ホント・カフェ(市ヶ谷)

空

空が不気味な雲で覆われつつありました。
なんだか映画の1シーンのような光景です。
平和な日常に影が差し、そこから始まる恐怖。
まるで、インディペンデンス・デイのオープニングのような。

SF映画に例えたのは少々大袈裟でしたが、
実は、ある物が巨大な波に飲まれそうになっている現場を見るために、
ここまでやってきたのは事実です。

市ヶ谷

場所は市ヶ谷。
この寒い中でも釣り堀に熱中する人達が多数。

大日本印刷

今回の目的地はこちら!外堀沿いの大日本印刷です。

ショールーム

実はこちらに新たにショールームがオープンしました。
「コミュニケーションプラザ ドットDNP」

ブックカフェというのは都内にも多くありますが、
こちらの中に、タブレット端末を置いた電子ブックカフェが出来たというので、
偵察に来たのです。
ショールーム形式なので、
受け付けで名前を書いてからカフェに行く方式でした。

ホントカフェ

こちらが電子ブックカフェのhonto cafe(ホントカフェ)。
各テーブルにタブレットが設置されていて、
そちらで電子ブックを読みながらお茶が出来るという形式。

カフェ

右手にドリンクと軽い軽食類があり、
キャッシュオンデリバリーで、好きな席へ。

タブレット

カプチーノは、220円。
タブレットはワイヤーで繋がっていますが、手にとって読むことも出来ます。
使用料は無料。

こちらのhontoとは、大日本印刷が展開する新たな通販サイトの名前。
電子ブックもダウンロード出来るし、紙の本も購入出来るサイトで、
amazonとkindleショップをプラスしたような感じ。
…というか、その黒船に対抗するために作ったんでしょうね。

電子ブック

ただ、手にとってみたのですが、
本棚に入っている本が、立ち読み機能で5〜6ページしか読めない物ばかり。
マンガだと1話とかのもあったけど。
だから電子ブックを堪能しようと思うと、なんだか中途半端です。
これだったら家電量販店の売り場でいじってみるのと、たいして変わりません。

実は僕はもうipadに電子ブックアプリを入れて読んでいるので、
このぐらいの体験しか出来ないのか…と残念な気持ちに。

どうせ、書籍を自分のスマホに転送したり出来ないんだから、
ケチくさい事いわないで、タブレット内の物は全文読めるようにすればいいのに。
その方が楽しさが伝わるハズ。

あと、設置されているのがアンドロイドタブレットなんだけど、
正直、反応が悪いので、ストレスがたまります。
hontoはipadでも使えるiosアプリがあるのだから、
半数はipadにして欲しかった。

お!電子ブックって楽しいじゃん!と思わせたいなら、
そういう所って、重要だと思います。

フライヤー

受付で、
「地下には、デジタルえほんミュージアムもあるので、
 よろしければそちらもどうぞ」
と、案内を頂いたので覗いてみました。

地下

地下にはプロジェクターなどを使って、
デジタルえほんに触れられるスペースが。
丸いブースの中にはテレビモニターに繋がれたipadがあり、
それを操作しながら、テレビを見るように絵本が見られます。

正直、こちらの方が、電子ブックとしての未来のありかたが、
わかりやすかったです。

プロジェクター

プロジェクターに向かって、逆に絵本が映し出されるようになっていたので
何でだろうと疑問に思っていたのですが、
このマットの上に子供を乗せて、プロジェクター側のお母さんと対面式になり、
お母さんがipadを操作しながら、読み聞かせするという物でした。
丸いブースの方は、横並びで、テレビの絵本を見る形式。

動く物は子供が興味をしめしやすいので、
映し出される絵本に興味津々のご様子でした。

これは子供用の読み聞かせだけど、
こういうプロジェクターで本を映し出す方式は、
大人だったら、みうらじゅん&いとうせいこうのスライドショー的な、
トークショーなんかにも使えそう。

