はしら デリ&カフェ(成田)

成田参道

自転車で100マイル、約160㎞を走る銚子センチュリーライドに出る為、
成田に前泊する事になり、ちょっと早めに行って町を観光する事にしました。

とはいうものの、翌日の降水確率80%という予報が出ている為、
サイクリング雨具を探しに大型サイクルショップを右往左往。
翌日にセンチュリーライドの他、
大きな大会の富士ヒルクライムも行われる為、
多くのお店で、売り切れになっていたのです。

その雨具探しに時間がかかり、成田についたのは5時すぎ。
こういう参道にあるお店というのは、5時閉店の所が多く、
残念ながらシャッター街と化していました。

大野屋

江戸時代から賑わった参道という事もあって、古き歴史のある建物も残されています。
こちらの、千と千尋の神隠しの湯屋のような建物は、大野屋旅館。
現在は旅館としての営業はされておらず、1階での鰻屋さんと、土産物屋さんの営業。

3階の大広間は、貸し切りか、団体での見学のみという事になっていますが、
ちょうど先週に放送された、堺雅人さんと新垣結衣さん主演のドラマ
「リーガルハイ」の7話、老舗醤油屋の遺産相続の話しで、
醤油屋の大広間として使われたのが、こちらの大広間です。

総門

さて、成田山新勝寺と言えば、交通安全の御利益が有名ですが、
明日のサイクリングの無事を祈って、お参りする事にました。

仁王門

総門をくぐると、山門の風情を感じさせる仁王門が。

大本堂

やはり5時を過ぎると人もまばらで、本堂周辺も少し寂しい感じ。
本堂は大きなガラス張りなっていましたが、
手前にこれまた大きな賽銭箱がったので、交通安全祈願を。

路地裏

それから路地裏をつたいながら、駅方面へ向かったのですが、
古い町並みの木造家屋に「パブスナック東洋」の文字が。
外観もネーミングも昭和テイストで、こちらも何かのドラマに使えそうな感じです。

はしらデリカフェ

さて、せっかくなので成田でカフェを探しました。
駅前すぐの所にあるのが「はしら デリ&カフェ」。

店内

お蕎麦屋さんとか、和のお店を居抜きしたのでは?という内装。
僕が座った所は座敷。
現在は、その日の総菜から好みの物を組み合わせて食事する
デリカフェとして営業しています。

カフェラテ

今日はこの後、出場者との食事会があったので、飲み物だけ。
カフェラテは330円。
明日の天気を願うかのような太陽のラテアート。
あ、でも太陽を飲み干したら、雨じゃん…。
微妙な気持ちに。

■はしら デリ&カフェ
■千葉県成田市花崎町839-30
■営業:7:00〜19:00
■定休日:日曜(月曜不定休)
場所はこのへん
お店のサイト

成田

実は、この成田へは、もう一つ特別な想いを持って降り立ちました。
実は、あの2011年の3月11日、東日本大震災のあった日、
僕がいたのが、この成田だったのです。

その日は、成田空港にあるサテライトスタジオでの仕事が終わり、
京成スカイライナーへ東京へ帰ろうとしていた所でした。
車内で脱線するのでは?という激しい振動に襲われ緊急停車。
そしてそれが大地震だという事がわかると、電車はそこで運休。
僕らは最寄りの成田湯川という駅まで、線路を歩かされました。

そこから、バスで成田の市内へ。
交通手段がなく、成田のホテルへ向かいました。
けれどもすでに満室で、ロビーだけ開放される事になり、そこで一夜を。

断片的に情報が集まり、僕の故郷である岩手県の宮古市も
被災地の一つである事がわかります。

故郷が被災したとわかり、焦る自分。
しかし、震災など関係ないかのように、構えている周りの人々。

僕はその時、このギャップこそが現実なんだろうなと思いました。
そのうち不謹慎だとか、一般常識とか言う言葉で
言論や行動が統制されると思うけれど、
これが現実で、その中をさまよう事がドラマなんだと。

だから、この時の気持ちを書き残しておかなければと思いました。
その時に、瞬時に思った事をつぶやき、瞬間凍結でログを残して置こうと。
今読み返せば、焦りもあるし、今だから笑える出来事も書かれています。

脚色無しで、当時の気持ちを、言葉を変えずに公開します。
(ただし、ツイートが多すぎたので、時系列で抜粋した物ですが)

今も震災と闘い、真剣に取り組む方にとっては
不愉快な思いをさせるかもしれませんので、あえて別ページにしました。
なので、そういう方は、ここでお戻りください。

3月11日(震災当日)のツイートより

14時すぎ成田空港での仕事の後、スカイライナーで帰宅中に地震。脱線するかと言う勢いの揺れ。緊急停止。電車から降ろされ、成田湯川まで線路上を歩かされる。途中、あめがパラパラと降ってくる。

