弱虫ペダルファンの為のツールドフランス・エース物語

最近、にわかサッカーファン、にわかカープ女子などを批判する記事が多いですが、
僕は個人的に、にわかでもいいので自転車に興味を貰えたらなと思っています。
きっかけは何でも良くて、それが弱虫ペダルでもいい。

ツールドフランスも中盤戦に差し掛かりましたが、
最初は、弱虫ペダルに変換しないと、レースを理解出来なかった女性達が、
面白さにハマって、弱ペダ変換無しでも観られるようになって来てます。

なので、ツールに隠されたドラマとして、
マンガより面白いエピソードを、より知ってもらえたらなと思います。

以前、献身アシスト編の時に予告していた、ツンデレエース編。

一昨年、2012年のツールドフランスから。
カヴェンディッシュ(スプリンター)=新開隼人
ウィギンズ(エース)=福富寿一
みたいなイメージで、読んでください。

カヴェンディッシュ
「え?俺の為のトレインが組めないってどういう事だよ」
ウィギンス
「今年は総合狙い、マイヨジョーヌを獲れというのがチームの方針だ」
カヴェンディッシュ
「ロットは最強トレイン組んで来たのに、俺に一人で戦えっていうのか」

かつてカヴェンディッシュが所属していたのは、
2008年から3年連続世界最多勝をマークしているアメリカの常勝チーム
HTC・ハイロード。
しかし、新しいスポンサーが見つからず解散。
そして、イギリスのチーム「スカイ」に移籍して来たのです。

世界最速のスプリンター「カヴェンディッシュ」
当然、ツールドフランスでもその早さを見せつけてやろうと思っていたのですが、
スカイの方針は、総合優勝争いで、
アシストはエースのウィギンスの為に用意されます。
その為、カヴェンディッシュの為のアシストおらず、
平坦ステージでスプリンターを勝たせる為のトレインが組めないのです。

同じくHTC・ハイロードで活躍していた元チームメイトのグライペルは、
ロット・ベリソルに移籍。
こちらは平坦ステージ狙いで、グライペルの為の強力なアシストを揃え、
トレインを組んで来ました。

トレインというのはゴール前2㎞ぐらいから、
チームで縦一列になって走る事で、
電車の連結のように見える事から、トレインまたは列車と呼ばれています。
空気抵抗を減らし、一番後ろのエースを温存する方法です。

カヴェンディッシュ
「ロットはトレイン組んで来るのに、俺にはトレイン無し。どうしろと…。
よし!こうなったら、あの技を使うしかないな。
秘技!無賃乗車だ!」

カヴェンディッシュの「秘技!無賃乗車!」が発揮されたのは
2012年の第2ステージ。

ゴール前1.5㎞ロットベリソルが4人でトレインを組み、
4人目のグライペルを牽きます。

赤のジャージ・ロットベリソルがグライペルの発車準備。
しかし、その後ろに黄色のヘルメットのカヴェンディッシュが潜んでいます。
ロットのトレインの後ろについて只乗りし、
グライペルを逆に発射台にしてしまおう作戦。

グライペルの発射と同時に、カヴェンディッシュが発射!
そして、まんまと「秘技!無賃乗車」でスプリントを制し、ステージ優勝!

一方、ウィギンスは、強力なアシスト陣に守られて、
第7ステージで、カンチェラーラからマイヨジョーヌを奪うと、それを保持。
アルプル、ピレネーという山岳ステージでは、
強力なアシスト「フルーム」に牽かれて、ライバルを引き離します。
第19ステージの個人タイムトライアルでも完勝し、
総合優勝を決定づけます。

ウィギンス
「悪かったな、俺の為のアシストを集めたから、お前の為のトレインが組めなくて」
カヴェンディッシュ
「お前は悪くない。それがチームの方針だし、
 お前は期待に応えてマイヨジョーヌを見事手に入れた」
ウィギンス
「残すは最終ステージ、花のパリ、シャンゼリゼ。
 最後は、お前の為に俺がアシストになる!」
カヴェンディッシュ
「王者がアシストに…」