さらに言えば、DVDのオーディオコメンタリーみたいな発想で、
VOWのような、面白写真本を電子化して、
ページをめくって写真をクリックすると、
みうらじゅんの声で解説が流れるとか。
スライドショー的な本って面白そうな気がします。

電子絵本

こちらは1階の「DNPenguinハウス」という展示ゾーンにあった
アプリ形式の絵本。
飛び出す絵本のように遊べる、電子版の絵本です。
最初、鼻や目や耳など、パーツがバラバラになっているのですが、
画面をタップするごとに、それが整列しはじめて、
動物の形になるというもの。
そして、文字の所を押すと、「ぞ」「う」と音声も流れます。
教育的な絵本としても、使えそうですね。

子供の本は、遊ぶこと、楽しませる事を前提としているので、
電子ブックならではの切り口が生まれやすいのですが、
大人の本って、作り手が電子化にアレルギーを示している人が多く、
せいぜい、pdfかe-pubに変換するぐらいの事しか考えてない。
はなから可能性を放棄している感じなので、
電子ブックは、子供の物から充実させていくのも1つの方法かなとも思いました。

■コミュニケーションプラザ ドットDNP
honto cafe(ホントカフェ)
■東京都新宿区市谷田町1-14-1 DNP市谷田町ビル
■営業:10:00〜18:00
■定休日:日曜日・年末年始
場所はこのへん
オフィシャルサイト

出版業界って、どんどん売り上げが減り、斜陽産業の1つと言われています。

実は、我がラジオ業界もその1つで、
コンポや家電からラジオ機能が削除され、
車でもないとラジオにふれる機会がないので、
中高生は、ラジオってどうやって聞くの?と、
聴き方さえ知らない人の方が多い時代がありました。

さらに、高層ビルやタワーマンションの林立で、
電波が行き渡らなくなりました。
いい番組作ったって、いい音楽流したって、
その電波が届かなければ、やってないのと同じです。
ラジオは、どんどん存在価値を失って行きました。

そこで、考えられたのがネットに放送を乗せるRadikoです。
これもやはりラジオは電波であるべきという保守的な人も多く、
最初から全員が諸手をあげて賛成していた訳ではありません。

でも結果的に、スマホにRadikoのアプリが乗るようになってから
聞けなかった人が、聞けるようになり、
徐々にですが、ラジオを聞く人が増えてきました。

好きなアーティストが出るのに電波が悪くて聞けなかったとか、
車から降りて、休憩所に行くときはラジオを消さなければなかった人、
そんな人達がラジオを聴けるようになったと喜んでくれました。

冒頭で「巨大な波に飲まれそうになっている現場」って書きましたが、
出版やラジオに限らず、音楽業界もそうです。
このお隣にあるSONY MUSICなどを始めとするレーベルは、
レコード、CD、ダウンロードと
音楽の聞くスタイルが変わって行く中で、
売り方やプロモーションのやり方を変えるのに、
苦戦しているんじゃないでしょうか?

テレビもそうです。
僕の周りにかぎって言えば、生で観る人は少なくなってきてます。
CMだの、CMまたぎだの、引っ張りだの、
余計なものはすっ飛ばして、時間を短縮して観たいから。
「問題発言まであと30秒」とかテロップ出してあおるけど、
だったら30秒後まですっとばして、そこから見るよね。
知らないうちに、ネット動画を試聴する時のスタイルの、
余計な映像は飛ばすクセがついてるんですよね。

じゃあ、本はどうなのか?
紙かデジタル化という、二択からの一択ではなく、
選択肢を増やすべきだと思います。
これは、ライターではなく、読者そしての僕の感想。

紙には紙の良さがあるけれど、
でも物理的な物には勝てない部分もあると思います。

街の本屋さんは、置けるスペースが決まっているので、
メジャーな雑誌しか置けないケースが多いです。
少々マニアックな雑誌は、本屋に並ばない事さえあります。
(これは、自転車関連で痛いほど感じてる)
そして、新刊や単行本なども、旬が過ぎればすぐに撤去される。
つまり、出版されている本でも、本屋に並んでいる期間はもの凄く短い。
さらに言うなら、はなっから本屋に並んでない本の方が多い状態です。

