ジラソーレ(江古田)

ジラソーレ

軽い文体のエッセイを読みたいなあと思っている時、ツイッターのトレンドで「五右衛門」というキーワードが目に止まりました。
「初デートでサイゼリヤはありか無しか」論争の延長で、「初デートで洋麺屋・五右衛門はありか無しか」論争というのがあったのです。

まあ、こういうのって「あり」同士で付き合えばいい訳だし、「無し」と思っている人を、それはおかしいと説き伏せる物でもないと思います。価値観の合う物同士で付き合えばいいんだし。

…と言ってしまうと、話は終わってしまうので、個人的な意見としては、この初デートの年齢がいくつかというのでも変わると思います。10代とか、20代の前半戦だったら、ありの率はまだ高いだろうけど、個人的に、20代の後半から30代を過ぎると、相手の女性が普通にランチで食べてる可能性が高くなっているお店を、2回目につなげる事が出来るかという初デートの場で使うというのは、「無し」かなあと思います。

五右衛門のパスタって、ランチでも1000円以上して、普通のイタリアンのランチとたいして変わりません。スープやドリンクをセットにすると、1500円前後するし、少し調べれば、そのお値段で食べられるイタリアンは普通に出てくるので、だったら同じお値段で、二人で初の体験をした方がいいんじゃないだろうか。

…と、まとめサイトを読みながら思っていたら、この論争に引用されていたエッセイがありました。

臨死!江古田ちゃんの作者でもある漫画家の、瀧波ゆかりさんのエッセイ「30と40のあいだ」すぐにKindleで購入し、ダウンロード。

この中の「初デートのお店問題」というエッセイで、

アラフォーの知人が男性から、「美味しいイタリアンがあるので食べに行きましょう」と誘われたので、オシャレして行ったら、五右衛門だった。

瀧波さんは、五右衛門は美味しいけど、「おいしいイタリアン」なのか?アラフォーにとってと、疑問を投げかけています。10代ならまだしも、いろんなイタリアンを食べて来たアラフォーを、初デートに誘う場所なのか?少し気合いの入る初デートで、五右衛門なら、2回目、3回目は、どうなるんだ?と。この違う価値観をすりあわせて行くのは大変なので、誘われた知人は、2回目のデートは無しにした…というものでした。

最初に書きましたが、これはどちらがいいじゃなく、「あり」同士で付き合い、「無し」ならば、さよならでいいと思います。そんな事より、このエッセイが僕が探していたライトな文体で、クスっとしながら読める作品と出会えた事の方が大きかったです。探していたのは、こういうのでした!

そう考えると、昔から女性の漫画家さんが書くエッセイと、相性がいい事を思い出しました。漫画家さんは、絵で説明する事が多いからか、必要以上に回りくどい表現をしません。それが会話の速度に近くて、ちょうどいい感じなのです。

パスタ

そんなイタリアンにまつわるエッセイを読んでいたら、美味しいパスタが食べたくなって、江古田のジラソーレへ。ランチは、プッタネスカ スパゲッティー二で、ドリンクセットで700円。前菜とスープのつくBセットにしても、1050円。ディナーでも、パスタは1100円からと、リーズナブルです。

こういう私鉄沿線じゃなくても、安くて美味しいイタリアンとか、フレンチだったらビストロとか、スペインだったらバルとか、探せばいくらでもあるので、ぜひ、美味しいお店見つけてください。

■ジラソーレ (girasole)
■東京都練馬区旭丘1-73-9 三共ビル2F
■営業:
11:30~17:00(月〜木)
11:30~14:00(金〜土)
18:00~21:00(金〜日)
■定休日:毎週水曜日
場所はこのへん
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Spicy cafe カイマン(新中野)

カイマン

最近、暑いし、ブログに自転車の写真も写らないし、「自転車乗ってますか?」と聞かれる事が多いのですが、ミニベロには乗っています。
右下にチラりと写る赤いバーテープが僕のミニベロ。遠出した時は、「ここまでチャリで来た」的に自転車の写真入れますが、新中野ぐらいで、いちいち写真撮るのもなあ…という感じで、あまり撮りません。

一応、暑さ対策として、速乾性のドライTシャツとパンツ、直射日光対策でキャップ。サコッシュには、水とタオル。というスタイルで、ポタリングしております。

この日は、新中野の気になっていたカフェ「カイマン」へ。

店内

ブックカフェのように本が沢山並んでいるのですが、ぱっと手に取ったのが橋本治さん。昔、「桃尻娘」とか読んでいたなあ。懐かしい。女子高生のしゃべりを文体にして小説を書いた物で、今でいう「桐島、部活やめるってよ」の朝井リョウさんの、源流のような感じですが、当時は掟破りような賛否もあり、話題となったのを思い出しました。

あの当時から、軽い文体の本が好きだったんだよなあ。

そこで、ご主人に「軽い文体で、楽に読めて、クスっと出来るエッセイのような物、オススメありませんか?」と聞くと、色々候補を挙げてくれた上で、土屋賢二さんをオススメされました。お茶の水大学名誉教授で哲学者。柴門ふみさんの大学時代の先生です。

家に帰ってから、さっそくKindleで、エッセイデビュー作を読んでみました。

最初の章「今日からタバコをやめられるーでなくも禁煙をやめられる」んー、文章は面白いんだけど、題材が時代じゃないなという印象。それもそのはず、1994年の作品だったのです。

当時の男性の喫煙率は、59.0%、女性が14.8%。セブンスターが220円の時代で、喫煙天国だった頃の話です。だから、「健康の為にやめなきゃ」といいつつ、「禁煙なんか簡単にできる!もう10回以上した」という禁煙ギャグが定番だった時代です。

当時は僕も喫煙者でしたから、その頃に読めば、「わかるー」と笑い転げていたに違いありません。

それが2018年の10月からセブンスターが500円に値上げされ、男性の喫煙率は、27.8%。女性は、8.7%。2年後から、飲食店での喫煙が認められない「受動喫煙防止条例」が施行されるという、このご時世。タバコをやめられない理由(ユーモア)が、笑えなくなっているのです。その他の項目も、題材が古いし、本来はパロディーなのに、パロディーにならなくなってしまっています。

この本の題材ではないけど「部活の時に禁止されている水を飲む方法」というのも、当時だったら面白いハズなんだけど、今となっては、「水禁止」が無知なバカ監督の命令でしかないので、まず、水禁止が笑えない。あの時、水を禁止にしてたラグビー部の監督とか、今、どつきたいですもんね。

そこで、比較的新しい本を読んでみる事にしました。

2013年の作品で、小さな人生相談のような物を集めた作品。有吉マツコの「かりそめ天国」に投稿されるような人生相談。「新幹線の肘掛けを、自分の物だと主張できない」的な、小さなお悩み。

よかった。こっちは時代と乖離して無くて、面白く読めました。

カイマンカレー

作家の文体の話をしながら頂いたのは、カイマンカレー700円に、アイスコーヒー200円をつけました。カレーは3種類から選べて、チキン&ふわふわ玉子。最近食べ続けていた刺激的なスパイスカレーとは違い、ふわふわの玉子が、やさいしいカレー。「夢眠」や「チャオカレー」の、チキンエッグみたいな系列です。

ランチの遅めの時間で、ご主人と僕とで、文学とか、映画の話をたっぷりと。初めてのお店なのに、行きつけの喫茶店のような感覚。いいなあ、ここ。居心地がいい。

■Spicy cafe カイマン
■東京都中野区本町6-12-10
■営業:
11:30〜14:30
17:30〜23:00(水金土のみ)
■定休日:月曜
場所はこのへん
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