プアハウス(江古田)

プアハウス

そうか、今日から学園祭なんだ。

我が江古田の街も、学園祭シーズン。
3つある大学のうち、武蔵野音大は先週終わってしまったけど、
日芸が今日から、武蔵は明日から。
普段は地元民だけで静かなこの街も、外来種の皆さんで賑やかになります。
という訳で、今回は我が町の数少ない観光地的スポットを紹介しましょう。

看板

こちらが、江古田にまつわる芸能人御用達のカフェというかJAZZ喫茶
北口にあるプアハウスです。

店内

ちょうど、映画「素敵な金縛り」の宣伝で三谷幸喜さんが「とくダネ!」に出る時、
中野美奈子アナと江古田を訪れ、
思い出の地という事でこちらでインタビューの収録があったばかりです。

過去ではキリンジの「グッデイ・グッバイ」というPVの撮影にも使用された事も。

代表的な学生街の喫茶店なのですが、
今は、学内に引きこもりの学生が多く、街をぶらぶらしないので、
どちらかというと、お客に多いのは大人達の方。
三谷さんの後輩で演劇科だと、本仮屋ユイカさんなどもいたのですが、
学食での目撃談はあれども、街での目撃談は流れて来ませんでした。

この江古田は、ライター、編集者、漫画家、イラストレーターなど
フリーランスのクリエーターが多く、時間も不規則なので、
こういう人達の方が、平日の昼間の喫茶店に出没したりしています。

まあ、僕もその1人なんですが。

粗食

これが三谷幸喜さん、思い出の味、粗食。840円。

一言で言えば、洋風のお茶漬け。
スパイシーにアレンジされたコンソメ風のスープの中に、
ご飯と野沢菜、梅干し、鶏肉、そしてチーズが入ったもの。

永谷園に「大人のお茶漬け」という商品がありますが、
こちらは「もっと大人のお茶漬け」という感じ。
大人の余裕がないと、こういうメニューって選択出来ないと思うのですよ。

三谷さんのエッセイなどを拝読すると、けっこういい家のコだったような感じです。
子供時代に8mmのカメラで遊んで映画を作ってたりね。

プアハウスという名前の粗食という名前の食べ物だけど、
お金がない学生にとっては、ちょっと選択しにくい食べ物。
「コスパがさ〜」とか言って、大盛りの店に行く学生が普通なのに、
学生時代からコレを食べていたところに、普通の学生とは違う余裕が感じられます。
そこが三谷さんらしい。

同じく日芸出身の爆笑問題が通っていた、喫茶店タンバリンも、
ガレッジセールが通っていた、洋包丁も、もう江古田から姿を消しました。

まだ学生が街で遊んでいた頃の、江古田の思い出の地、
プアハウスには、長く続いて欲しいと願うのです。

三谷幸喜ファンの方、学園祭で江古田を訪れる機会があったら、
プアハウスに立ち寄ってみてはいかがですか?

ちなみに、こちらの名物である激辛カレーを食べに行った回は、こちら

■poor house(プアハウス)
■東京都練馬区栄町39-1
■営業:11:30~23:00
■定休日:火曜、第1・3水曜(祝日は営業)
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茶廊てんとうむし(昭島)

多摩川

日野市から、ふたたび多摩川を渡って向こう岸へ。
やはり夏と違って、涼しいので走れる走れる!
朝は少し寒いかなと思いましたが、
走り出せば体が温まるので今ぐらいが丁度いいのです。

この勢いで、次に目指すのは昭島です!

サイクリングロード

河原へ出て多摩川サイクリングロードへ。
もっと下流は、人が多くて危なかったりする事もあるのですが、
この付近ともなれば、人もまばらなので、快適に走れます。

ただ、鉄橋やバイパスと交差する付近は、
一度サイクリングロードが切れてしまうので、
初心者だと迂回して次へ向かう道を探すのに、戸惑う事もあります。
そういう時は、前を走るロードレーサーに何となく付いていってみましょう。
慣れたるもので、裏道を繋いで続きのコースへ、スーイスイ。
僕はこのコバンザメ走法で、結構スムーズに走れました。

米軍ハウス

昭島に来ると、元々米軍ハウスだった建物がカラフルに塗られて、並んでいました。

ウインドブロウ

その一番端にあるのが、目指したカフェ「ウインズブロウ」だったのですが、
何とクローズドの看板が!
ここに付いたのが15時30分ぐらいだったのですが、お昼の営業は15時まで。
夜の営業の再開は18時。
それまで待ってたら、真っ暗になってしまいます。
ダメだ…。
昭島まで来て、まさかの収穫なしか?と思ったのですが…。

てんとうむし

その向かいを見たら、ちょっとレトロな喫茶店があるではないですか!
「茶廊てんとうむし」
よし、ここだ!ここにしよう!

