進撃の巨人の後編を見てきました。
前編を見て、怒りが湧くほどのダメ映画だと思ったのですが、
どうせなら後編も観て、ダメさに駄目押ししておきたいなと。
前編をみた時点で、この後編が原作と違うというのは、
評価の視点には入れておりません。
原作を見ていない人達で、意外と評価する人が多いのと、
観た人で、前編よりは後編のの方が好きだったという評もあったので、
新劇の巨人の原作とは別物としてみれば、どうなのか?
…というのを感じたかったので。
結論からいうと、40点ぐらいの作品なのかなと。
まず、前半の伏線を回収するために、
出演者が戦いもせずに、説明台詞を長々と演説する。
しかも、後編は、前編であれだけ湧いて出た巨人が出てこず、
わりあい落ち着いた感じで淡々と進む。
前半同様に、全く人間ドラマが描けていない。
しかも、脚本担当の映画評論家の町山さんが、
いろんな所で、あのシーンは、あの映画のオマージュなんて説明してるけど、
そのオマージュシーンがことごと本家よりチープで、安っぽい。
他をシリアスで描いているのに、ハンジだけが浮くほどコミカルで寒い。
で、クライマックスになって、こう思いました。
え?もしかしてこれって、ウルトラマンとか、怪獣映画みたいなモノなの?
エヴァンゲリオンとウルトラマンを足して、
東宝の怪獣映画を作ったみたいな感じというと、合点がいきます。
家に帰ってから、樋口監督が特撮の監督を務め、
第19回日本アカデミー賞で、特別賞特殊技術賞を受賞した
「ガメラ 大怪獣空中決戦」。
こちらを観たら、スッキリしました。
ああ、これって怪獣映画だったんだと。
エサとして人間を次々に食べる、怪鳥ギャオス。
しかもギャオスを倒すべく出演したガメラ自体も敵とみなし、
まずはガメラを倒そうとする自衛隊。
しかし、どちらにも歯が立たず無力で、
ガメラがギャオスと戦いはじめて、ガメラ頼みに。
この構図って、進撃の巨人の最後でしょ。
ちなみにガメラ自体も演技が棒で、ストーリーもご都合主義なんだけど、
怪獣映画として観ているから、そんなに腹も立ちません。
進撃の巨人も、原作をモチーフとした怪獣映画を作りましたとすれば、
ここまで叩かれなかったのかもしれません。
ファーストゴジラじゃなくて、ゴジラ対メカゴジラとか、
そのへんの娯楽怪獣映画。
はなからB級だと思って、B級の上だと「お!面白いじゃん」となりますしね。
原作を見ていない人達の評価が高いのは、こういう所だと思います。
後編を観て、ああ…と思った人は、ガメラと観ているといいと思います。
ちょっと、スッキリするかもしれません。