新橋といえば、「サラリーマンの聖地」などと言われますが、しかし、なんで新橋が聖地なんでしょうか?丸の内や大手町の方が、企業の本社が多いですよね。調べてみると、どうやら、銀座で飲むのは無理というサラリーマンでも大丈夫な安い居酒屋が多いからというのが、一つの要因のようです。
新橋駅前といえば、酔ったサラリーマンにインタビューするスポットとしても定番ですが、安居酒屋で飲む人達は、酔いやすく、本音が引き出しやすいというのも、ここをロケ地に選ぶ理由の一つのようです。それが繰り替えされ、デフォルメされ、新橋=サラリーマンに。確かに、銀座で聞くより、新橋で聞いた方が、庶民の声的な演出がしやすいですもんね。この日も、ちょうど街頭インタビューをしていました。「俺もインタビューされてー」という野次馬も多数。
さて、その庶民のオアシス、ニュー新橋ビルは、中に小さな居酒屋があったり、ゲームセンターがあったり、そして、怪しげな中国マッサージのお店が並び、中は、ちょっと昔の香港を思わせるような雰囲気です。
ところが、このニュー新橋ビルを立て替えるという計画が動き始めました。都が旧耐震基準で建てられた都内の商業ビルなどの耐震診断をしたところ、このニュー新橋ビルや、新宿の紀伊国屋書店ビルなどは、震度6強~7の地震で倒壊・崩壊の危険性が「高い」と診断されました。そのためこのビルを取り壊し、地上30階のビルにしようという計画が持ち上がったのです。
ただし、新しいビルになると、当然、家賃等も上がりますから、これまでの小規模な居酒屋は、商売を続けられなくなり、大資本系のチェーン居酒屋に取って代わられる事になります。すると一気に、庶民の味方が姿を消すわけですから、その頃には、サラリーマンの聖地という言葉は、似合わない町になっているかもしれません。
さて、そのニュー新橋ビルの地下1階に「フジ」という喫茶店があります。
ショーケースには昭和な香りのするサンプルが並びます。
店内には、名前の由来となった富士山の大パネルが鎮座します。創業40年以上という長い歴史を持つお店ですが、何度かリニューアルされているようで、お店は意外とと言ったら失礼ですが、きれいです。サラリーマンが仕事をサボって高校野球でも見そうなテレビも大画面の液晶が2台取り付けられていて、スポーツBARみたいな雰囲気も。
こういう所に来ると、ナポリタンを食べるのが定番なんでしょうが、ちょっと前に、アルデンテなナポリタン探しで、結構食べ歩いたので今回は、同じく昭和な喫茶メニューの、ピラフです。スープと、飲み物がついて、850円。奥に見えるアイスクリームのような物は、ポテトサラダです。
もうしばらくピラフなんて食べていなかったのですが、具のイカやエビが、業務用というか冷凍食品感満載。以前なら、これぞ昭和なピラフ!と言って済ませたんでしょうけど、正直、ちょっと物足りないですね。旨いピラフを出す喫茶店って、どこかにあるんでしょうか?探してみましょうかね。
■フジ
■東京都港区新橋2-16-1 ニュー新橋ビル B1F
■営業:
08:00~22:00(月〜金)
11:00~18:00(土)
■定休日:日曜
■場所はこのへん