恥ずかしながら「2001年宇宙の旅」を観るのは初めてでした。
10月19日からの二週間、全国の指定IMAXデジタルシアターで、65mmオリジナルネガを素材にした4Kデジタル復元の『2001年宇宙の旅』が限定公開となっています。映画評論の評価が高いセクシー女優の戸田真琴さんが、素晴らしかったと評していたので、観に行く事にしました。
「♪僕らの生まれてくる〜ずっとずっと前にはもう〜アポロ11号は月に行ったっていうのに〜」というポルノグラフィティの歌がありますが、この映画は1968年、アポロ11号が月面に到着する1年前に公開された映画です。今年で50周年を迎える映画なのに、デジタルリマスターのおかげもありつつも、今観ても古さを感じさせない映画と評されています。
ところが、この映画、観る物に挑戦状を叩きつける作品でした。
恐ろしいぐらいにテンポが遅く、抑揚もなく、延々と続く1シーン。上映時間2時間41分という長尺。Uボートディレクターズカット版の3時間29分に比べたら短いですけど、現代のSF映画のカット割りで行ったら1時間半ぐらいになっちゃうんじゃないの?というスローテンポ。前半戦は台詞もなく音楽だけで見せるシーンが多いので、正直、途中、何度か睡魔に襲われてしまいました。あ!寝ちゃった!とスクリーンに目をやると同じシーンだったので、落ちたのは一瞬だったと思うのですが。
しかも、この映画、途中で15分の休憩が入る2部構成。眠気覚ましにジュースを買いに行ったのですが、まるで宇宙船の中を歩いているかのようなIMAXシアターの通路。この通路を戻って始まった後半戦が前半と打って変わって面白い!スクリーンに没入して見入ってしまいました。理解不能と言われる最後10分ぐらいのシーンこそ、IMAXで観るべしという映像美でした。
とは言え、わからないシーンが多かったので、まず、自分で予測を立て、その後、ネットで調べてから、家でAmazonプライムで検証再確認しました。すると、理解度が深まり、初見で退屈だった前半戦も面白く感じました。
これ、2度、3度と観るうちに面白くなる作品なので、どうだろ?一概にとは言えませんが、先にAmazonプライムで頭に入れてから、IMAXで観た方が感動が大きいのではないでしょうか?
この映画、50年後の今、観ていても古さを感じないというのは、デジタルリマスターのおかげだけじゃなく、その後の宇宙物が、この映画の影響を受けているので、撮り方、セット、現代に通じる既視感があるのです。スターウォーズにも影響を与えたであろうメカニカルな部分や、撮影カット。エヴァンゲリオンを思わせるシーンも多数。とにかく「あ!これ」というシーンが多数登場します。
観る者を選ぶ映画ですが、一旦、縄跳びの縄に入ってしまえば、面白さが加速していき、鑑賞後の満足感が高い作品でもあります。
2週間限定の上映なので、11月1日(木)までかな?興味のある人はIMAXの大画面で観られるラストチャンスかもしれないので、ぜひ、お出かけしてみる事をお勧めします。