多摩湖サイクリング

サイクリング

これまで一人のツーリングが多かったのですが、今回初めて集団でのサイクリングに出かけてみました。男子3人、女子3人という組み合わせ。
今年の流行語大賞にノミネートされた言葉に、ゴルコンという言葉があり、一緒にゴルフのコースに出るコンパみたいな物がありますが、ならばこっちはサイコンでしょうか?

ちなみ自転車用語でサイコンといえばサイクルコンピュータの事で、その日の平均時速や距離を測る物。しかも漢字にすると「再婚」ともなり、あまりいい感じではない。
かと言ってツーリングコンパを略すと「ツーコン」で「痛恨」に通じるし、となるとチャリコン?でも「離婚」って文字が隠し絵のように入ってるし、これもダメだ。何がいいんでしょう?教えてセンスのいい人!

まあ、ともかく男女3対3で出かけた訳です。

それぞれ新しい自転車は買ったけど、そんなにまだ遠出はしていないという事で、地理上、遠くまで行ったイメージがあり、非日常体験が味わえるスポットとして選んだのが、今回の目的地多摩湖です。

練馬の江古田からは、裏道等も併用すれば、ほぼ車の来ないサイクリングロード状態のコースを組むことが出来ます。

今回選んだのは、千川通り〜千川上水沿いの通り〜五日市街道〜多摩湖サイクリングロードというコース。

写真の五日市街道では、けやきの落ち葉がハラハラと舞ってきて、非常に優雅な気分。しかも交通量が少ない。

さらに多摩湖サイクリングロードに入れば車はなし。口々に走るのが楽しいと言って頂けました。サイクリングの疲れって、距離ではなく、自動車に対する精神的なプレッシャーである事がわかってもらえたと思います。楽しく走れる道を見つければ、自転車はどんどん遠くまで行けるのです。

小平ふるさと村

てな訳で最初に到着したのは、多摩湖サイクリングロード沿いにある小平ふるさと村。
古い農家や古民家を移築した公園です。

うどん屋

ここでは、土日限定で古農家を利用した、うどん屋さんが出現します。
「むさしの糧うどん」というのは北多摩地区の郷土料理で、調布などが蕎麦が名物なのに対し、この周辺では昔からうどんが食べられてきました。ハレの日には、食卓にうどんが並べられます。最近でこそ廃れてきたけど、その文化を残そうというのが、この、ふるさと村での活動です。

実はサイクリングロードを走っていると、ここのちょっと前に、丸亀うどんのお店が行列を作っているのが見えるのですが、内心、「多摩まで来たら糧うどんだろ」と、ほくそ笑んでしまいます。

土日限定で、しかも50食限定なので、すぐに売り切れに。この日も12時15分ぐらいでしたが、残り10食ぐらいで、ギリギリセーフ。食券を買った後に、旗とか暖簾とか片付け始めましたしね。

いろり

食事は、古い農家の建物を移築して保存している中で頂けます。これがまた風情があっていいではないですか。

うどんは他の小屋で作っていて、ここまで岡持で運ばれるのですが、おかもちが到着するなり、うちのテーブルから「いい香り」と声があがります。どんだけあんたら鼻がいいんだ。そして食い意地がはっているんだ。

座敷

普段はここでの食事は禁止なので、土日限定の体験です。

むさしの糧うどん

小平糧うどんは、JAの協力などを得て小平の地粉を使って打たれます。冷たい盛りうどんを温かいつゆで頂くもので、つゆの中には刻み揚げが入っていて、それに、ほうれん草、大根、ネギなどをお好みでプラスしていきます。醤油の代わりに、つゆにつけて食べるという食べ方でもOK。

太めで、何故か「いったんもめん」のような切れ端が全員のうどんに入っていました。という事は失敗作ではなく、何かのおまじないって事ですね。聞けば良かった。

竹馬

広場には子供達に昔の遊びを教えるための遊具があるのですが、その遊具で盛り上がる、昔の人達です。竹馬に子供用って書いてあるやん、乗ったらダメだって。

小平ポスト

再びサイクリングに戻り、小平駅前の巨大ポストを見に行く事に。大きさをわかりやすくする為に、一番身長の低いメンバーに並んでもらいました。

多摩湖

サイクリングロードをひたすら真っ直ぐ進み、最後に坂を登り切ると、多摩湖に到着。行きは、ゆっくりゆっくり寄り道しながら行ったので、皆、「こんなに楽勝だったとは…」との感想。

やった事のない人って「絶対無理」って言うんだけど、やるとこんな風に、意外と楽に行けちゃうものなんです。

愛車

今回の皆の愛車。ビアンキ、ルイガノ、ジオス、ジャイアント、トーキョーバイク、ブロンプトン。

サイクリングロード

せっかくここまで来たら、多摩湖を一周しようという事に。メンバーには西武ファンもいるので、まずは聖地・西武ドームを目指しました。

西武ドーム

湖の周り四分の1ぐらい走った所に西武ドームがあります。中を覗きに行かなかったけど、ノックの音などが聞こえるので、きっと選手達が自主連しているのでしょう。

多摩湖

湖全体を望む、見晴台。

紅葉

さらに紅葉の中を進んで行きます。このグラデーションが見事!綺麗な物を綺麗と感じる心が残っていて良かった。サイクリングではこういう風景を発見出来る力も養えるのです。

