カフェや喫茶店で、隣の人の会話が耳に飛び込んで来る事は多いですが、女性のお客さんで、コーヒー自体について語り合っている場面に、出くわす事はあまりありません。
多くの場合は、恋の話だったり、近況だったりという会話がメインで、コーヒーは美味しければそれでいいという感じなのですが、この日は珍しく、両隣にいる女性のお客さんが、コーヒー自体に興味を示して、お店のご主人に質問をしていました。
中野の丸井裏にあるムトウは、美味しいコーヒーのお店としてコーヒー好きには知られていますが、もしかして、そんな評判を聞いて、訪れたのでしょうか?
僕がここに来るときは、中野の美容室で髪を切った時。エチオピアのナチュラルと、ガトーショコラというのが定番です。いつものように、ナチュラルの果実味、甘味を楽しんでいると、右隣の女性が、焙煎機の横に置かれている麻の袋を指さし、「この袋にコーヒー豆は、どのような状態で入ってくるのですか?」と、ご主人に尋ねました。
「袋には生の豆の状態で入ってきて、それを、隣の焙煎機で焙煎します」そして目の前の瓶に入ったコーヒー豆を見せて「その焙煎の方法で、深く焙煎すると、このような濃い色になり、浅く焙煎すると、このような色になります」と、ご主人。
「あまり詳しくないのですが、飲みやすいのはどれですか?」「だったら最初は深煎りじゃなく、中煎りぐらいの、これとこれですかね」
懐かしい…。このブログを始めたばかりの頃って、僕もコーヒー詳しくなくて、同じような事を聞いていたなあ。
その時の記憶は鮮明で、板橋区の志村三丁目にある、カフェ・ベルニーニに行った時の事です。ハンドピックした雑味の無いコーヒーの味に驚き、ご主人にあれこれコーヒーの事を質問攻めにしていました。探したらやはり興奮してそのことを書いていました。2010年、8年前か。自転車はまだGIOSだったんだなあ。
さて、今度は左隣の女性。注文したコーヒーを出された時「ミルクはお使いになりますか?」と聞かれ、「結構です」と答えた後に、しばらく考え込み、「あの…。もしかして…。このコーヒーはミルクを入れた方が美味しいのでしょうか?」と、尋ねました。
ご主人は、ちょっと慌てて「ああ、ちがいます。一応聞いただけです」と答えました。
僕も隣にいましたけど、「美味しいんならその通りにしてみますけど」的な殺気というか、探究心を感じました。
もう700軒以上カフェや喫茶店をまわっていますが、こんなにコーヒーについて熱心に質問している所に出会ったのは初めて。サードウェイブのブームの時にも、お目にかかりませんでしたが、なんか、新たな波が起きているのでしょうか?それとも、単なる偶然ですか?
■MUTO coffee roastery(ムトウ コーヒー ロースタリー)
■東京都中野区中野3-34-18
■営業:11:00~20:00
■定休日:木曜
■場所はこのへん
■お店のサイト