今思うと、実は、前のお店がクローズしていた事は、
何かのお導きだったのかもしれない出来事が…。

店内

山小屋チックなレトロな店内の一角に腰を下ろすと、
お店のお母さんが、オーダーを取りに来ました。
その顔を見て、僕はビックリしました。

うちのお袋ソックリ!
ソックリすぎる!

韓流ドラマで、よく死んだ恋人にそっくりな人が、一人二役で出てきますが、
そのぐらいのソックリぶり。
年配の女性独特のファッションも、似てる。
しばし注文を忘れて、ポカン顔ですよ。

まだうちの母親が健在だから良かったものの、
死んだ後に会っていたら、絶対涙を流しただろうという自信があります。
それほど、動揺しました。

よく世界には同じ顔の人が3人いると言われるけど、
あのお母さんと、うちのお袋は、そのうちの2人に違いありません。

クリームソーダ

お袋の顔が思い浮かんだというか、目の前にそっくりな顔があるので、
思い出のメニューを頼みました。

思い出のメニューと言っても、母親と喫茶店など入った事ありません。

幼稚園ぐらいの時だったと思います。
入園式とか、そういうおめでたい日の帰りに、
街のちょっといいレストランに連れて行ってもらったのです。
とは言っても、今考えると普通のレストランだったのですが、
岩手の田舎町なのでそういうお店は少なく、
洋服で言うところの、一張羅的なお店だったのです。
めでたい時は、ココみたいな。

そこのお店にあったのがクリームソーダ。
普段、外食といえば、駄菓子やとか定食屋がせいぜいだった子供には、
憧れのメニュー。
誕生日だとか、そういうのにかこつけて、
連れて行って欲しいとおねだりしていたそうな。

当時は、クリームソーダという名前を知らずに、
「ミドリが飲みたい」と、よく母親に言っていたそうです。

その思い出の味、クリームソーダは450円。

お店では、ラジオが流れていました。
何かの音楽番組の公開生放送をしていて、女性グループが歌うところでした。
「それでは、私達の曲、聞いてください」
という、MCに続いて、流れたイントロはBORN TO BE WILDじゃないですか。
あれ?カバーしてるのかな?と思ったけど、
あのギターのカッティングに続いての歌は、原曲のステッペンウルフ。
どうやら、お母さんが気を利かせて、ラジオから有線に切り替えたらしく
そのタイミングが「聞いてください」に、ドンピシャだったのです。

そして、ここまでは良かったんだけど、
この次に流れたのが、T.RexのGet It On。
えーー、コレ、オレのipodの曲順と一緒じゃん!

なんだかまた、鳥肌が立った。

お会計の時、「うちのお袋にソックリなんですよ」と喉まで出かかったけど、
言うのをやめました。
興奮しているのは、自分だけだろうし、
この魔法にかかったような気分が、解けてしまう気がしたからです。
そんな自分の中の小さなドラマを胸にしまったまま、お店を後にしました。

しかし、よっぽど動揺してたんでしょうね。
お店の営業時間とか定休日をチェックするのを忘れてました。

■茶廊てんとうむし
■東京都昭島市緑町2-29-3
場所はこのへん

その帰り、まだ何かのお告げではないかという気分が抜けず、
いつもよりも慎重に、安全運転で帰路につきました。

線路

途中、うちの田舎の風景にも似た、単線の線路が真っ直ぐと。
今日は、随分、懐かしい気持ちにさせてくれるなあ。

写真を撮っていると、武田鉄矢率いる海援隊の曲、
「思えば遠くへきたもんだ」が、頭の中で流れ始めました。

踏切りの側に咲く
コスモスの花ゆらして
貨物列車が走り過ぎる
そして夕陽に消えてゆく
十四の頃の僕はいつも
冷たいレールに耳をあて
レールの響き聞きながら
遥かな旅路を夢見てた
思えば遠くへ来たもんだ
故郷離れて六年目
思えば遠くへ来たもんだ
この先どこまでゆくのやら

地図

自転車で都内のカフェ制覇の旅。
昭島市、制覇の巻!
お、あとボスキャラ3つを残すのみ。

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