成田湯川駅前に立つが、駅前にはコンビニも売店もなし。ただバス停があるだけ。そこでバスで成田に向う事に。バスは無料じゃなく通常料金。空港からの外国人旅行客は小銭を持っておらず、運転手と軽くもめる。そのため出発が遅れるが、何とか走り出す。

JR成田駅の北口?寂れた方に着く。駅は立ち入り禁止になっているので皆途方にくれている。目の前にデーリーヤマザキがあったので、必要なものを確保する事にする。一番は携帯か?と言う事で乾電池式の充電器と、単三電池を多めに買う。コンセント式の充電器はあるが、たぶん使えないだろうから。

成田からのスカイライナー代と充電器を買ったら残り3千円ぐらいしか残ってなかった。デーリーヤマザキでお金をおろそうとしたら、キャッシュディスペンサーが使用不可能に。現金が無いのは不安だ。ふと外を見るとバスターミナルの反対側にセブンイレブンが見えた。望みをかけて行って見る事に。

セブンイレブンのキャッシュディスペンサーは大丈夫だったので、とりあえず5万円おろす。少しホッとする。イザと言う時の為に食料を確保しておく事に。おにぎりとパン、ペットボトルのお茶二本。御赤飯のおにぎりが並んでいるが、さすがに買う気にならず、いつもは選ばない梅を選ぶ。

成田の駅前で情報収集するが、JR&京成ともに見通しが立たない。そして実家のある岩手県宮古市が震源地近くである事を知る。早々に帰宅を諦め、ホテルに向う。テレビでニュースを観たいから。が満室。まずホテルのロビーでコンセントを探す。iPhoneを充電。携帯は乾電池で。

ホテルではNHKニュースが流れている。実家の隣の釜石市に津波が来ている所を中継している。街が波に飲み込まれて行く。電話は繋がらないだろうなと思いつつも宮古の親と盛岡の弟に電話。当然繋がらない。しかも親は携帯電話を持つのを拒否していたので、これで連絡の手段はもうない。

テレビでは、津波に街が飲み込まれる様子を繰り返し放送している。隣の人達が『すげ~』と言ってる。『コレ、ウチの地元』と言いたかったがおさえる。そこで世間話をするよりも、少しでも情報収集したいからだ。テレビでは同じニュースしかやらないので、Twitterとmixiで情報検索。

相変わらず地元に関する新たな情報はない。ホテルには続々と難民がやって来る。足留めをくらった中国人の女のコがセーターを出す為にせっかくパッキングしたスーツケースを開ける。が、こんどはぎゅうぎゅう詰めらしく、閉まらなくなってしまったので、蓋を押さえのを手伝う。特に恋は生まれない。

うちの田舎の岩手県宮古市は、かつて二度ほど大きな津波に襲われた街だ。だから堤防も高く、学校では火事の他に、津波の非難訓練と言うのがあった。『津波が来ました。高台に逃げましょう』と言うもの。その訓練の成果が出ている事を祈る。しかし両親は高齢だ。最近は歩くのもままならないのだ。

相変わらず、実家の情報はない。実家のある地区は、比較的無事という情報と、壊滅状態という正反対の状態が、断片的に入ってくる。良い方であればいいが…。 ニュースでさえ、宮城県宮古市と混乱している。 僕の故郷は岩手県宮古市だ。

駅前のコンビニから食料がなくなったのを聞いてか、その前に屋台のラーメン屋がやってきました。「助かった」という思いの人も多数いたようだ。その一方で軽く酒盛りも始まっている。

ホテルのロビー、テレビからは悲惨な映像が飛び込んで来る。それを見ている人達の携帯が鳴ると、着メロは、笑点だったり、スターウォーズだったり、EXILEだったり。そのギャップはコメディーとしか思えない。妙に脱力するぐらいの方が、冷静になれる。

寝れないと勝手にテレビを消そうとした人がいた。さすがにそれはないだろう。

3月12日(二日目)のツイートより

駅前のコンビニにはまだ食料は何もない。ポットのお湯を利用してカップ麺をたべる人も多いが、ポットが少なくすぐお湯がなくなるので、それに行列が出来る。マックがメニューを絞って提供をはじめたので、その列に並ぶ。しかも朝セットはコーヒー付で200円だ。嬉しい。

昨日、過ごした成田。一旦落ち着いたあたりから、同じ地震でも置かれた立場で温度差が出始め、まるで単館系シアターで上映されるロードムービーのような、出来事が起こり始める。しかし不思議と怒りなどなく、そのギャップを冷静に見ている自分がいた。