先日、割と今話題の売れ筋のビジネス本を買おうと思ったのですが、
職場の近くの本屋さんにも、無し。
近所の本屋さん3軒まわっても、どこにも無く、
日本で2番目に大きい、池袋のジュンク堂に行って、ようやく入手出来ました。
どうしても翌日までに入手しなければならなかったのですが、
その時に、なんで本1冊買うのに、これだけ苦労するんだと思いました。

今日だって直木賞受賞作が、近所になくて池袋まで行くハメに。
だったら、電子化してくれよ…と。

東京でもコレですよ。
うちの田舎の本屋なんて、コンビニの本売り場を、10列ぐらい並べた程度。
だから、よほどの事がない限り、ここに並ぶ事はなく、
存在さえ知られない本の方が多いという状況です。

紙媒体の方々は、本が売れないと嘆きますが、
買いたくたって、どこにも並んでないんだよ
…と嘆いている人達も、多数いる事を知って欲しいです。

ちなみにですが…。
僕が住んでいる、西武池袋線で、池袋から3つの目の江古田。
この10年ぐらいの間で、
新刊が買える本屋さんは、8店あったのが1店に。
新譜の買えるCDショップは、2店あったのが0に。
レンタルビデオは、個人店が5店あったのが、大手2店に。

1店しかない本屋に、毎月多数出版される本の何が置けるのか?
ほとんど置けないでしょ。
これが物理的に無理って話です。
本屋という流通ルートは、すでに破綻しかけているので、
好きな紙の本を買うならamazonしかない状態です。

電子化の波は、避けて通れないと思いますよ。

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ベルク(新宿)

ヘルタースケルター

新宿で行われている友人の写真展を見に行くことにする。
その前に、劇場鑑賞券を頂いた沢尻エリカ主演の映画
「ヘルタースケルター」を見に行く事にしました。
知人たちの感想を聞くと、
見終わった後に、何ともいえないダウンな気持ちになると聞いていいたからです。
友人の写真展は、ちょっとテンション落ち気味の中で観たかったのです。

ところが、まさかの最終上映まで売り切れ。
ネット予約できる時代ならではの現象でしょう。

新宿

そこで、町をふらついてみました。
久しぶりの昼間の新宿。

やはり新宿はカオスだ。
オネエ系にはほど遠い、オバサマ系の方々が闊歩し、
当たり前に風景の一部としてとけ込んでいます。

そして思ったのは、女性達の化粧が濃いという事でした。
ツケマ、スプレーで盛った髪が、歯止めがきかなくなり暴走している。

まあ、ギャル達のモリモリメイクをしてれた方が化粧品の消費が早い訳だから、
彼女らにウケるアイコンとして、カリスマに祭り上げられるのは
厚化粧のタレントさん。
そして、カリスマに近づこうと、一生懸命、自分を塗りたくる。

ただ、これが普通の街なら浮いてしまうのだろうけど、
新宿だと普通に溶け込んでしまうのが不思議です。

地下街

さて、友人の写真展を見に行く事にしました。
新宿の駅ビル・ルミネエストの地下にあるお店。
東口の改札からアルタ方面に抜ける左手の小さな飲食街の中にありました。

ベルク

ベルクというお店。
ビルがマイシティーからルミネエストに変わったあたりから、
ファッションビルにしようと飲食店などを追い出す動きがはじまり、
こちらも立ち退き問題に巻き込まれました。

