静岡・久能山東照宮への自転車旅(後編)

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東京から静岡の久能山まで1日で走りきる自転車旅。℃-ute矢島舞美自転車旅の、ハロプロTIME21、3日目に相当する区間。いよいよ最難関の熱海の山越えです。

…その前に、熱海にあるチャリカフェに寄る予定でした。来宮に向かう途中にあるcafe468。

平日8時、土日7時OPENなので、7時30分すぎているからオープンしているハズなのに閉まっている。もしかして、8時になったらオープン?と待ってみようかとも思ったけど、それで開かなかった時のロスとダメージが多すぎるので、苦渋の決断で、スルーする事に。右手にバイクラックもあるし、ちょいと残念。

激坂

熱海の山越えに向かう、熱海街道。熱海の温泉街から、JRで熱海のお隣の駅、来宮へと向かう段階で、すでに激坂区間がはじまります。ガーミンの勾配計は楽に10度を超しています。

熱海の山越えはキツいと聞いていたけど、え?こんなスグに激坂が始まるの?

来宮

たまらず、来宮駅で休憩。これから山越えが続くので、まずは駅前の自販機で、ボトルに給水。補給食のソイジョイやミニようかんを食べる。さらに、念のためにパワージェルを1本投入。

激坂

心を決めて登り始めました。最初から一番軽いギアのインナーロー。フロントが小さいギアの内側のギアで、後ろが一番軽くて大きなローギア。ヒルクライムなどでよく使われる言葉なので、これから坂やヒルクライムに挑戦する方は、覚えておきましょう。

てな事言っていますが、この時点でそんな余裕はなくなっています。ガーミンの斜度計が、平均して13〜15度を差しています。思っていたより急坂です。つうか、まさに激坂です。

え?ずーっとこんな坂なの?10度を切って8度ぐらいになると、もう平坦っぽく感じるぐらい。奥多摩周遊道路を上った時に、ちょっとは自信がついたつもりだったけど、いや、無理無理。これは無理だってば。

激坂

この坂を登れず、自転車を押して登っていた矢島舞美さん。さらに、その足も止まり、珍しく弱音を吐いてしまったのがこの場所。

…はい、僕も止まってしまっています。ここまで頑張ってきましたが、ついに自転車を降りて休んでしまいました。足に来ているのもそうなんですが、心肺能力を超えてます。なので、これは上から下を見て撮ったふりかえり写真です。

矢島さんが足を止めたのは、この写真のちょうど真ん中あたりでした。角度的に、TVカメラは、左手の電柱あたりから撮っていたみたいですね。

熱函街道

やっと平坦になったと思ったら分岐点。頭がパニックになっていて写真を撮り忘れたので、googleのストリートビューからキャプチャして拝借。

ふーっ、ここまで写真を撮る余裕がなかったので、あっという間に来た風になってしまっていますが、いやいやしんどかった。ボトルの水もほどんどなくなって来てる。給水しておいてよかった。山の上には自販機ないし。

さて、ここからのルート。ここから左に行けば、熱函街道。しかし、こちらは鷹ノ巣山トンネルを通らなければなりません。長さは1268m。1㎞以上あります。通過に4分以上かかったという手記も読みました。路肩に余裕もなく、車が来るとかなり怖いらしい。でも、こちらを使えばここからは下り。

そして、ここを真っ直ぐ行って熱海峠を越えるルートは、交通量が少ないかわりに、さらに登らなければならない。

どちらを選ぼうか…?

登るのに時間がかかった為、もう9時すぎてる。交通量がかなり増えてきている。

夜中からスタートしたので、点滅するリフレクターは、ヘルメット、リュック、サドル下、リアのシートステーと4つつけているけど、トンネル大丈夫かな?

そのとき、車高を低くして峠を攻める仕様の車が猛スピードでこのカーブを曲がって熱函道路方面へ。

うん、熱海峠を越えよう。

僕の前に、矢島舞美自転車旅に挑戦した女性2人は、超早朝だったので車も少なく、熱函道路からの鷹ノ巣山トンネルコースだったそうです。

矢島さんも、早朝だたし、登ってから左に押し歩きしてたので、たぶん、トンネルルートだろうな。

熱海峠

熱海峠を選択した自分。こっちは自分で撮った写真、熱海峠。この突き当たりが分岐になっていて、ようやく下り。

ただし、こちらは旧道だからか、街灯とかもないただの山道なので、昼間は車が来なくていいけれど、暗い朝方や夜に走るのは危険です。なので、熱海峠を越えるのか、熱函道路でトンネルを越えるのか、そこはその時の条件を考慮して選択してくださいね。

あと、夏でも下りになると汗を吸ったジャージが気化して急速に冷え、空冷式というよりは、水冷式?ってぐらい寒くなります。富士山ヒルクライムほどではないにしろ、標高も高くなるので気温も低い。薄いウインドジャケットを持って行った方がいいですね。というか必須。

1号線

山を下り終え、136号にぶつかったら、とりあえず三島方面に向かいます。そして、1号線に合流。さて、ここからは熱海ルート、箱根ルート、御殿場ルートも共通したルートになってくるので、アイドル聖地巡礼の旅でなくても参考になると思います。

何が参考になるか?

