℃-uteの解散は、6月12日の「さいたまスーパーアリーナ」ですが、℃-ute本来の魅力を堪能するなら、中野サンプラザだろうという事で、江古田のハロプロ好き8人で、中野へ。
もちろん、解散コンサートも観たい。でも、特別な演出で、しんみりとさせられるライブよりも、大きなステージを一杯に使うために、いつものフォーメーションを崩して、横一列になってしまうライブよりも、5人の、いつものダンスが、ビジョンを通じなくても観られる中野サンプラザのライブが、どうしても観たかったのです。
そして、中野を選んで正解でした。
アイドルヲタクじゃない人達が、それでも、このアイドルいいねという場合って、楽曲が良かったり、ビジュアルが良かったりと、聞くのだけど、テレビやラジオ、パソコンやスマホで観ているから、ライブの凄さという概念は、なかなかおわかり頂けない。
テレビカメラを通したライブって、定点で撮った物はほぼ無くカメラ割りで、表情などを抜いていく映像がほとんどです。歌割りじゃないメンバーは、映ることが少なく、この瞬間、グループ全体がどうなっているのか、わかりません。
サッカーでボールを持っている人のアップだけが続いている状態です。この間に、他のメンバーが、サイドを駆け上がったり、相手DFを引きつけたりしてるのに、そのチームプレイというのは、スタジアムでないと堪能出来ません。特に、オシム監督の時は、連係プレイが一番の売りだったので、スタジアムに行かないと、その凄さを堪能出来ませんでした。
カメラ割り無しで、さらに会場のビジョンの力を借りずに、俯瞰で全体像を楽しめる、ライブ。それを一番いい状態で堪能出来るのが中野サンプラザなのです。5人の、一糸乱れるフォーメーションと、精密機械のようなシンクロするダンス。これを思う存分、楽しめました。
本人達も、今日の5人は無敵と言っていましたが、なにか特殊部隊を観ているような、凄みがありました。
そして歌も、ライブ会場に足を運ばなければ、本来の魅力を味わう事は出来ません。
仕事柄、いろんなライブを観てきましたが、特に、アイドルのライブで気になるのが、ボーカルの音圧。楽曲がいいアイドルって、いっぱいいるのだけど、でも、歌はCDを聞いているような、レベルが抑えられた音が、ほとんど。音量を大きくしても、歌が前に出てこない。
でも、この日の℃-uteは、凄かった。ハロプロの歌姫と呼ばれる、鈴木愛理が歌い上げる。それに対し、ロックシンガーのような岡井千聖がシャウトする。メチャメチャ歌の上手い二人が、対抗するかのように、歌い上げて行くのです。
やはり、TVやDVD、CDではリミッターをかけられてしまう音圧が、そのままの状態で、バンバン体に響いてきます。まあ、思い入れたっぷりの精神的な意味もありますが、物理的にも、歌が胸に響きました。
同行した友人も、「今日のライブは圧が凄かったね」と。
こんな凄いライブをするグループがいるのに、もうすぐ観られなくなってしまうのかと思うと、せつない。モーニング娘。OGが、結婚したり、子供を産んだりした後で、ドリームモーニング娘。として、武道館に立ったように、℃-uteも、アイドルという鎧を脱ぐことが出来た後で、再結成して、大人の℃-uteが観てみたい。あと、高橋愛リーダー期の、プラチナモーニング娘。も。
そんな淡い期待を抱きながら、今はこの余韻に浸ることにしよう。
解散のSSAは、スペシャルなライブになるだろうから、今日の中野が、通常バージョンの完成形なんだろうなあ。本当に凄いライブでした。今まで観てきた℃-uteのライブの中で、一番でした。ありがとうございました。