる2
■東京都千代田区神田神保町1-11
■営業:8:30~22:00
■定休日:日曜日
場所はこのへん

本屋

せっかく本の街、神保町に来たので、本屋さんめぐりをしてみる事にしました。

古本市

歩けば街のいたるところで古本市が開かれています。

古書

古本というより古書と言った方がいいですね。
大正時代の夏目漱石全集は9000円。
なんだか浪漫を感じます。

こんな貴重な本が並び、多くのお客さんが訪れるからでしょうか、
本郷や早稲田といった他の学生街では本屋さんが減る傾向にあるのに、
この町で組合に登録する古本屋さんは逆に増えているのだそうです。

地図

専門的な古書がならぶショーウインドウには、
江戸時代の地図も飾られていました。

これは江戸城の地図。
そうだ!ここから江戸城って近かったハズ。
行ってみよう!

平川門

神保町から白山通りを皇居方面に向かうと、
毎日新聞社の向かいにある平川門に突き当たります。
ここからも江戸城のあった皇居東御苑を見学出来るのですが、
ペットの持ち込みと自転車の進入禁止なので、ここに止めていく事に。

平川門は、大奥の女中さんたちが出入りした江戸城の勝手口的な門です。
三代将軍の家光の乳母であった春日局が外出をした時に、門限に遅れたのですが、
たとえ春日局であっても規則は規則と、門が開けられず、
結局、この平川門の外で一夜を明かしたと言われている場所です。

入り口

橋を渡り門をくぐって中に入ると、入園する為の入り口があるのですが、
入場は無料で、ここで入園票を貰って中に入るシステム。

入園票

これが入園票。
この皇居東御苑には、いくつかの門から入園する事が出来るのですが、
入った門から帰らなくてはいけないという決まりはないようです。
どこの門でも、とにかく、出るときにこれを返せばOKです。

天守台

本丸には天守台があります。
この位置に江戸城の天守閣があったのですが、この石垣の上にあった訳ではありません。
二代将軍・秀忠の時代にここに建てられ、三代将軍・家光の時に大改修。
徳川家の威光を誇る大天守閣が造られるのですが、火事で消失。
その時に石垣等も荒廃してしまったので、
四代将軍・家綱の時に加賀前田藩によって築き直されたのがこの土台。
よって、新たに作られた土台なのです。

しかし、家綱の補佐役で叔父でもあった保科正之が、
「太平の世に天守閣は不要、それより江戸の街の復興を」
とレンホーさんのように箱物に対する疑問から再建を仕分けし、
以来、天守閣の建設には至りませんでした。
戦国時代は、戦況を見守るための司令塔的な役割もありましたが、
太平の世の中になってからは、展望台の役割しかありませんでした。
城下の人達が再建に苦しんでいる時に、展望台を作る意味があるのか?という事です。
もしかしたら、事業仕分けの元祖かも。

という訳で、三代将軍家光以降は、江戸城に天守閣はありませんので、
時代劇の四代将軍以降の話で、江戸城の天守閣が出てきたら間違いです。

八代将軍・吉宗という設定の「暴れん坊将軍」とか
「大奥」シリーズでも、家光以降で天守閣が出てきたりしますが、それはナシって事ですね。
しかも、姫路城の天守閣合成しているし。

大奥

天守台から見える、美しい芝生のある場所にあったのが大奥です。
様々な女の戦いが行われていた場所です。

ちなみに本丸には、
写真手前から、女性のみで構成させる「大奥」
将軍のプライベート空間などのある「中奥(なかおく)」
大名などとの謁見が行われる「表向」
が、ありました。

松の廊下

表向きの方に向かうと、松の廊下の跡地がありました。
赤穂浪士でおなじみの、浅野長矩が吉良上野介を斬りつけた場所です。
外国人観光客の方も「オウ、マツノロウカ、チュウシングラ」と声を上げてました。
外国にも有名なんですね。

あじさい

東京のど真ん中の大庭園には自然が多く、季節の花も美しく咲いています。
ところで、この風景を楽しんでいる観光客の多くが、外国人の方でした。
意外と日本人の方が、この中に入った事ないですよね。
さすが江戸城だけに敷地が広大で、ウォーキング等にピッタリですので、
ぜひ、機会があればお出かけして散策してみてください。

武道館

江戸城に別れを告げた後は、
「屋根の上に光る玉ねぎ」でおなじみの武道館を遠くに見ながら、
九段下から市ヶ谷方面へ。

九段下

九段下の駅から、アラサー、アラフォーの女性達が湧きだして来たのですが、
何かと思ったら、ちょうどこの日、武道館では松田聖子さんのコンサートが。
キャッキャとはしゃぐ皆さん。
きっと心の中は、十代にタイムスリップしていたんでしょうねえ。

今回のルート

自転車で23区カフェ制覇の旅…ただ今、12/23区。

地図

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