見ている物を驚かせたツールドフランス2016、第12ステージ。
衝撃のラストが待っていました。
自転車レースの世界最高峰にもかかわらず、
王者が自転車に乗らず、自分の足で走っている姿が映し出されたのです。
.@ChrisFroome à pieds dans le final de l'étape / @ChrisFroome is running in le Ventoux 💪 #TDF2016https://t.co/o3fgyrRRST
— Le Tour de France (@LeTour) 2016年7月14日
本来であればこの日は、プロヴァンスの超級山岳、
モン・ヴァントゥの山頂ゴールだったのです。
ところが、天候が崩れ、風速100km以上の突風が吹くだろとの予報で、
選手だけでなく、観客の安全も考慮して、
山頂から6km手前にフィニッシュラインは下げられたのです。
本来であればゴール付近は、安全の為フェンスが設けられるのですが、
突如のゴール変更の為、フェンス無し。
つめかけた観客が沿道に溢れ、間近の選手を観て興奮し、
飛び出したりした事で、道をふさいでしまったのです。
そして、それにぶつからないように前を行くカメラバイクが急停止。
そのバイクに選手達が、おかまを掘るようにぶつかってしまったのです。
さらに後続のカメラバイクが、フルームの自転車に乗り上げ、破損。
山の中ではスペアのロードバイクを積んだサポートカーも来ず、
たまらず、フルームは自分の足で走り出してしまったのでした。
#TDF2016 What a day for @DeGendtThomas! A stage win, the #PolkadotJersey and the combativity award! pic.twitter.com/eQLhCY9lkG
— Lotto Soudal (@Lotto_Soudal) 2016年7月14日
この日、優勝したのは、ロット・ソウダルのトーマス・デヘント。
しかも、ステージ優勝、山岳賞、敢闘賞という三冠を同時に獲る偉業を達したのに、
世間の話題も、テレビ中継もフルームの事ばかり。
すっかり影が薄くなってしまったのです。
ステージ優勝したデヘントは熱い走りだったのにかわいそうだよこんなの
ステージ優勝!山岳賞!敢闘賞!おめでとうデヘント👍— おがわこーへー (@kuuta_dax) 2016年7月14日
しかも、フルームの一件がなければ
(フルームが悪い訳ではありません)
デヘントの優勝には、ほっこりとしたいい話しがついて終わるハズでした。
Das wird @AndreGreipel noch seinen Enkeln erzählen: Alleine in Front kurz vor dem Mont Ventoux! #TDF2016 pic.twitter.com/acZLGI5qmH
— Tour de France – DE (@letour_de) 2016年7月14日
この日、デヘントと一緒に逃げ集団にいたのは、
チームメイトで、平坦コースのエーススプリンター、アンドレ・グライペル。
本来、この日のような超級山岳コースの場合、
スプリンターは山に弱いので、最後方グループのグルペットを走るのが常。
それがなぜか、先頭の逃げ集団を自ら引いていたのです。
山でグライペルが逃げだとw
— Shinsuke Kouzai (@Zaikou) 2016年7月14日
今ツール・ド・フランス見はじめたんだが
なぜグライペルが逃げ集団でモン・ヴァントゥーを登ろうとしてるのか
一瞬目を疑った— Zawanishi (@Scheveningen_NN) 2016年7月14日
グライペルのあだ名は、筋肉質でムキムキな事から「ゴリラ」と呼ばれています。
今日はおやすみのグライペルさんのヘッド付近のカスタムペイントを見かけたので貼っときますね。吠えるゴリラ。 #jspocycle pic.twitter.com/Hs4GUS2djR
— まっつん (@hatter_00) 2016年7月6日
でも、その名前は本人もお気に入りで、自分のバイクにゴリラのペイントが。
Well done @AndreGreipel. pic.twitter.com/jyTytPMOx9
— Nathanial Friedman (@nfskate08) 2016年7月14日
海外のファンも、グライペルの名前で、こんな動画をUP!
そのゴリラ…もとい、グライペルが、
山岳コースで最後の登りが始まった途端にアタック!