静岡県は自転車通行禁止のバイパスが多すぎるぐらい多い。

なので地図上では行けそうでも行けないルートが沢山。静岡の海岸線をサイクリングする人名古屋や大阪方面に向かう人が必ずぶつかる壁なので、覚えておいてください。

デーニーズ

その前にデニーズで朝食。ここまでソイジョイ系しか食べてないし、大休憩を取っていなかったので、飯を食べながら回復のための休憩をする事にしました。山越えでパニくってた頭を落ち着かせたり。じゃないと判断の凡ミスで事故ったりする可能性もあるしね。

八幡西

こちらもgoogleストリートビューから拝借。国道一号を西へ向かうと、八幡の交差点で立体交差となり、沼津バイパスへ。ここから国道一号は、自転車通行禁止となります。そこで、左脇の側道を入り、旧東海道へ。道なりに行けば沼津の千本浜公園方面へ。

旧東海道

千本浜公園の脇を、旧東海道が走っています。松原が防風林となっているので、この松林沿いを走ると風が押さえられて楽。

スロープ

ただ延々とこの風景が続くので、飽きたら松林を横切り、堤防に登ってみましょう。

防波堤

地元の人の間では、この堤防の上がサイクリングロードになっているのだそうです。行ってみたら、ロードバイクもいました。ただ、向かい風が強い日には、もろに風を受けるかも。この時も同じチカラで漕いでいるつもりで、3㎞ぐらいスピードが落ちたので、旧東海道に戻りました。

バイパス

さて、東田子の浦を越えたあたりで、東海道はぐいと内陸部に入り、富士川橋を渡るルートを取ります。がしかし、ちょっと大回りになり、遠回り。

ただ、ここまで自転車通行禁止だった沼津バイパスからの富士由比バイパスが、新富士の駅の近くから、通行可の区間になるのですよ。なので、東田子の浦を越えてから内陸部に行かず、吉原の駅の脇をすり抜けていく、裏道ルートで、こちらのバイパスに。あとで、僕のルートもマップに載せておきます。

富士山

いつの間にか通り過ぎていたらしく、富士山は斜め後方に。

道の駅

富士由比バイパスにある道の駅、富士で一休み。ここではサイクリスト達も多く休んでいます。木の下にいる方もロードバイク乗り。

歩道

そして、道の駅富士から歩道を走ります。ここからガードレールで歩道と車道が分離されたままなので、ここがポイントというか、入り口。

富士川

富士川の一番河口側を渡る新富士川橋。富士由比バイパスの橋ですが、歩道がついていて、自転車で渡る事が出来ます。

降り口

ただし、橋の終わりでまた自転車通行禁止となるので、ここで車道を走って来ると、間違って禁止区間に突入してしまうか、自転車をかついでガードレールをまたがなければなりません。

なので、先ほどの道の駅から歩道を走るのが正解。

土手

橋を降りたら、右に折れ、バイパス沿いに走り、蒲原東インターでバイパスをくぐり、東海道へ出るというの王道コースらしいのですが、まっすぐ行って堤防の上も走れるというので、行ってみる事にしました。

防波堤

たしかに、富士由比バイパスを見おろしながら、走れるコースが。天気がいい日は、こちらの方が眺めが良くて気持ちいいだだろうなあ。

堤防も途中で行き止まりになるので、そしたらバイパスをくぐって、東海道方面へ。僕は新蒲原の駅の脇のガードをくぐって東海道に合流しました。

由比

東海道を走り始めたら、東名高速をくぐったあたりで道が二叉に分かれるので、海側の旧道を走りましょう。由比の本陣とか、宿場町のムードが満載で、観光が楽しめます。

この辺は桜海老の産地でもあるので、かき揚げ丼の店とかも多く、お昼時、この付近を通過するなら、由比でランチすべし!

