あえて道に迷ってみようと思い、知らない路地に入り込んでみました。
先日の笹塚のモシャカフェに行った帰りの事。
最近、知り合いが眠らせていた自転車にまた乗り始めたらしく、
いろいろ自転車の話をして来るのですが
「スマホをハンドルにつけて、自転車ナビタイムのナビ通りに走ると早いんですよ」
とか、嬉しそうに報告してきます。
まあ、そういう乗り方もあるけれど、僕とはちょっと違うんだなあ。
話をしても、ナビの指示通りに走っているだけだから、
「だったら、あそこにアレあったでしょ」
とか言っても
「そうでしたっけ?」
みたいなな感じで、移動中の風景を何にも見てない。
覚えているのは曲がり角のランドマークみたいなものばっかりで…。
僕はどちらかというと、スマホに頼らず勘で走るタイプです。
この日入った路地も、山の手通りと中野通りの中間を平行に走っているから、
北に向かえば、中野あたりのどこかに出るだろうというアバウトな勘から。
甲州街道の幡ヶ谷から入ったその路地は、6号通り商店街と言い、
水道道路を渡ると、六号坂通りとなりました。
後で調べてみると、水道道路自体、昔は玉川上水として川だった場所で、
そこに架かる橋は、新宿側から1号、2号と名前がつけられ、
幡ヶ谷にあった橋が6号。だから6号通り商店街という名前に。
笹塚の橋は10号だったので、そこから名前のついた笹塚十号通り商店街があります。
水道道路を渡り中野方面に向かう六号坂通りの途中で見つけたのが
珈琲・風味というお店。
風味は「ふうみ」ではなく「かざみ」と読むそうです。
実はこのちょい手前にも良さげなお店があったのですが、
お店の前のメニューを見たら、コース6〜7千円のイタリアンでした。
有名店らしいですけどね。
なので、見ただけで退散して、次に見つけたこちらへ。
普通の喫茶店という感じなのですが、非常に小ぎれいにしてあり、
棚に置かれた雑誌や新聞も、ピシっとキッチリと並べられていました。
マスターの性格なんでしょうね。
カウンターにサイフォンが見えるように、
そちらで入れた珈琲が人気のようです。
なのに暑かったので、アイスコーヒー頼んじゃいました。
一応、低温長時間抽出というものらしい。
お値段は、500円。
まず、何も入れずに飲んでみると、アイスコーヒー特有のいがらっぽさがない。
水出しコーヒー的な角のまるい感じ。
■珈琲・風味(kazami)
■東京都渋谷区幡ヶ谷3-57-1
■営業:10:00〜19:00
■定休日:
■場所はこのへん
アイスコーヒーを飲みながら、ボーっとしてて、突然思いつきました。
「そうだ、映画観よう」
で、山手通りから池袋に向かい、観に行ったのが、
第22回小説すばる新人賞を受賞した朝井リョウ原作の「桐島、部活やめるってよ」。
原作も読んでいて、割と好きな作品だったのですが、
今回は映画の方が素晴らしい気がします。
原作の方は、絵で言うと抽象画のような感じで、
写実主義のように誰にでもわかりやすく書かれたものじゃないので
まあ、好き嫌いの激しい作品です。
でも、僕は割と好きなタイプでした。
でたらめに見えるけど「バーン!このエネルギー伝わる?」的な感じが。
映画の方も、単館じゃないのに、単館色のニオイのする作品で、
「百万円と苦虫女」とか、あんなのが好きな人だったら好きそう。
いろんな実験的な手法もとられていたりして、
不思議で、笑えて、じんわり来る作品でした。
知り合いも観たというので、あとで感想を言い合ったら、
「え?そういう風に解釈した?」
なんて所もあるけれど、あえて説明しすぎてない部分がいいんだよな。
僕は池袋、知り合いは渋谷で観たそうだけど、
どちらの劇場でも、明かりがついた後、高校生達がポカンとしてたって(笑)。
「え?普通じゃん」「これで終わり?」
現役の高校生達には、あまりにも普通すぎる学校生活。
卒業すると、その一つ一つがどれだけ輝いていたのか、
じんわりも胸に来る作品です。
8月26日までの上映なので、気になっている方はお急ぎください。
(注)まあ、あくまでも個人的な好みですので、真に受けないでください。
自転車の乗り方一つとっても、楽しみ方の好き嫌いがある訳だし、
映画の好みなんか、ラーメンと同じぐらい偏っていて当然だと思いますので。