茶房・高円寺書林(高円寺)

高円寺書林

江古田の飲み友達のいいところは、飲んでいて互いに仕事の話をしない所。
飲み屋に仕事を持ち込まないという暗黙のルールがあるのです。
だから、ほとんどはくだらない不毛の会話。
でも、それがホントに気楽でいい。

放送作家という仕事をしていて一番困るのは、仕事について聞かれる事です。
未だにうちの親でさえわかってないのに、他人に説明出来る自信がありません。
一番困るのは、自称活字中毒という人に食いつかれる事。
だって、文章書くけど、文学じゃないし。
放送の原稿だって、ドラマとニュースとバラエティーじゃ
全く違う職業というぐらい違うし、
だから、いちいち説明するのが面倒くさいのです。

そんな感じなので、純喫茶と喫茶の違いは、アルコールがあるかどうか
…という事は答えられるのですが、
文学と純文学の違いは答えられません。
そんなレベルですよ。
ガッカリですか?すいません。

なので、メルヘンカフェプレイは大丈夫なのに、
「茶房・高円寺書林」という名前を聞いたときには、ちょっと躊躇しました。
もし、皆、文学なんか語ってたらどうしようと。

テラス席

でも、このテラス席を見ると、ちょいとゆるい感じ。
椅子も不揃いだし、なんか強制されそうな感じはないです。
テラスもいいなあと思ったのですが、この日は暑かったので中に入る事に。

店内

お店の中は、半分ヴィレバンみたいな雑然とした感じ。
セレクトも「どう?スゴイでしょ」系ではないので、一安心。

アイスカフェオレ

アイスカフェオレは500円。

話は戻って、なぜに放送作家になったのか。
僕の場合は、ラジオが好きだと言っていたら、
人のつてで「やってみないか」と言われたという単純な理由。

ただ、今の仕事につく資質というかルーツは?と言われて思ったのは、
遡る事、中学だか高校だか忘れたけど、国語の授業だったと思います。

井伏鱒二の山椒魚の問題が出され、
「この時の山椒魚の気持ちを答えなさい」
という問いに、
「山椒魚の気持ちなんか誰にもわからない。だから正解はない」
と答え事だと思います。

頭が悪いゆえ、答えがわからなかった為、
逃げるための単なる揚げ足取りだったのですが、
正しい設問は
「作者はどういう意図で書いたのか答えなさい」
じゃないかと思ったのも事実。

しかも、こういうのって
井伏鱒二自体が設問と答えを用意して出題している訳でもなく、
学者や先生の解釈で、勝手に出題しているので、正解という確証は取れてません。
もし井伏鱒二が「いや〜ホントは違うんだよね〜」とか言ったらどうすんの?
…とか、その頃から思ってたんですね。
ホント、ヒネたガキだ。

本来、授業で先生が言ったとおりに答えれば正解なんだろうけど、
それに疑問を持った事が、今考えると、放送作家的だと思う。
たぶん、それが原点なんじゃないかと思います。

P.S
思い出した。もっと先だ!
小学校の読書感想文を書く時に、
主人公のタヌキに手紙形式で文章を書いたヤツだ。

確か、親に貰った優秀作文みたいなのをまとめた本を読んで、
その中に手紙形式の物があったのだけど、
やり方をパクって、自分も手紙風に書いた事がありました。
「こういう風に書けば大人は喜ぶんでしょ」とか思って。

いや〜自分で思い出しても、腹立つガキだなあ。
ヒネくれすぎてる…。

■茶房・高円寺書林
■東京都杉並区高円寺北3-34-2
■営業:
11:30~21:00
11:30~20:00(日月)
■定休日:不定休
場所はこのへん
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ハティフナット・高円寺のおうち(高円寺)

ハティフナット

こうして、男一人でカフェめぐりをしていると、
女子と行かないとキツイ雰囲気の、ちょいとメルヘンなカフェに当たる事もあります。
一人で焼肉屋も、一人で観覧車も、一人で公園のボートもクリアしたのに、
メルヘンなお店はその中でも一番キツイ。
なんたって、お店の中に男一人という状況になりやすく、
周りからの好奇な目にさらされ、いたたまれない気分に。

ところが、最近は、慣れてきたのか、そんな状況も少し快感になってきました。
あまりM気質のある方ではないのですが、ここはドMな感じ。
自分の中では、メルヘンカフェプレイと名付けています。

今回はそんなプレイが味わえる、高円寺北口にあるカフェ、
「ハティフナット・高円寺のおうち」へ。
スウェーデン語で優柔不断という意味の「hatta」と、
放浪するという意味の「fnatta」を合わせた造語のHattifnattは、
ムーミンに出てくるニョロニョロの現地での名前だそうです。
ウーパールーパーというか、秋田名物の「きりたんぽ」に手が生えた感じのアレ。

こちらは吉祥寺にもお店があるので、高円寺店という感じなのですが、
「高円寺のおうち」と言うところで、男的にまずハードルが一つあがります。

1階はキッチンとレジのみなので、ドアを開けた瞬間にお会計中の、
ゆるふわ系女子の集団が立っていて、まずはドッキリ。
ある程度の覚悟を持ってドアを開けたのですが、
あまりの場違いぶりに、思わず1回ドアを閉めてしまいました。

でも、すぐにその女子達が出てきたので、思い切って再突入する事に。

店内

古民家を改装したお店なので、落ち着いた感じの古民家カフェで、
これだけだったら、まだ抵抗なく、とてもいい感じです。

奥の部屋

ところが、奥の部屋は、壁にペンキで森の仲間達の絵が描いてあり、
ここに一人で突入するのは、かなりの勇気がいるのですが、
「えーい入ってやれ」と覗いてみると、ちょうど満席で、少しホッとしました。

メニュー

メニューの脇においてある木製のスプーンには番号が書いてあるのですが、
帰る際にこれを持って下のレジに降りると、お会計をしてくれるシステム。

呼び鈴

1階にキッチンとレジがあるので、店員さんを呼ぶときには、
中央の柱にぶら下がっている「矢印」を引きます。

1階へ

この紐が1階につながっていて、下で呼び鈴が鳴るシステムに。
2階に上がってきた所を見計らって注文してもいいのですが、
せっかくなので紐を引いて店員さんを呼ぶことに。
これも、メルヘンカフェプレイの一つです。

スイーツ

そして注文したのが、こちらの2つ!
「ほんわかカフェラテ」が550円。
「プリンのかくれんぼ」が530円。

注文の時に「カフェラテとプリン」とか略しちゃダメで、
ちゃんと「ほんわかカフェラテとプリンのかくれんぼ」と、
商品名をフルで言わなければいけないのが、メルヘンカフェプレイ。

生クリームの中に手作りのプリンが隠れているのですが、
甘みが程よく抑えられていて、美味しい!
カフェラテには、男のコの絵が描かれているのですが、
オーダーを通す時に「男の人です」とか伝えてあるのでしょうか?

そういうのを想像しながら、さらに気恥ずかしい気分を味わい、
プレイに没頭するのでした。

■HATTIFNATT -高円寺のおうち-
■東京都杉並区高円寺北2-18-10
■営業:
12:00~24:00(月〜土)
12:00~21:00(日)
■定休日:不定休
場所はこのへん
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