多摩湖

最後は、サイクリングロードから外れて寄り道し、土手の下へ。ここへ行く道は、多くの人が見逃している所にひっそりとあります。だから超穴場で、みんなに見せてあげたかったのです。

自転車でここまで来たご褒美にピッタリの風景だと思うのです。

石神井公園にも糧うどんが食べられる所があるので、次回はママチャリで行く石神井公園でも良いし、クロスバイクで行く調布深大寺そばツアーでもいい、また何かやりましょう。皆様。

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オーブンミトン・カフェ(武蔵小金井)

小金井公園

SLというのは、非常にジブリ的な乗り物だと思います。
松本零士の銀河鉄道999の方が定番であるけれど、実はあれは電子制御です。
形はSLであるけれど、れっきとした宇宙船で、アナログ的な要素はほとんどありません。

ジブリ作品に登場する乗り物は、機械油のにおいがしそうな物が多いのです。
石炭で走ったり、飛行機は古いプロペラ式だったり、
トラブルが起きると、スパナでちょこちょこいじって直せそうな物。
電子制御ではなく、人間の力で操作して動いているという感じの乗り物が多く登場します。
そこがSLと、どことなく同じ匂い。

小金井公園には、そんなSLの他に、
ジブリのニオイのする、さらにアナログな世界が待ち構えていました。

江戸東京たてもの園

小金井公園の敷地内にあるのが、江戸東京たてもの園。
歴史的な価値の高い建造物を移築し、復元・保存・展示する野外博物館です。

実はここ、宮崎駿監督が、よく訪れている事でも有名な場所。

子宝湯

千と千尋の神隠しに登場する「油屋」は、
全国のいろんな温泉や銭湯を参考に作り上げられたそうですが、
ここにある「子宝湯」も、そのモチーフの一つになっているそうです。

その他、神奈川県秦野市の鶴巻温泉の陣屋、道後温泉本館、四万温泉・積善館の本館、
渋温泉金具屋、湯原温泉油屋なども参考に描かれているという説も。

富士山ペンキ絵

「銭湯=富士山」みたいなイメージがありますが、これは関東独特の文化で、
他の地方では、多くの場合タイル張りである事が多いそうです。
なのに多くの人が「銭湯=富士山」というイメージを持っているのは、
何でなんでしょうね。
ちなみに、この銭湯のペンキ絵を描ける職人さんは、全国に2人しかいないそうで、
絶滅危惧職種です。

食べ物処・蔵

真ん中の建物、三省堂は、元は薬屋さんで壁一面に薬入れの棚がびっしり!
千と千尋で、釜爺が居たボイラー室のモデルとなったと言われています。

その手前は、歴史的建造物風に作られた休憩処で、2階がうどん屋さんになっています。
最近、武蔵野うどんというのが静かなブームになっていますが、
2階の食べ物処「蔵」でそれが食べられるというので、寄ってみる事にしました。

武蔵野うどん

武蔵野うどんは、「糧(かて)」と呼ばれる茹でた野菜が付くのが特徴。
付け汁で頂くのが本来の食べ方らしいのですが、
この日は、ちょっと寒かったので、温かい汁入りの方を選びました。

関東風のうどんらしく醤油の香りはするのですが、
関西人が「なんや!この黒い汁は!」と怒るほどでもなく、割と薄味。
逆に、ちょいと薄味すぎるかも。
食感は、うどんのもっちり系よりも、蕎麦寄りのような感じでしょうか。
食券の販売機の所に、
「打ち粉に蕎麦粉を使っているので、アレルギーの方はお気をつけください」
というような注意書きあったのですが、その打ち粉の影響なんでしょうかね。

■食事処「蔵」
■東京都立小金井公園江戸東京たてもの園内
■営業
11:00~15:30(平日)
11:00~16:00(土日祝)
■定休日:月
お店のサイト

都電

千と千尋では、海沿いを走る電車が登場しますが、こちらには、都電が。
あのシーンを見たときに、「はっぴいえんど」の「風を集めて」を思い出しました。

♪起きぬけの路面電車が、海を渡るのが見えたんです
 それでぼくも風をあつめて、風をあつめて

荒川線や世田谷線も最新の車両になってしまったけど、
それでも、ノスタルジックな感じを醸し出しているのは何故なんでしょう?
あのゆっくりなスピード、そして刻まれるゴトンゴトンというリズムが、
きっと人間のもつスピードに合っているんじゃないでしょうか?