朝、JR成田と京成成田で情報を確認する。200mぐらい駅が離れているので行ったり来たりだ。JRは千葉方面に電車を動かす予定だが時間はわからないという。京成は八千代台から上野までは走っており、バスで成田から佐倉、佐倉から八千代台と乗り継ぐと東京に行けるというのでバスに乗ることに。

1台目のバスには乗れなかったが、臨時で増発させたバスが来る。車両が足りないので立派な観光バスが来た。運転手さんは観光用の人なのかアナウンスがすごい丁寧。「次の角を曲がり右側を走る大通りに出て行きます」とかのアナウンスが、観光ガイドっぽい雰囲気になる。

こんな時なのに、前の人がシートを軽くリクライニングしようとする。

たまたま隣り同士になった後ろのオジサ二人が話し始める。一人はゴルフ帰りだそうだ。ショットに入った時に頭がふらふらして脳梗塞になったのかと思ったそうだ。

その後、ゴルフ中止。接待コンペみたいなのに一人で来ていたらしく、帰る仲間を見つけられずにゴルフ場に一人取り残されたそうだ。フロントの女のコにホテルは無いか聞いたら、その付近はラブホしかないそうで、一人で入れてくれるかわからないけどとりあえず向かったそうだ。

ラブホにつくと満室との事。ただ23時になったら休憩が終わる部屋があるので一つ空くという。なのでホテルのロビーの脇で待つことにしたのだそうだ。こんな時でも皆やるんだと思った…と言っていた。一戦終わったカップルを横目で見送り、用意が出来た所で入室。

長いことこんな所に入った事がないから、何をどうしていいか勝手がわからなかったそうな。とりあえず、いろいろボタンを押してみたと。照明とかただ寝るには全く必要のないスイッチばっかりだったけど、布団で寝れるのは嬉しかったそうだ。

八千代台の駅につく。下り成田方面への電車は走っておらず、通勤出来ない人達が駅に溢れている。さっきまでのんきそうな人達がいると温度差を書いてきたけど、今日、自分は休み。溢れる人達は仕事。あっちから見れば自分は、のんきそうな人なのだ。

やっと上野行きに乗れた。隣の人が懐から封筒を取り出して何か書き始めた。ご祝儀袋だ。結婚式やるんだ。雨の日には「雨降って地固まる」と言ったりするけど、こんな日に出席者はどんな挨拶をするのだろうか?

上野が近づくに連れ、だんだん普段の雰囲気になったきた。こっちは昨日で一段落という感じなんだろうか?でもアナウンスによると、都電荒川線、舎人ライナーは依然運休。山手線も現在は内回りだけ運行だそうだ。影響は残っている。

池袋についた。西武池袋線に乗ったら少しホッとした。しかし発車前、停車中の電車がなんだか少し揺れている。余震かと思ったら、隣りの男が貧乏揺すりをしていた。ブラックジョークみたいなKYなクセだ。お願いしますよホント。

江古田が近づく。友人達からのメッセージを読む。心配してくれている。ありがたい。世界の人達が日本のために祈りを捧げる、pray for japan という写真サイトを見た。涙が出そうになった。

かつて、マラソン選手が「沿道の声援に押さされて走りました」というのは奇麗ごとだと思っていた。だけどマラソンに出ると、本当に声援が力になる事を実感した。それと同様、実家が震災に遭った今、冷静、平静、クールを保とうとするが、こういうメッセージが純粋に胸に突き刺さるのだ。

無事江古田帰還。部屋が散らかっているのは地震のせいではない。

盛岡の弟ともメールだけのやりとりだったが、やっと電話で直接話す事が出来た。岩手の弟でも情報は断片的だ。ローカルのラジオ局が一番情報を流しているとの事。やはりそれがラジオの力なんだな。

弟と話し合う。家は老朽化していたので、もともと解体するつもりだったと思えばいい。両親の安否は依然わからないが、マイナスを考えても何も結果は変わらないので、無事としか考えない事にしようと。

心配はしているけど暖が取れ食事も取れている自分。しかもこんな事を冷静に綴っている自分。現地の方々との過酷な状況との温度差は幾ばくか。平静を装うと決めたけど、やはり慌てふためくべきなのか。自分でもどうしていいかわからない。ただ、今はまた明日になるのを待つだけしかないのだ。

ニュースを見ていたら地元の被害の大きかった地区の避難の様子が映し出された。子供がテレビカメラにピースをした。現地の様子が心配な自分にとっては元気そうな姿が逆に元気づけられる。