寺尾の交差点

さて、自転車乗りが覚えておきたいのがこの場所です。寺尾の交差点。

…というのも、ここから海沿いを自転車で走れるルートが一択になるからです。これを使わないと、薩埵峠を使う山越えをしなければなりません。

まず、押しボタンを押して信号を渡ります。

自転車道

渡った場所はこんな感じ。歩行者と自転車はこちらの看板が。

自転車道

がしかし!こんな虐げられたルート。

自転車道

もともとこの場所は断崖絶壁で、そこへ右から電車、富士由比バイパス、高速道路と通っています。そう!自転車の通り道がありません。そこで、バイパスの側道に無理矢理とってつけたように自転車道が。

自転車道

東名高速をくぐるあたりでは、いつのまにか堤防の上になっているし。

まあ、でもさっきより広いし、走りやすいけどね。

駿河健康ランド

駿河健康ランドが見えてきたら、この自転車道の終わり。
…という事は、逆ルートは、健康ランドからこの自転車道に入る事になります。

自転車通行禁止多発地帯での、僕が選択したルートはこちら。

1号線

ここから今度は静清バイパスが自転車通行禁止となるので、1号線の旧道へ。

清水バイパス

で、清水を抜けてから海側へ。清水バイパスは自転車OKなので、海沿いを走ります。

久能山

そして、ついにやってきました!久能山東照宮です!到着は14時24分

石段

でも、これで終わりじゃないんだよなあ。久能山東照宮は、その名の通り久能山の山頂付近にあり、1,159段の石段が待ってます。

矢島さん、一緒に旅した相棒として、ここをロードバイクかついで登ったんだよな。自分は相棒を下に置いてきてしまいました。

東照宮

やっと本殿が見えました。

東照宮

そして東照宮にお参り。二礼二拍一礼。ヒルクライムがもっと上達しますようにとお願い。

絵馬

本殿の向かいの絵馬の奉納されている場所をみると、芸能人の絵馬なんかも。こちらは、内野聖陽さん。

絵馬

吹石一恵さん。同じドラマの出演者で参拝したみたいですね。

絵馬

でもって、久能山東照宮は、ハロプロファンには℃-uteの矢島舞美さんの自転車旅で、おなじみの場所というか聖地。℃-uteファンが9月の武道館コンサートの成功を祈った絵馬も。

社務所

実はこの自転車旅をしている途中経過をツイッターでつぶやいていたのですが、久能山東照宮のtwitter担当の方が見てくれていたらしく、時折励ましのリプを頂いていました。

で、参拝終了のツイートをして降りていったら、社務所の前で「東京からお疲れ様でした」と声をかけられたのです。

そりゃそーだ、サイクルジャージにロングタイツ、ヘルメットかかえて登ってるのオレだけだよ。

でも、気にかけてくれていた人がいたというのは、とても嬉しかったです。そして、他にもリプをくれた皆さん、ありがとうございました。本当に力になりました。

スーパー銭湯

汗だくになって、タイツに塩を吹いているので、スーパー銭湯で、ひとっ風呂あびて着替え。

ドイター

自転車乗りに人気のドイターのレースというバックパックに、着替えと薄いスニーカーを入れてきました。あと輪行袋。

輪行

静岡駅で自転車をバラして輪行。♪行きは〜自転車〜帰りは電車で帰宅〜

新幹線

新幹線で車両の一番後ろが空いている所をとり、そこに詰め込みました。寝落ちして、起きたらもう東京駅でしたよ。静岡からワープした気分。

日帰りで静岡の久能山への自転車旅。これにて完結。

さて、完コピしたい方の為の、矢島さんの3日目ルート予想です。

まずは熱海の山越え。いきなりの上り坂は2枚目の写真の道路、上から矢島さんを撮っています。「のぼり坂終わったかも」と再び自転車にまたがるのが来宮の駅前。

そこから地獄の山越え。登り追えた、熱函道路の分岐点では、熱函寄りに自転車を押していました。

で、VTRでの下りの映像を見ると、対面通行で車が来てる広い道路。熱海峠ルートは一車線の細い山道なので、熱函ルートとだと推測。

それを下ってからが不確定なのですが、通常なら下田街道とぶつかる大場川南の交差点から北上して1号線に合流。八幡から旧東海道へ出るのですが、映像を見ると、沼津港で雨に降られてカッパを着ている。どうやらこの付近でランチしたらしいのだけど、千本浜公園から戻ってランチしたのか?それとも、1号線へ出ず、蜘蛛の巣ような道を通って沼津にショートカットしたのかは不明。

後で、もう一度DVDを見直したら、三島市に入ってから黄瀬川を越えている。そこに県道380号線の看板があるので、ここは自分と同じルートで間違いありません。ただ、その後の「雨ふってきた」では、沼津の「魚市場入口」というバス停を市場方面に走っています。という事は、380号の三園橋の交差点から414に入り、沼津市役所を抜けて玉江町の交差点から市場に向かうルートらしい。

カッパを着ているのは、魚河岸丸天というお店の前。たぶんここで昼食かな?