2012年の第21ステージ。
パリのシャンゼリゼの周回コース、ラスト一周の鐘がなります。

ラスト1㎞の長い直線、2番目を走っていたグループが、
トレインを組んで上がってきます。

その先頭を牽くのは黄色いジャージ。
なんとマイヨジョーヌの王者ウィギンスがSKYトレインの先頭を牽き、
カヴェンディッシュを先頭グループに引き上げます。

残すは1コーナーのみ!ここを先頭で通過すれば勝利は間違いなし。
勝利を確信したウィギンスがトレインから離脱。

チームメイト、ボアッソンハーゲンがカヴェンディッシュを発車!
そしてゴールに真っ先に飛びこみ、花のシャンゼリゼを制しました!

カヴェンディッシュの勝利と、自らのマイヨジョーヌに拍手を贈る
ツンデレ、ウィギンス。

生中継での、ウィギンスがカヴェンディッシュを牽いて先頭に出た時は、
「なんと!ウィギンスが牽いている!」
「王者マイヨジョーヌが自ら牽いている!」
と、実況も大興奮でした!

自分の為に犠牲になったスプリンターの為に、
最後に自らアシストに転じ、花を持たせる王者。
ツールには、そんなドラマもあります。

ツールもまだまだ中盤戦ですから、
今後起こりうる、そんなドラマ楽しんで、興奮して頂ければと思います。

ぜひ、DVDなどの映像で確認してください!
カヴェンディッシュが一人で戦い、
ウィギンスが最後に恩返しするツールドフランス2012!

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アンドレ・グライペル待望の勝利

グライペル

やりました!
僕が応援しているロットベリソルのスプリンター、
アンドレグライペルがついにステージ1勝をあげました。

ツールドフランスのスプリンター四天王と呼ばれているのが、
ジャイアントのマルセル・キッテル
オメガファルマ・クイックステップのマーク・カヴェンディッシュ。
キャノンデールのペーター・サガン。
そして、ロットベリソルのアンドレ・グライペル。

現在、第6ステージですが、
今シーズン・平地スプリントは、キッテルが圧倒的強さ。
カヴェンディッシュは、第1ステージで落車リタイアと、波乱のシーズンなのですが
ロットベリソルも、グライペルを発車する発射台の
グレゴリー・ヘンダーソンが落車して、リタイア。

そのため、最強トレインがうまく組めずにいて、
グライペルもなかなか最終スプリントに絡めずにいました。

この日もトレインは組めなかったけど、
アシスト陣が位置取りをして、つねに前から5番目ぐらいの位置をキープ。

トレインがないので、一人でのロングスプリントになりましたが、
見事抜け出して、真っ先にゴールラインを駆け抜けました。

ここまで6戦…長かった〜。
待ち遠しかったですよ。

欲張れば、やっぱり最強に美しいトレインが見てみたいですけどね。

二バリ

マイヨジョーヌ(個人総合成績)
ここまでの6ステージのタイムを合計して、時間が一番短いのは、
1位 ヴィンチェンツォ・ニーバリ(イタリア、アスタナ)24h38’25”

ロットベリソルは、グライペルの不調で目立ててなかったけど、
その影にかくれて、こっそりと、6位と7位に選手を送り込んでいます。

6位 ユルゲン・ファンデンブロック(ベルギー、ロット・ベリソル)+1’45”
7位 トニー・ギャロパン(フランス、ロット・ベリソル)

これは優勝候補のコンタドールや、スカイのリッチーポートよりも、いい成績。
なかなかいい位置にいます。

ニバリのマイヨジョーヌ(黄色いジャージ)は、
チームカラーの水色とコラボして、
ふなっしーみたいと、Yahooのトップにのってましたね。

にわかも大歓迎、ふなっしー目当ての冷やかしてもいいので、
ぜひ、ツールドフランスを一度見て頂けたら、幸いです。
まずは、YouTubeのハイライト動画を見て頂くだけでもいいです。
どうぞ、よろしくお願いします。

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