カフェ・ド・ランブル(銀座)

ランブル

ありがたい事に特番やら新番組のお話を頂いて、
イレギュラーなスケジュールに追われて、ブログを書けずにいました。
なので、行ったのに載せていないお店がいっぱいあります。

銀座のカフェ・ド・ランブルもその一つ。

最寄りは、銀座より新橋が近いのですが、
この付近にあるクラブが「銀座」と言い張っているように、
やはり老舗には「銀座」という冠の方がふさわしい気がします。

店内

人が映り込まないという条件で撮らせて貰った店内。
レトロでのんびりした雰囲気に見えるかもしれませんが、
ちょっとした殺気が漂っています。
寿司屋の名店のカウンターに座った時のような感じ。
殺気というよりプロ意識なんでしょうね、
無駄の無い動きというか。

コーヒー

こちらのお店は、ネルドリップ。
老舗だと細かくお湯を置いてゆっくり抽出したりする所もありますが、
こちらは、手早くという感じでした。

エチオピアは、870円。
デミタスより少し大きいぐらいのカップで提供されます。

長く続いているお店には、お客が訪れる何かしらの意味があります。
だから、店員さんの無駄の無い動きの中にも、
きっと培われてきた、何かがあるのだと思います。

サードウェーブ系のお店って、コーヒーを淹れるのを楽しむ
…といった感じで、お湯を注いでいるのですが、
それとは全く違いますね。

プロの何かがあるんですよ、きっと。
それが何かは、一度ではつかみ取れなかったですが。

■カフェ・ド・ランブル (CAFE DE L’AMBRE)
■東京都中央区銀座8-10-15 SBM BLDG 1F
■営業:
12:00~22:00
12:00~19:00
■定休日:無休
場所はこのへん
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南会津サイクルトレイン

墨田公園

ここの所、特番や新番組の準備でブログをサボりがちでしたが、
これは2週間前のお話です。
あれはまだ夏が終わる前の事でした。

これまで、JRで房総に向かうサイクルトレイン
京急で三浦海岸に向かうサイクルトレインに参加してきましたが、
今回は、東武線で南会津に向かうサイクルトレインに参加してきました。

これが、今まではとは違って、ちょっと変わったイベントだったのです。

サイクルトレイン

そのまま自転車を社内に持ち込めるのは、浅草駅からとなるのですが、
北千住から乗る人は畳んで袋に入れた状態の、輪行組が結構いるのです。

なんでサイクルトレインなのに輪行?
この謎が解けたのは帰りの事でした。

サイクルトレイン

東武のサイクルトレインはこんな感じ。
網棚の所にフックがかけられていて、それでハンドルを吊り、
後ろのタイヤをカバーで覆われたシートに置き、
後輪付近をゴムチューブで固定。
反対側のBOX席に参加者が座ります。

南会津サイクルトレインは、4コースあって、
1コース、約25名ずつ、一車両に別れて乗ります。
僕が参加したのは、只見へ向かうCコースでした。

乗り込んですぐ、「え?」と思ったのは、
今回が第21回の開催だったのですが、9割の人がリピーター。
だからみんな顔見知りなのです。

懐かしそうに前回の話や、知り合いの話に花が咲くのですが、
こっちは知り合いがいないので、
一人だけ違う学校の同窓会に来たような超アウェイ感。

車窓

なので「寝不足なんで…」と、寝ることにしたのですが、
目が覚めたら、鬼怒川温泉を過ぎて、湯西川温泉の五十里湖。
お、以外と早いですね。

東武鬼怒川線から野岩鉄道の会津鬼怒川線に入り、
そこから会津鉄道線の会津線に。
…と、3つの鉄道を結ぶ旅。

会津田島

会津田島で降りて、ここからコースごとに分かれます。

道の駅

駅で自転車をトラックに積み込み、参加者はマイクロバスへ。
え?サイクルトレインなのに、サイクリングしないの?
と、驚くことばっかりなのですが、その理由が徐々に判明していきます。

ヒルクライムを避けて、バスで山を越えて道の駅きらら289へ。
参加者の多くが折りたたみのフォールディングバイク。
そして年配の方は、レンタルの電動アシスト付き自転車。