今、いろんなものが、人間の生理的なものより早すぎる気がします。
そういう意味では、自転車の速度も非常に人間的です。

高橋是清邸

園内の中央部にあるのは、第20代内閣総理大臣の高橋是清邸。
あの二・二六事件の際に、こちらの2階で青年将校らに暗殺されてしまいました。

三井八郎右衛門邸

こちらは、三井財閥の11代当主の家。
戦後GHQによる財閥解体で、莫大な財産を失う事になるのだけど、
失った数々のお屋敷の中から、お気に入りを集めて再構築したのが、この家だそうです。

…というお話を、ボランティアガイドの方が説明していました。

自由学園・明日館の時もそうだったけど、ガイドの人の話って面白いです。
ドラマの古畑任三郎で、最後に田村正和さんが、事件の解説をしたりしますが、
あんな感じで、普通なら見逃してしまうような所にも、意味がある事を教えてくれ、
謎解きをしているようです。

農家

西ゾーンは、古い農家の建物から田園調布にあった家など、個人宅が中心。

江戸東京たてもの園に来て意外だったのは、一人の若い女性客が多かったこと。

囲炉裏

そして何かを真剣に観察している姿が。
建築学とか勉強しているんでしょうか?

えどまるグッズ

ショップでは、宮崎駿監督がキャラクターデザインした
江戸東京たてもの園のキャラクター「えどまる」のグッズも売られています。
ジブリマニアにお土産に買っていったのだけど、意外にも不評。
アニメに登場しないキャラは、宮崎駿といえど、ダメなんですか?
ちょいと、ガックリ。軽くへこみました。

黄金の水

ところで、今回訪れた小金井市の地名は、
「黄金に値する豊富な水が出る」ことから、
黄金井(こがねい)が小金井になったと言われています。
そういえば、いろんな所に湧水がありました。

こちらは、小金井街道と連雀通りが交差する前原坂上交差点そばにある
黄金の水(こがねのみず)という井戸水が汲める場所。
沢山の人が、ペットボトルやポリタンクを持って水を汲みに来ています。

水くみ場

方法がちょっと変わっていて、
まず、登録料500円を払い、専用の蛇口の栓を買います。
この蛇口にはくるくる回すレバーがついていないので、
自分で買った蛇口の栓をはめて、それをまわして水を出すのです。
一度、蛇口の栓を買えば、後は汲み放題。

ビジター用には、押すとコップ一杯分の水が出る所もあります。
こちらは無料です。
それで水を飲んでみたら、水を汲みに来たオバサンに話しかけられました。
「美味しいでしょ」
確かに…まろやかな感じ。
オバサンはこの水で珈琲やお茶を入れて飲むのが好きなんだとか。

「ペットボトル1本持っていく?」と言われたのですが、
その一本が、取っ手つきの焼酎、大五郎サイズで大きく、
自転車では、しょって帰れないので辞退。
自分の500mmlのペットボトルに入れて、持ち帰りました。

はけの森

さて、今回のカフェは、こちら!
「はけの森美術館」の敷地内にあります。

「はけ」というのは、武蔵野地方で「崖」がなまった言い方らしく、
ブラタモリに登場しそうな高低差がある所には「はけ」という名前がついています。
この場所は、大岡昇平の小説「武蔵野夫人」の舞台ともなった場所だと
看板に書かれていました。

竹林

風情ある竹林の中の坂道を降りていきます。

オーブンミトン

すると「はけ」と呼ばれる崖下から湧き出す湧水の向こうに、一軒の家が。
こちらは同じ敷地内にある「はけの森美術館」を作った画家
中村研一さんの家だった場所です。
その家を利用して、市内にあるケーキ屋さんがカフェを営んでいるのです。

玄関

お店の名前は、オーブンミトン。
高原のロッジみたいな洋風の家ですが、靴を脱いであがるスタイル。

はけの森セット

頂いたのは、メニューに一番人気と書かれたいた「はけの森セット」。
パウンドケーキとシュークリームのセットです。
飲み物付きで、 850円(税込み893円)
頼んだのはカフェオレだったので、こちらはプラス50円で、税込み945円になります。

パウンドケーキは、シンプルながら、しっとりと濃厚。
シュークリームも、小ぶりだけれど、こちらも濃厚。
だからこそ、小ぶりなんじゃないかと思います。
それが美味しさを味わうちょうどよい大きさという気がするのです。

よく自称グルメブログみたいなのには、CPとかコスパとか、
料理を量で語っている人がいるけれど、あまり共感できません。
美味しい物も量が多すぎるとまずくなると感じる派なので。

そういう意味では、濃厚さとサイズが、自分にとってちょうど良い感じでした。
これでいいのだ。

こちらのパテシエである小嶋ルミさんは、いろいろなレシピ本なども出されています。

  

■オーブンミトン・カフェ
■東京都小金井市中町1-11-3
■営業
10:00-15:50(11月~2月)
10:00-16:30(3月~10月)
■定休日:月火、第三日
場所はこのへん
お店のサイト

地図

自転車で都内カフェ制覇の旅。
小金井市制覇!

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