自転車の交通事故の誤解

6月1日から、自転車の安全運転違反に対する取り締まりが強化されました。
このブログやツイッターでも、注意を呼びかけましたが、
知らないのか、無意識なのか、違反者が警告を受けているニュースが、
いろいろと報道されました。

これを機に、ぜひルールを覚えてください

さてこの時期、いろんなキュレーションサイト、まとめサイトでも、
この自転車の安全運転違反の、
取り締まり強化の記事が取りあげられているのですが、
ちょっと待てよ!と思うものが多数。

自転車乗りに安全運転を呼びかける内容ならいいのだけど、
車目線で、一部の数字だけを取り出して、
自転車は危険だから、取り締まらなきゃいけない。
「自転車=悪」
という論調で、書いている記事が多いのが気になりました。

多かったのは、

平成26年度は、738人もが自転車で死亡してる。
だから自転車は危険!

こういう論調の記事。

これを鵜呑みにしている人多いんだけど、
公平に他の数字も見てみましょう。

警察庁の資料から、平成26年度の死亡事故

■状態別死者
自動車乗車中、1,528人(31.6%)
二輪乗車中、810人(16.7%)
自転車乗車中、738人(15.3%)
歩行中、1,753人(36.2%)

一番多いのは、歩行中であり、次が車、二輪と来て、自転車は一番少ないんですよ。

じゃあ、死亡事故を起こしている当事者は?

■死亡事故件数、当事者別(第1当事者)
自動車、1,519件(80.7%) -0.5%(前年比)
二輪車、203件(10.8%)-15.1%
自転車、86件(4.6%)-14.9%
歩行者、68件(3.6%)-13.9

車が80%だからね。
つまり車が当事者となり、歩行者を死亡させた事故が一番多いという事。

もちろん、自転車の違反も多いから、取り締まり強化は賛成だし、
違反自転車=悪だというのも正しい。

自転車側も、これまで以上に気をつけるよう啓蒙して行きますが、
ただ、あいかわらず一番多いのは
車が起こす死亡事故だというのも、認識しておいて欲しいです。

自転車の違反はダメ絶対!
これを機に、自転車はさらに安全運転で、交通ルールを守りましょう。
そして、車の皆さんも、安全運転で。

Pocket
LINEで送る

ジロ・デ・イタリア 2015

今年のジロ・デ・イタリアは、21ステージが終了し、見事コンタドールがマリアローザに。

各賞は、

■マリア・ローザ(総合タイム1位)
アルベルト・コンタドール (スペイン)
ティンコフ・サクソ

■マリア・アッズーラ(山岳賞1位)
ジョヴァンニ・ヴィスコンティ(イタリア)
モヴィスター チーム

■マリア・ロッサ(ポイント賞1位)
ジャコモ・ニッツォーロ (イタリア)
トレックファクトリーレーシング

■マリア・ビアンカ(新人賞1位)
ファビオ・アル(イタリア)
アスタナ プロチーム

当初コンタドールのライバルと目されていた、
リッチー・ポートや、ウランは早々に崩れていきましたね。

今年のジロを象徴していたのは、16ステージでしょう。
この中に、今回の大会の象徴がぎっしりと濃縮されています。

チーム力が凄かった、アスタナ。
個人の力が凄かった、コンタドール。

アスタナが強力なアシスト勢で引き始めると、
他のチームのアシスト勢が崩壊。
コンタドールのティンコフサクソも、アシストがちぎれ、
コンタドールが丸裸状態。
それでも、個の力で勝るコンタドールは1人で戦い、マリアローザを守り続けます。

このステージでは、コンタドールがメカトラブルで遅れた際に、
アスタナが強力に引き始め、コンタドールを置き去りにします。
しかし、コンタドールは登りに入ると、1人で追撃を開始し、
ごぼう抜きで先頭のアスタナ、アルとランダの元へ。

さらに、今年を象徴していたのが、エースのアルより、アシストのランダの方が強い。
まるで、2012年のウィギンスと、フルームの関係を観ているみたい。
ランダは、調子いいコンタドールのさらに上をいく余裕。

結局、このステージでは、エースのアルがアシストのランダを行かせて、
ランダがステージ優勝。
15ステージに続き、2連勝で、その強さを見せつけました。

そして、もうひとつ、個人的に印象的だったのは、ランプレ・メリダ。
今年は、自分の応援するロット・ソウダルも含め、
トレインが崩壊しまくりのチームが多かったように思えます。

ジロ・デ・イタリア2015 第17ステージ

このステージも終盤のアタック合戦で、各チームのトレインが崩壊。
スプリンターが個の力で勝負しなければならない中、
すっと集まって、トレインを組んだのが、ランプレ。

今大会のビューティフル・トレイン賞を差し上げたいです。

応援しているロット・ソウダルも、
ジロ・デ・イタリア2015 第6ステージで、
トレイン組んで、グライペルで勝利していますが、
他は、ずーっと崩壊気味というか、まとまって走る気配さえなし。
ハンセン、ヘンダーソン、グライペル以外は、
もう、どこにいるのやら状態。

今回は、シーベルグ、ルーランツを外しているけど、
ツールは、このままじゃまずいでしょ。
ジャイアントのキッテルや、エティックスのカヴェンディッシュも
強力なトレイン組んで来るのだから。

たのむよ!ロット!
オレはロットのビューティフル・トレインが観たいんだよ!

リッチー・ポート

さて、今回のジロ・デ・イタリア。
「弱虫ペダルもビックリのドラマだったで賞」は、
第10ステージのリッチー・ポート&サイモン・クラークに決定しました。

ここまで総合3位のリッチー・ポート。
しかし、残り6㎞でトラブルが発生!
前輪がパンクしてしまったのです。
しかし、チームメイトは気づかず、戻って来ていません。
チームカーもやって来ない。
1人取り残されての大ピンチ!

その時です。
「これを使って!」
前輪を差し出したのは、ライバルチーム、オリカ・グリーンエッジの
サイモン・クラークだったのです。

ライバルチームではありますが、同じオーストラリア出身。
サイモンの前輪を借りて、なんとかレースに復帰。
美しき友情物語。

しかし、
「他チームの機材サポートを受けてはならない」
というUCIルールに違反したとして、
ポートとクラークには、2分のペナルティーと200スイスフランの罰金が科せられることに。

実は以前、リッチー・ポートは、ツールドフランスの時、
エネルギー切れを起こしたエースのフルームの為に、
自分がペナルティーを受ける覚悟で、
チームカーから補給食を受け取って、フルームに渡した事があります。

弱虫ペダルファンの為のツールドフランス・アシスト物語
こちらを参照。

リッチー・ポートのまわりには、いつもそんなドラマが。
やはり、リアル小野田坂道は、リッチー・ポートなのかなあ。

Pocket
LINEで送る