シマノが経営するチャリカフェを出た後は、その前の通りを渋谷方面に向かいました。
表参道の延長上、青山一丁目に出現したのはプラダのビル。
パフュームの容器のような、全面ガラス張りのビルは、
スイスの建築ユニット、ヘルツォーク&ド・ムーロンによるものです。
…と言われてもわからないかもしれませんが、
北京オリンピックのメインスタジアム、北京国家体育場、通称「鳥の巣」を設計した人達
というと、なんとなくイメージが湧きやすいかもしれません。
サッカー好きだと、ドイツ・ワールドカップの時に注目された
ミュンヘンのサッカー場アリアンツ・アレナ。
ブンデスリーガのバイエルン・ミュンヘンのホームスタジアムです。
あの東京ドームの屋根を壁面にしたようなデザインが特徴的で、
ワールドカップの時には、よく特集されていました。
プラダあたりから路地を入って、根津美術館の方に行くとあるのが岡本太郎記念館。
今年、生誕100年ということで、いろんな企画展やイベントが行われていますが、
こちらにも多くの人が訪れていました。
写真に写っている人たちはTVクルーで、ちょうどお客さんインタビューをしている最中でした。
岡本太郎記念館は、岡本太郎さんのギャラリーだった場所。
入館料は、600円。
こちらが他とは違うのは、写真撮影が自由という事。
庭はもちろんの事、館内の作品なども、写真撮影自由。
チケットを買うときに「写真撮影出来ますので、よかったらどうぞ」と声をかけられます。
さすが!岡本太郎は太っ腹です!
ちょうど、3月8日(火)~5月8日(日)まで、北の丸公園の東京国立近代美術館で、
「生誕100年 岡本太郎展」を行う為、いくつかの作品はそちらに行っているようでしたが、
今の時期は、太陽の塔にまつわる企画展がされていました。
太陽の塔の向かいに展示されていたのは、「生命の樹」。
太陽の塔の内部に作られた巨大な作品で、
1本の木に、単細胞生物から人類まで、
進化の過程をたどる300体の生き物がびっしりと貼り付いているというもの。
本来は太陽の塔の大きさという巨大な物なのですが、
万博閉幕後に撤去されてしまった為に、現在は見ることが出来ず。
そこで、フィギュア制作の第一人者である海洋堂が、
資料を基に、クリスマスツリーぐらいのサイズのミニチュアを作って再現したのです。
これが、あの塔のサイズで作られていた訳ですから、相当迫力があったんでしょうねえ。
ギャラリーには、リアルに作られた岡本太郎像が。
あの石原慎太郎さんも岡本太郎ファンだという事で交流があり、
隣りにある「手の椅子」は、逗子の石原邸の庭にも置かれているそうです。
ちなみに、逗子にある「太陽の季節」の文学記念碑にも、
岡本太郎作の「若い太陽」という金色の作品が飾られています。
1階のリビングだったと思われる場所にも、様々な作品が。
そして、やたら目力の強い岡本太郎像が、こちらでもお出迎えしてくれます。
一番、奥にはアトリエがあります。
あそこに収納されている作品、見てみたいですねえ。
気になる。
岡本太郎さんの作品は抽象的な作品が多く、
意味を理解しようとして「なんだかわからない」というという人も多いようですが、
若い人だと「エヴァンゲリオンの使徒っぽい」ってな感じで、
すんなり受け入れられる人が多いんだとか。
ある雑誌で、岡本太郎を知らない外国の子供達に太陽の塔を見せて、
何を感じるか聞いてみたアンケートがあったのですが、
PEACEという答えが多かったです。
子供の方が、意図をちゃんと感じてる。
頭で考えるのではなく、感じる事が大事なんでしょうね。
不思議な形の作品に囲まれていると、植物も太郎作品に見えてきませんか?
さて、この岡本太郎記念館の1階にあるのが、
料理研究家の大川雅子さんの手作りケーキが食べられるカフェ
「a Piece of Cake (ア・ピース・オブ・ケイク)」。
こちらは、記念館に入館しなくても、利用する事が出来ます。
テラス席もあり、この日は暖かかったので、こちらで頂く事にしました。
岡本太郎といえば「グラスの底に顔があってもいいじゃないか」というコピーが有名ですが、
レジ前で売られているクッキーにも顔がありました。
頂いたのは、オーガニックメープルシュガー チーズケーキ。
杏とプラムのコンポートがつきます。
カフェオレは、ケーキの自然の甘みを感じたいので、お砂糖なしで。
お庭の作品を眺めながら、頂けるのもいい感じ。
癒されながらパワーを頂くという、なんとも不思議な感じです。
■a Piece of Cake (ア・ピース・オブ・ケイク)
■東京都港区南青山6-1-19 岡本太郎記念館内
■営業:11:00~19:00
■定休日:火曜
■地図を表示
■お店のサイト
■岡本太郎記念館
この付近には、岡本太郎作品が多いというので、せっかくなので巡ってみる事に。
青山こどもの城の前にある「こどもの樹」と、自転車をコラボさせてみました。
子どもそれぞれが、違う顔で個性を発揮出来るように願って作られた作品と言われています。
家や学校では、突出しないような教育になりがちですが、
著書の中でも、
「友達付き合いを見ていると、好かれるではなく嫌われないように個性を殺しているだけだ」
と、言っていますし、
太陽の塔を作る時の万博のテーマ「人類の進歩と調和」にしても、
調和といったって、日本の常識でいえばお互いを譲り合うということだ、
少しずつ自分を殺して譲り合うことで馴れ合うだけの調和なんて卑しい!
って、言い切っています。
心に刺さるなあ。
渋谷駅、東急東横店から井の頭線に渡る、渋谷マークシティーの通路の所にあるのが、
「明日の神話」。
メキシコで行方不明になっていた作品が発見され、
痛みが激しかったのを、日本で修復し展示したもの。
縦5.5メートル、横30メートルの巨大壁画です。
やはり岡本太郎さんの作品からは、エネルギーを感じます。
これぞ、パワースポットですね。
自分の中に、何かを充電出来たような気がしました。