3月13日(三日目)のツイートより

facebookに現地の様子の書き込みがあって、元気づけるつもりでも「いいね!」というボタンは心情的に押しにくい。

昨日、被災した地域の出身者達と酒を飲んだ。こんな時に不謹慎という人もいるかもしれないけど、胸中にたまっている物を吐き出したいのだ。そうじゃないと、どんどん溜まっていく。

依然、両親の安否は確認出来ない。報道というと各局とも悲惨さを伝えるという風になってしまっているが、一局ぐらい無事という情報をメインとした局があってもいいんじゃないかと思った。希望が持てる報道も欲しい。

昔、「こんな時もテレ東はアニメ」というギャグがあったけど、本当にやって欲しい。気分転換出来るもの、心の逃げ場が欲しいのだ。ずーっと張り詰めているのは大変だ。

腹が減ると不安になるので、つい何か食べてしまう。ラーメン屋に行ったが何故か大盛りのラーメンを頼んでいた。半分しか食べられなかった。普通で良かったのだ。冷静さを欠いている。

震災のニュースばかりで年金の事もやって欲しいというオジサンがいた。震災に遭わなかった人にとっては年金問題が一番の心配事なんだろう。

テレビ東京、ついに通常放送一番乗り!期待通り!現在「何でもリサイクル家族そこまでやるか?爆笑モッタイナイ生活!」放送中!

テレ東「歌の楽園」石野真子が「失恋記念日」歌ってる。♪忘れたい〜忘れたい〜今日は私の失恋記念日です〜

気分転換に広い風呂に入りに銭湯に行ってくる事にする。

知り合い女子が、乾電池での携帯充電器が売り切れなので、100円ショップでバラバラの品を買ってきて自作し充電してた。生命力すげー!

低燃費少女ハイジではなくて、充電器自作少女と会う。現物を見せてもらう。まずは初号機。
初号機

こちらが自作充電器弍号機。100円ショップで売ってたカーチャージャーをバラして電池につけた物。すげ~。
弐号機

Twitterで検索したら近所の情報を求めている人がいたので、『情報共有しませんか?』とメッセージを送ったら、弟からメールが来て『ゴメン、それ俺』と書かれてあった。

3月14日(4日目)のツイートより

政治家が作業着で出てくるのは何の為なんでしょうかね?現地に赴くならわかりますが官邸で作業する為の作業着?だったら普段から必要なのでは?とかツッ込みたくなります。

日本に祈りを捧げる画像をあげるpray for japan という投稿画像サイトがあり、その中に安芸の宮島に祈った写真がある。あの、それは今回水没したヤツじゃなくて、最初からそういう神社です。

みんなイライラしはじめてる。冷静になれというのは難しいが、被害のない人は必要以上に不安を煽らないで欲しい。海外の人が驚いている「震災でもきちんと行列」それは日本の誇るべきこと。

ウルフルズの「笑えれば」が心にしみる。

今回の地震で十何年ぶりに手を握ったというご夫婦の話を聞いた。いいじゃない、それで。停電の時は皆でロマンチックにキャンドルナイトを楽しもう。

被害の大きかった地区にいた親戚の無事が確認出きました。家は流されたけど全員無事で避難所にいるそうです。あとは、ウチの親です。

サンドウィッチマンの伊達みきおさんと、テレ朝のアナウンサーが電話で話をしていますが、伊達さんが淡々と現地の様子を報告するのに対し、大袈裟なリアクションで同情するように話すアナウンサー。ショーではないのだよ。

衝撃映像ばかりを集め、宮古市壊滅という報道がなされる為に、知人友人達が非常に心配してくれているのですが、東京23区の面積621平方kmに対し、宮古市は1260平方kmと約2倍。県内で一番広い市なので場所によって被害の状況が違うのです。うちの地区は比較的被害が少なかったようです。

近所のスーパー、食料品を奪い合うように買い求める人達で殺気だっていました。そういう雰囲気に飲み込まれて、いらないイライラ、騒動を起こさないように。落ち着いて!

昨日、韓国のコ達と話したのだけど、人生初の大地震が恐ろしくて母国のコ3人が集まって一緒に泊まっているとの事。その瞬間を思い出しても涙が出るのに、なぜ日本人はこうも平然としているのかわからない…と不思議がっていました。

現地からの情報によると車のガソリンが底をつき、自転車が唯一の交通手段になっている所も多いそうです。自宅の自転車、パンクや空気等は大丈夫ですか?

安否不明になっていたうちの両親でしたが、本日、先ほど無事が確認されました。自宅の被害がほとんどなく、避難所ではなく自宅にいたそうでで、逆にそれが避難者リストに載らないことで、確認が遅れました。心配してくださった皆さん、ありがとうございました。

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