そんな事も考慮して、ここから下り基調で只見へ向かう訳です。

農道

そして、また一つ、新たな事実が判明。
電動アシストは、時速20㎞をすぎるとアシストが自動で切れるので、
一行は20㎞で巡航。

ころがり抵抗の少ないロードに乗っている自分は、
下りではだまっていても20㎞出てしまうので、
只見までは、ほとんどこがずにサイクリングとなりました。

ビニールハウス

でも、これが他のサイクルトレインとは違うというのが、だんだんわかってきました。

特に風光明媚な所を走るわけでもなく、
農道を走り、地元の農家の方にトマトを貰ったり、
牧場でヨーグルトをもらったり、
地元の人と触れあい、その人達が作った物を食べるというグルメライド。

作られた観光町おこしというより、
自分たちで、地元の人を訪ねようという要素が強いのです。

只見湖

まあ、観光地っぽい所といえば、1日目は只見湖でしょうか?
よく見ると写真の正面に田子倉ダムが見えて、
ヒルクライムしていくと、風光明媚な田子倉湖があるのですが、
当然のように、そちらへは行かず。

只見ダム

すぐに、只見ダムの下流にある本日のお宿に。

ますや

参加者の皆さんが、「ますやの宿泊だからCコースを選んだ」と言っていた、
「ますや旅館へ」。
実はこの日、サポートカーのマイクロバスを運転していたのは、ますやのご主人。
サイクリングの途中で買った南郷トマトなど、
地元の産品は、バスで運んでくれました。

夕食

夕食は山菜を中心に、馬刺しやマトンのケバブなど、
合成的な調味料を使わないヘルシーメニュー。
「ああ、普段の食生活って体に悪い物食べてんだな」と
思い知らされるぐらい、自然な味。

最初は、あまり観光的でないサイクリングに戸惑っていた自分ですが、
自然なものを味わう事が本当の贅沢だという事がわかりはじめ、
だんだんこのサイクリングの意図が氷解してきました。

イワナ

メインは、ご主人が釣り上げた大岩魚。
観光地で棒にさして焼かれている岩魚と違って、鮭ぐらいの大きさ。
主だよコレ。
僕らをもてなす為に一生懸命釣ったんだろうなあ。

そんな食事をしながら、とある歌のエピソードを思い出しました。
それは森進一の襟裳岬。

この歌がヒットした時、襟裳の人たちは
「襟裳の春は〜何もない春です」
という歌詞に、襟裳をバカにしていると反感を持つる人もいたそうです。

でも、最後まで歌を良く聴けばわかるのですが、
「何もないですが」と言いながら、もてなそうとしてくれる
襟裳の人たちの暖かさを歌った歌なのです。

何も無いけど豊か、寒いけど暖かい。
反する光景を歌った歌なのです。

そんな事を思い出しつつ温泉につかっていると、
頭の中でメロディーが流れ出しましたよ。
♪只見の〜夏は〜、何もない夏です。

今じゃすっかり秋めいているけど、このサイクリング、
ちょっとセンチメンタルな雰囲気が漂う、夏の終わりの事でした。

川沿い

そんな感じで2日目は、わだかまりも消え
一生懸命もてなしてくれる只見の人の交流を楽しむ事にしました。

只見線

2011年というと、3月11日に起きた東日本大震災での、
三陸の津波、福島の原発の被害が知られていますが、
7月には、それに匹敵するような新潟・福島豪雨が起き、
新潟とそれに面した福島の只見では、河川が決壊しました。

そのときに、只見線の鉄橋や線路が流され、
今も、会津川口と只見の間は、不通となっているのです。

7月の豪雨災害当時は、原発の停止で電力不足が叫ばれている時期。
只見周辺の水力発電はフル稼働させられていました。
だから、水害は水力発電フル稼働のせいと考える人もいて、
被害で一時停止した29カ所のダムの、再稼働の反対運動も起こっていました。

2011年、福島は、原子力発電だけじゃなく、
その陰で、水力発電の被害にも遭っていたんですね。
恥ずかしながら、今まで知りませんでした。

只見線

まだ全線開通はしていませんが、
この只見線を開通させる事が、新潟・福島豪雨の復興のシンボルでもあります。

今、町では只見線に手を振ろうという運動が行われています。
それは、訪れる観光客をもてなす事でもあり、
自分たちの只見線にエールを送るという意味合いも含まれています。

