自転車で23区の旅、今回は杉並区の高円寺へ。江古田からは、環七沿いに走り、約20分ほどで到着しました。
高円寺といえば、ねじめ 正一さんの小説でもおなじみ「高円寺純情商店街」が有名ですが…。
今回訪れたのは、その反対側です。アーケードの続く「高円寺パル商店街」を抜け…。
その出口の所から、始まるのが「高円寺ルック商店街」です。
実はこの商店街に行きたかったのは理由があります。ツイッターでつぶやく商店街の先駆けとして、各メディアに盛んに取り上げられていたからです。
今ではツイッターで町おこしをしようという商店街が多いですが、高円寺ルック商店街の取り組みがニュースで広がってから一気に広がりました。そのニュースは知っていたのですが、実際に足を運んだ事がなかったので、今回実際に行ってみることにしたのです。
高円寺という街自体が、JRの駅を中心に広がっているので、私鉄沿線の街と比べれば、まず規模が大きいです。
しかし高円寺ルック商店街は、その商店街の外れにあり、規模的には、私鉄沿線の商店街に近い規模と考えてもいいかもしれません。ただし、やはり高円寺の中心街からも人が流れてくるので、街に住んでいる住人の他に、外から遊びに来る人達も多いようです。
江古田と比較して思ったのは、商店街の新陳代謝がうまく行っているなという事。多くの商店街では商店主が高齢化し、商売をやめたまたまにしてしまう為、シャッター通り化してしまっているのですが、こちらは、若い人達に上手に貸して、古いお店と若い達のお店が共存しているのです。
メッセンジャーバッグのお店があったり…。
アンティーク風雑貨のお店があったり…。
ヒッピー風のファッションのお店があったり…。
こういうお店がお肉屋さんだったり八百屋さんだったり、古くからあるお店と共存しているのです。
高円寺ルックも、ツイッターで町おこししようとするぐらいですから、商店街の存亡に危機感を覚えているのだと思いますが、衰退の一途を辿ろうとしている、他の商店街に比べたら、ゆるやかに、うまい方向に向かっているのではないかと思いました。
やはり、若い店主達が増えると、街は活性化しますね。
さて、前置きが長くなりましたが、本題のカフェへ。この商店街の中程にあるのが、古くからある喫茶店「七つ森」です。元々はお茶屋さんだった所を改装し、1978年にオープン。なので、もう30年以上の歴史を持つ古いお店です。
店名は宮沢賢治の詩集『春と修羅』から来ていて、作品によく登場する、岩手の森の名前です。
お店にはアンティークな家具や小物などが置かれていますが、壁などは自然に年輪を重ねた風合い。でも、敷居が高い感じではなく、近所の人達がくつろげる喫茶店という部分は守りこれが非常にマッチしていて、いい空気感を醸し出しているのです。
実はこちら、忌野清志郎さんや大槻ケンヂさん、森本レオさんなど高円寺を愛する人達が通った事でも知られる、伝説の喫茶店なのです。
お店では、野菜カレー、キーマカレー、ココナッツカレーなど、カレーが人気なのですが、この日頂いたのは、本日のランチとなっていた、ナスとトマトのキーマカレーセット、985円。ミニサラダとスープ、そしてコーヒーがつきます。
一口食べて思いました。これは喫茶店カレーだ!
カレーと一口に言いますが、本格インド、家のカレーなどと色々あるように、間違いなくこれは、喫茶店カレーというジャンルのカレーでしょう。気取らない、ほっとする味。トマトの酸味とナスの甘み、ルーもスパイスが強すぎない、まろやかさ。
隣のテーブルでは、会話から察するにお婆ちゃんと4才のお孫さんが、お昼ご飯を食べていました。年配の方から小さいお子さんまで、近所の人達が訪れるこのお店は、みんなが食べられるという事で、長い年月をかけて、きっとこういう味に落ち着いたのでは?と思いました。勝手な想像ですが…。
忌野清志郎さんも、もしかしたらこの席に座ったのかも…。日本印度化計画という歌を作るぐらいカレー好きな筋肉少女帯の大槻ケンヂさん、もしかしたら、このカレーを食べたのかも…。などと、さらに勝手な妄想をしながら、キーマカレーと店の作り出す空気を味わいました。
こちらのお店のメニューは必ず、985円など5円の端数がつくのですが、お会計をすると、こんなおつりを頂きました。やはり、何かのご縁に導かれて、こちらのお店にたどり着いたんでしょうね。
お店を出ると、ランチが一段落した頃だったのですが、ウエイトレスをしていたコが、お向かいの八百屋さんにニンジンを買いに来ました。商店街って繋がっている…って思えた光景でした。
■七つ森
■東京都杉並区高円寺南2-20-20
■営業
11:00~24:00
ランチ
11:00~14:30(平日)
11:00~14:00(土日祝)
■定休日:無休
■場所はこのへん
自転車で23区カフェ制覇の旅…ただ今、5/23区。