スカイツリーを見に墨田区のカフェに行くハズでした。
駒形橋からは、アサヒビールの本社とスカイツリーが見えます。
ちなみに、金色のビルはビールのジョッキを表し、
その隣の通称うんこビルは、炎を表しています。
スカイツリーがだんだん近づいて来るにつれて、「何か違うなあ」という気分に。
東京タワーは赤いので、晴天でも曇りでも映えるのですが、
スカイツリーは白いので、曇り空だとイマイチ、ぱっとしないのです。
やっぱ青空の日に撮りに来よう。
…という訳で急遽予定を変更して、国道6号線に入り、
未踏の区だった葛飾区へ向かう事にしました。
自転車は車両ですので、
「歩道と車道の区別があるところでは車道を通行するのが原則」となっています。
これは警視庁のサイトにも、はっきりとそう明記されていますので、
車の人は嫌がりますが、ここを自転車で走るのは間違いではありません。
しかしながら、この白い線は「車道外側線」と言って、
車はこの内側を走りましょうという目安の線で、
自転車専用レーンという訳ではありません。
文京区や江戸川区の一部に、ここを青や緑に塗って
自転車専用レーンとしている所もあるので、紛らわしいのですが、れっきとした車道。
下町方面に来ると、ここを逆走してくる自転車があまりにも多いのでビックリします。
車道なのだから逆走は禁止。
にもかかわらず、買い物帰りのオバさんだけでなく、
マウンテンバイクに乗っているような若者まで逆走してくるので、ホント怖いです。
四つ木橋を渡るとそこは葛飾区。
午前中に家を出たので最初は気がつかなかったのですが、
途中から急に暑くなりました。
それもそのハズ。この日は35度を越える猛暑日だったのです。
いつもの倍疲れます。
水分もどんどん失われ、ペットボトルの水では追いつきません。
そこで小さな公園を見つけては、顔を洗い、腕を冷やし、リフレッシュ。
砂漠のオアシスというのは、こんな感じだったんでしょうね。
途中、何度も休憩を挟みながらたどり着いたのは、葛飾、柴又。
そう!あの寅さんの街です。
この日はお盆休みという事もあってか、帝釈天の参道は大賑わい。
参道を入ってすぐの所に高木屋老舗というお団子屋さんが、向き合って建っています。
実はこちら、男はつらいよの「くるまや」のモデルになったお店。
映画の中では39作目までは「とらや」なのですが、40作目からは「くるまや」に。
この参道にあった「柴又屋」が「とらや」に名前を変えてしまった為らしいです。
帝釈天に向かって右側にあるのは、テイクアウト専門のお団子屋さん。
テイクアウト専門ですが、お店の奥にはテーブルがあり、予約席の札が。
団子屋さんのシーンはほとんど松竹の大船撮影所のセットで行われていましたが、
帝釈天の参道のロケの時は、「高木屋老舗」を休憩所として使っていました。
この予約席は、寅さんこと渥美清さんがいつも座っていた場所。
…という訳で、渥美さんが亡くなった今でも永遠の予約席となっているのだそうです。
向かいの高木屋老舗は、お食事処。
せっかくなので、今回は、ここでお茶をする事にしました。
お団子セットは、500円。
草団子・焼き団子・磯おとめの3本セットです。
草団子は見た目のイメージより少しボリュームあり。
炎天下なのに何故か熱いお茶が美味しい。
なごんでいると、すっかり映画の出演者にでもなった気分になってきます。
■高木屋老舗
■東京都葛飾区柴又7-7-4
■営業:7:30~18:30
■定休日:無休
■場所はこのへん
参道をぶらぶらしながら帝釈天を目指します。
男はつらいよで佐藤蛾次郎さんが掃除していた門や、シーンの変わり目で鳴る鐘、
映画の世界が広がっています。
松の木の下から湧き出る霊水で手を清め、御利益である無病息災を祈ります。
なんか最近、やたら神社やお寺でお祈りばかりしている気が。
一人でぶらぶらしていると、写真を撮って欲しいと年配の方々にお願いされます。
老夫婦の方が多いのですが、仲良く観光されている姿を見ると、
こちらまで幸せな気分になってきます。
神社の他からも御利益を頂いた気分です。
帝釈天から土手の方へ歩いて行くと、寅さん記念館があります。
大船の撮影所から持ち込まれた「くるまや」のセットが、永久保存されています。
茶の間では、おじちゃん、おばちゃん相手に、寅さんが講釈をたれていました。
寅さんのセリフって粋だなあ。
無駄がなくて、スカっとしている。
乱暴ではあるけれど、美しい日本語です。
寅さん記念館の裏手は江戸川の土手。
寅さんが歩いていた場所はサイクリングロードに。
土手の下に降りると、細川たかしさんの歌にもなった「矢切の渡し」がありました。
当初はここで撮影だけして帰る予定だったのですが、
船を待っていると、神社で写真を撮った老夫婦と再会しました。
「乗られるんですか?」と聞かれたので、思わず「ええ」と言ってしまう。
料金は片道100円だし、せっかくなので乗っちゃおう。
川面を渡る風が気持ちいい。
老夫婦の奧さんの方が「♪連れて逃げてよ〜」と
細川たかしさんの矢切の渡しを口ずさんでいます。
演歌ってやはり日本の風景に合う。
船頭さんの漕ぐリズム。
♪会いたくて、会いたくて、震える〜
じゃないでしょ。
やはり、
♪連れて逃げてよ〜ついておいでよ〜
でしょ。
片道100円、往復で200円。
しかしながら、この経験はプライスレスでしょう。
やはりここまで来たなら乗ってみて欲しい。
船には小さなお子さんも乗っていましたが、
船頭さんは子供達に
「船を下りるとき、石の所を見てごらん。沢山のカニがいるから」
と声をかけていました。
誰かの夏休みの日記に「今日、川でカニを見ました」と書かれるのかな?
モノより思い出。
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