そこで僕らも、只見線に手を振る運動に参加しました。

只見駅

駅に止まっているマイクロバスが、
会津川口と只見の間をつなぐ、代替輸送。
駅舎の中では、地場産業の品々が売られているので、
応援の為に、お土産に買って帰ります。

只見高校

地元の人とのふれあいに慣れてきたあたりで、
ガイドさんが案内したのは、只見高校の文化祭。
とってもピュアな高校生達が、突然訪れた僕たちに
「こんにちは〜」と、声をかけてきます。

都会ってさ、すれ違う赤の他人に、挨拶なんてしないよね。

文化祭

この日、学園祭で只見高校の生徒達は恥ずかしそうに仮装もしていたけど、
そんな仮装よりも、あきらかに変な格好のさいくるジャージ軍団を、
暖かく迎えてくれました。

またまた、頭の中で襟裳岬が流れ始めましたよ。

農道

只見の何も無い道を走る。

清水

自販機もないけれど、その代わりに湧き水がある。

堰

贅沢って何だ?

ダム

あのダムを越えたら、フリー走行区間。
昼食の分校まで、ゆるい登りなので、
走れる人は、思い切り走ってくださいとの事。

分校

軽いヒルクライムをしてついた分校。
実は廃校になった学校を利用した宿泊施設です。

囲炉裏

小さな講堂だったと思われる所には囲炉裏が作られています。
その正面に見えるグランドピアノ。

参加者の方に伺ったエピソードですが、
かつてこの学校に宿泊した時、
宿泊者に著名なピアニストがいたそうです。
夜、何も無い森の中なので、
ピアニストの方が、歌いたい曲の伴奏をするからとリクエストを募り、
あのピアノを弾いて、カラオケならぬ生オケ大会が始まったのだそうです。

なんと贅沢な。

布団

今、教室は畳敷きになっていて、宿泊が出来ます。
渓流釣りや、登山客の方が長期滞在したりするようです。

黒板

黒板には、廃校になった時の生徒達のメッセージが、今も残されています。

餅つき

お昼は、皆で餅つき大会。

餅

炊きたてのご飯や、焼きたてのパンは都会でも食べられるけど、
つきたての餅は、なかなか食べられないですよね。

ブロンプトン

他のサイクルトレインとは違う事。
それが徐々に判明してきた訳ですが、
なぜか、折りたたみのフォールディングバイクが多い事、
それにも秘密がありました。

僕の前を走るのは、イギリスのブロンプトンという折りたたみ自転車。
この二人、小さな折りたたみ自転車なのに、
つねに集団の前方付近を走っているのですよ。

「早いですねー」と話しかけたのですが、
男性の方は、普段は野辺山などのシングルスピード(変速機無し)の
シクロクロスの大会に出場している方でした。

女性の方は、ブロンプトンだけのレース、
ブロンプトン・ワールド・チャンピオンシップ・ジャパンの女性の部で、5連覇を達成!
しかも、世界大会でも3位の表彰台。
そりゃ、早い訳だ。

羊の皮を被った狼ならぬ、ブロンプトン。
貧脚のくせにロードでいきがっていた自分が恥ずかしくなりました。

温泉

最後に温泉で汗を流してサイクリングは無事終了。

駅

ところで、最初に書いたけれど、
サイクルトレインなのに、なぜか輪行組が多いというこのイベント。
その謎が帰りに解けました。

駅で、南会津の旨い物を買いまくってる人たち。
一緒に、ビールや日本酒の一升瓶も買い込んでいます。

サイクルトレイン

サイクルトレインは、貸し切り列車。
その中で、福島の旨い物をつまみに、地酒で大宴会が行われたのです。
酒を飲むから、自転車はかついで、電車で帰る。

これで全ての謎が解けました。

もし次に参加するとしたら、ブロンプトンで参加したいなあ。
欲しくなってしまったよ。
罪作りなサイクルトレインだなあ。

今回は、SONYのアクションカムAS300を、車載カメラにして、
只見サイクリングの様子を動画で撮ってみました。

サイクリングというより、南会津自転車の旅、
ご覧ください。

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