その事が発覚すると、お店の存続を願う1万通ちかい署名が集まり、
大手企業と戦うお店として、テレビドキュメントなどでも取り上げられたお店です。

ベルクドック

頂いたのは、ホットドックブランチ、525円。
ホットコーヒーをアイスに変更すると、プラス50円です。

「何もつけないで食べるのがおすすめです。」
と、注文の時に言われたので、それに従ってみました。
ソーセージ自体の味を楽しんで欲しいという事でしょう。

確かにしっかりとしたソーセージの味がします。
ただ、それまで猥雑な感じの新宿の風景を見て来たばかりだから、
ケチャップやマスタードをたっぷりつけて、
ジャンクな感じで味わってもみたかったです。

店内

さて、店内を見回すと、壁一面に友人の写真が貼られています。

僕は写真展が目的で、このお店に足を運んだのだけど、
多くの人にとっては、ふと立ち寄ったお店の壁の一部として存在していました。

正直、写真展として鑑賞するには、あまり条件の良くないこの場所。
あえて、ここを選んだのか、友人に聞いてみると、
額装して、いかにも写真として見て貰うのではなく、
なんとなく、ふと目にとまって欲しいから…という事でした。

外で撮った写真だから、ホントは外の掲示板とかに張りたいぐらい。

だとすれば、1日1500人ぐらいの人が通り過ぎるこの場所は、
そんな、外の雰囲気に近い場所なのかもしれません。

■ビア&カフェ BERG (BEER&CAFE BERG)
■東京都新宿区新宿3-38-1 ルミネエスト新宿 B1F
■営業:7:00~23:00
■定休日:無休
場所はこのへん
お店のサイト

ささくれの土地

友人の写真展は「ささくれの土地」というタイトルがつけられいる。
この案内状を見たときに「やられた!」と思いました。
タイトルが秀逸すぎる。

友人の故郷である青森県の八戸市を撮った写真達が並ぶのですが、
そんな故郷を「ささくれの土地」と呼ぶ。

誰でも故郷に対しては、心の中に小さな痛みのある思い出を抱えていて、
なにかにひっかかった時、突如、チクリと忘れていた痛みを思い出す。
それを表すのに、これ以上にないピッタリな言葉だと思ったのです。

そんな写真を見るには、テンション低めで行った方が、
何か別の見え方がするかもしれない。
だから、ダウンな気持ちになるヘルタースケルターを観てから行こうと思ったのです。

こういうネーミングセンスのない僕にとっては、やられた感満載。
しばし、彼の写真を眺めながら「新宿」のネーミングを考えてみる。

雑多な人種、行きすぎた化粧、過剰なファッション。
ジャンクな物を欲しくなったあの感覚。
いろいろ光景を思い浮かべ、
「添加物まみれの街」というのが思いついたけど、
やっぱ平凡だな。
残念ながらセンスがない。

友人の写真展は、9月30日まで。
通りすがった際には、ぜひ、どうぞ。

池袋

池袋に戻って来た。
新宿のような気張りが感じられない。
化粧も比較的普通。
念の為に映画館に足を運んで見ると、
ヘルタースケルターも残り席があったので、観てみる事にする。

沢尻エリカのおっぱい。
セックスシーン。
蜷川実花の色彩。

そんな事より僕が思ったのは、コレってさっきの新宿じゃんって事。

映画の中では、あの歯止めのきかない女性達の化粧が、
デフォルメされて物語となり、映し出されていました。

沢尻エリカが、化粧っけのないマネージャーに
口紅らしき物を使ってみなさいと渡しながら言う。
「ドラッグみたいなもんだから。やったら、もっとやりたくなる」

原作

観終わった後、確かに何とも言えない気分になるのだけど、
それは作品が持つ狂気の世界のせいではなく、
いくつか腑に落ちない部分があり、生まれたモヤモヤでした。

そこで、勢いでマン喫に飛び込んで、原作を読んでみました。

なるほど。
そういう事か。

もし、中島哲也監督だったら、どう撮ったんだろう…。

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