その後は、松林を左に見ながら走っているので、旧国道一号の東海道。

東田子の浦からは、無難なルートだと東海道大回りかな?道なりになるので。

あとはレポしたように由比からは自転車で通れるルートは一カ所のみ。

蒲原からは一号線で清水を通過かな?

久能山の手前は、いちごラインを予想している人が多いですが、東照宮が見えてくるくだりは、海側の清水バイパスからのアプローチです。いちご街道だと、参道中程を横切るので。

てな感じで予想していますが、あくまでも僕個人の予想なので、違うかも知れません、ご了承ください。

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“静岡・久能山東照宮への自転車旅(後編)” への6件の返信

  1. >みかんさん
    ファンの方に喜んで頂けて嬉しいです。
    映っている標識や看板なんかを手がかりに
    Googleのストリートビューで検証しました。
    DVDには映っていなくても本当に長い長い距離を走っていますよ。
    すごいです。
    ぜひ、もう一度DVDを見返してみてください。

  2. 矢島さんのファンです。初めてコメントいたします。
    素晴らしい記事をありがとうございます。
    DVDからここまで詳細に矢島さんが辿った道のりがわかるんですね。また感動が甦りました。 そして各ポイントの解説を読みながらもう一度DVDを見返したいと思います。

  3. >potere さん
    potere も東京湾一周の時に書かれていましたが、
    こういう常識外れな非日常って、なんか体も精神もリフレッシュしてくれるんですよね。

    写真には写ってないドラマもいっぱいありましてね。
    川崎では、タクシーに待って貰って、降りてゲーゲー吐いてる人がいたり、
    横浜ではキャバ嬢に降られてタクシーの外に置き去りになったお客がいたり、
    深夜の道をニヤニヤしながら走っていました。
    茅ヶ崎で海を見ていたら、早朝散歩のお爺さんに挨拶されたり、
    言葉は交わさないけど、同じ方向へ走るサイクリストと仲間意識もったり。

    それに、おっしゃる通り、あの激坂具合は写真に写らないもんですね。
    ますます坂に自信がなくなりました。

    とはいえ、またきっと遠くに出かけたくなるんでしょうね。
    というかなっていますが。
    お互い、いつかは新潟ですね。

  4. >ただポタさん
    仕事場でも、自転車に乗らない人からは、
    何バカな事やってるの?的な白い目なんですが、
    乗ってる人間からは、早く後編書いてと催促があり、嬉しかったです。
    自転車ってまわりにわかちあえる人が少ないので、
    ブログやツイッターを通してのこういう交流は嬉しい物ですね

  5. 226.3km(激坂峠越え付き)&目標タイム内の完走おめでとうございます。
    140km過ぎからの峠越え 凄っ^^;

    スーパー銭湯にはいるのも、輪行準備を整えるのも、普段なら鼻歌まじりですが、
    これだけ距離を走って体力を消費した後だと、一仕事だったと思います。

    ポイント毎に写真があるのでロングライドの臨場感がすごく伝わって来ました。
    峠の上り坂の写真に関しては、実際には写真で見るより2~3倍の勾配があったと思います。残念な事に写真に撮ると実際の激坂具合が薄れちゃうんですよね。

    危険を伴うトンネルか、更に上るか … どっちも嫌っ (・・;
    出口が見える短い距離であれば、車の来ないのを見計らってシャーって行ってしまえばいいでしょうが、1km超あるとねー ^^; しかも140km走ってからですし 、激坂上ってきたばっかだし、危ない危ない。車幅狭、路面荒、所々水溜り、車の風圧 ・・・ ganさん、上るを選択して正解でしたね。

    帰りの新幹線は、疲れと達成感で、さぞや気持ちが良かったのではないでしょうか。
    前編、中篇、後編と楽しく読ませていただきました。
    久能山東照宮で声掛けしていただいたサプライズは嬉しかったでしょうね。
    お疲れ様でしたー。
    PS:226.3kmは、足し算しただけだけなのですが、もっと長かったらごめんなさい。

  6. 前・中・後編全部楽しく読ませて頂きました。

    熱海の山越えのキツさがひしひしと伝わって来て…
    いつかは行ってみたいですが、怖いな〜^^;

    この記事に限らずですが自転車乗りに優しい情報が盛りだくさんなのはさすがですね!
    いつも参考にさせていただいてます。

    ロングライドと記事執筆、お疲れ様でした!

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