港や(根津)

竹久夢二美術館

自分には絵心がありません。
だから絵が上手い人に、すごい憧れます。
日大芸術学部のデザイン科の学生とイベントをやった時も、
打ち合わせしながら自分の手帳などに、
スラスラと絵を描いているのをみて、羨ましいと思ったものです。

絵は好きなんです。
中学ぐらいまでは、よく絵を書いていましたし、
ノートの片隅には、落書きや似顔絵も描かれていたのものです。
先生の似顔絵とか得意な方だったと思うんですよね。
皆に似てるって言われてたし。
今考えると、さくらももこさん系のタッチだったと思います。
ちびまるこちゃんのお爺さんを見たとき、「あ!理科の先生だ」と
自分が描いた似顔絵を思い出したもの。

それが、高校に入り進学とか意識して、
上手く描かなきゃと思ったとたんに、ピタリと描けなくなりました。
上手くいかない…自分は下手だ…と思ったとたんに、描くのも楽しくなくなったのです。

以来、トラウマになったのか、絵など描いていませんが、見るのはあいかわらず好き。
なので、時折、気が向くと美術館めぐりなどしたくなります。
今回は文京区の東大裏にある、竹久夢二美術館に行ってみました。

ポスター1

竹久夢二美術館は、
明治・大正・昭和の挿絵画家による作品が展示されている弥生美術館と併設されていて、
入場料は、両館合わせて900円。
順路も、まず弥生美術館をみてから、別館の竹久夢二美術館へ回るように出てきます。

この日、弥生美術館で行われていたのは「挿絵の黄金時代展」。
この企画展の事どころか、弥生美術館の事も、ここに来てから初めて知ったのですが、
これが思いのほか良かったのです。

挿絵画家の岩田専太郎のコレクションが展示されていたのですが、
今で言う雑誌の表紙やグラビアに相当する美人画、
そして、セクシーなカットの挿絵、
谷崎潤一郎の「痴人の愛」の挿絵など、SMチックなものまであります。

当時の挿絵画家の地位は高く、そして人気商売。
今の雑誌では「篠山紀信があの女優を撮った」という売り文句がありますが、
当時は、岩田専太郎が描いた美人画が、その役割を担っていたのです。
今では女優さんの写真が表紙の週刊誌も、当時は岩田専太郎の美人画でした。

展示物の脇にあった説明書きによると、岩田専太郎は相当モテたそうです。
美人に撮れると評判のカメラマンがモテるのと一緒なんですかね。
悪女っぽい女性が好きだったそうで、だから美人画も色っぽいんでしょうか。

現代で、役柄で悪女というと、黒革の手帳のイメージもあり、
米倉涼子さんの名前があがったりしますが、
個人的には体育会系すぎて、色っぽいイメージではないんですね。
(当社比)
当社としては、井川遥さんみたいな方を、
癒し系の皮を被った狼みたいな悪女キャラとして、推したいと思います。
…って、悪女をキャスティングする権利とか持ってませんけど。
話はそれましたが…
岩田専太郎の絵は、井川遥さん的色っぽさがあると言いたかったのです。
すいません、支離滅裂で。

弥生美術館には、その他の挿絵画家達の作品も並んでいるのですが、
最初、1カットだった挿絵が、1ページに何枚も並ぶようになり、
セリフのように文章がレイアウトされ、コマ割りが誕生。
挿絵からマンガに移行するような歴史のレイアウトが面白かったです。

ポスター2

そして別館の竹久夢二美術館で行われいた「図案と装飾展」。
竹久夢二も美人画として有名で、もちろんそれも展示されているのですが、
大正の時代に、フォントを研究していたのが面白かったです。
当時から絵と同様に、文字のデザインにもこだわっていて、
絵のニュアンスに合うように文字の形とバランスが考えられているのが凄かったです。

今でこそ、パソコンにいろいろとフォントが入っているけれど、
明治の時代に自分でそれを考えてやっちゃってるって、やっぱり天才ですね。

今、何を考えてデザインすると、将来それが先見の明と言われるようになるんでしょう?
思いつかないのは凡人の証拠ですね。

看板

そんな絵からのパワーと刺激をもらいながら、
美術館に併設されているカフェ「港や」へ。
竹久夢二は、大正時代に自分のデザインした小物を売る「港屋絵草紙店」を開いていて
それにちなんだ名前です。

店内

お店は2階がメインフロア。

窓

竹久夢二の絵が飾られた店内からは、美術館の庭を望む事も出来ます。

メニュー

注文したのは、カプチーノの「夢のあと」500円。
夢二のカット絵が描かれてくるというのですから、楽しみです。

カプチーノ

この日は「千鳥」でした。
後で他の人のブログを検索してみたら、花だったり夢という漢字だったりしたみたい。

夢二の絵を思い出しながら、ゆっくりと頂きました。

■港や
■東京都文京区弥生2-4-3 弥生美術館内
■営業:10:30~17:30(LO.16:45)
■定休日:月曜(祝日の場合、翌火曜)
場所はこのへん
美術館&港やのサイト

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名曲喫茶・麦(本郷三丁目)

麦

本郷にも名曲喫茶があると聞き、万定フルーツパーラーの帰りに寄ってみました。
場所は、丸ノ内線「本郷三丁目」駅のすぐ近く。
人々はこの看板を見過ごしたかのように、足早に通り過ぎ、
駅前の安いチェーン展開のカフェに吸い込まれていくのですが、
個人的に惹かれるのはこちらの方です。

階段

「名曲・珈琲・麦」という看板だけでも、ある程度敷居が高いのに…。
さらに、一見さんを拒むような地下。
お店めぐりになれてないと、きっと勇気がいるんだろうなあ。
この佇まい。

店内

階段を下りると、突き当たりで二手に分かれていて、
右手は木のテーブルが配置されたウッディーな作り
左手が名曲喫茶風の白いカバーがかかったソファー席。
一人用のテーブルはバスの席のようにそれぞれ前を向いていて、
その先には、クラシックの流れるスピーカーがありました。
1964年の開業当時から使われているフォスター。

チーズケーキ

頂いたのは、コーヒー250円と、レアチーズケーキ450円。
ケーキの上に乗ったミカンの缶詰的な物が、昭和な雰囲気を盛り上げてくれます。

名曲喫茶というと私語厳禁という感じなのですが、
こちらは、割とゆるいくくりで、皆さん新聞を読んだり、雑談してたりします。
老夫婦でしょうか、ツイードを来た品のいい紳士と、
奥様らしき白髪の女性が、お店の雰囲気に合わせたような音量低めで、
今日お散歩した場所の話をしていました。
なんだか微笑ましい。

コーヒーを頂きながら、そんな雰囲気にひたっていたのですが、ここで残念な出来事が。
40ちょっと手前ぐらいの男性達が5人でドヤドヤと入ってきて、
大声で話し始めたのです。
「女と付き合いてー」みたいな話をしているのですが、
「リイチには女が少ないからな」というのを、延々話しているのです。
時折、物理だなんだという話も出るのですが、すぐにまた女性の話。
え?「りいち」ってもしかして「理一」?東大の人達ですか?
年齢からすると生徒な訳がないので、研究員?

まあ、とにかく雰囲気がとても残念な感じになったので、
そそくさと帰り支度を整えたのでした。
それまでが素晴らしい雰囲気だっただけに、ホントに…。
リベンジしたいお店だな。

■名曲珈琲・麦
■東京都文京区本郷2-39-5 B1
■営業:
7:00~23:00
7:00~22:00(土曜)
7:00〜20:00(日曜)
■定休日:なし
場所はこのへん

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