逃げ集団からも飛び出して行ったのです。
グライペル「スプリンターだけどモンバントゥーでアタックしてやったぜ…ワイルドだろぉ〜?」
— 常陸侍従トリコロール猫 (@green_squall) 2016年7月14日
平地専門のゴリラが、山でアタックをかけたものだから、
実況も「ゴリラががマウンテンゴリラに!」と興奮!
スプリンターのグライペルが山も戦えるようになって渾名がゴリラ→マウンテンゴリラに変化ってのは草生えるw
— はぶ (@habunikov) 2016年7月14日
このアタックで、ツイッターは、グライペル祭り!
ついに、トレンドにも入ってしまいました。
グライペルがトレンドに入ってたから落車でもしたかと思ってびっくりした!違ってよかった
— そぼろ (@soborokue) 2016年7月14日
一見奇妙に見える、この一連の動き。
でも、それは全て、チームメイトの為だったのです。
グライペルのアシストを受けて見事優勝したデヘントは、
優勝コメントで、グライペルの働きへの感謝を述べています。
デヘントの優勝コメント…そういう事だったんだー😭「ライバルたちに脚を使わせるために、登りが始まったタイミングでグライペルがアタック。彼はレース中ずっとボトルを運んでくれ、アドバイスを与えてくれ、そして風よけとなって走り続けてくれた。普段自分がしていることの逆だった」
— vis_diary (@vis_diary) 2016年7月15日
第12st.個人的敢闘賞は、スプリントでは今大会なかなか勝負に出れないでいながらも、今日はデヘント選手を献身的にアシストすることで優勝へと導く働きをした、グライペル選手に捧げます。ぱちぱち。#jspocycle #TDF2016
— ごーき (@gouki0117) 2016年7月15日
でも、デヘントも好きだから、ステージ優勝・山岳賞・敢闘賞と取れてうれしい。グライペルがアシストしちゃったりして、チームプレイっていいなあ!
— S女史 (@szy_pdl) 2016年7月15日
登れないハズのスプリンターが、自らアシストとなって、山を登る。
アニメ「弱虫ペダル」の15話で、
スプリンターの鳴子章吉が、クライマーを引くために見せた必殺技
「デーハーどやどやクライム」
そんなマンガみたいな事が、本当に起きたのです。
本日の影の主役、アンドレ・グライペルは、
2018年までチームとの契約を延長しました。
その条件の中には、こんなものが含まれていました。
まあ冗談抜きに、グライペルは残留条件で「トレイン引いてくれるアシストも契約継続してくれるなら残る」と出しただけはあるよなあ。そりゃ仲間も「付いて行きやす!ゴリラの兄貴!」になろうだろうて。 #jspocycle
— はげはげちゃびん (@hagehagechabin) 2016年4月3日
そして、いつも自分に尽くしてくれるアシストの為に、
今度は自分が献身的にアシストにまわる。
グライペル、マジでいいヤツ!
>potere さん
第11ステージの逃げ、第12ステージの思わずのRUN
フルームはすごいですね。
勝利への執念を感じさせてくれます。
あきらめずに「拾う」って事の大事さを思い知らされます。
そして、グライペル。
今年はどうやら調子がよくないらしいのですが、
だったらできる事をやろうという、
エースの恩返しが涙を誘います。
珍しいのかグライペルのボトル運びのシーンがよくカメラに抜かれますが、
人柄がにじみ出ていて、ほんわかしていまいます。
凄かったです。 驚きました (・・;
第8stのダウンヒルといい、第11stの逃げといい、フルームはほんと魅せてくれます。
自分の足で走りだしてしまうなんて、執念というか、ひたむきというか、泥臭く戦う姿がカッコ良すぎです。
そしてこの日はもうひとり、山岳でアタックをかけたグライペル!!!! ただただ感動涙。
ロットやグライペルに関しては、ganさんが数年前から特集を組んでチャリカフェの場で紹介されていたので、ツール観戦初心者の私も感化され、にわかファンではありますが感情移入の対象チーム&選手でございます。
これだけ人を惹き付けるツールドフランスというイベントはなんなんでしょうね!?
さて、明後日は休息日!! ベットで寝っ転がって観戦しているだけの私がこんな事を言っては選手に失礼ですが、少しホッとします^^