世田ヶ谷美術館で開催されている
「ボストン美術館-華麗なるジャポニスム展 印象派を魅了した日本の美」
こちらに行ってきました。
ジャポニスムとは、19世紀中頃の万国博覧会などをきっかけに、
日本美術が注目され、西洋の芸術家たちに大きな影響を与えた「日本趣味」のこと。
今回の目玉は、クロード・モネの大作「ラ・ジャポネーズ」
モネの妻、カミーユを等身大で描いた作品。
文字通り大きな作品で、さらに色鮮やかで絢爛豪華。
元々芸術の域にある日本の着物を身に纏わせ、
扇、うちわ、打掛、武者絵、美人画のモチーフを詰め込み、
さらに華やかに描いています。
浮世絵の影響として有名なのは、ゴッホの摸写シリーズ。
歌川広重の「名所江戸百景・大はしあたけの夕立」を
油絵で摸写した「雨の大橋」。
西洋の画家達は、日本画独特の構図を参考にしました。
空や高台から見たのような俯瞰の視点。
メインの対象物を端に寄せて空間を見せる構図。
木々と、水平の線で絵の中に作り出す格子。
役者絵のように大胆に顔などをクローズアップする構図。
動物や植物などを漫画のようなユーモラスな姿で描く作風。
モネの代表作でもある「積みわら」。
モネ自身が浮世絵好きで、さらに日本好き。
なので、これも浮世絵の構図に影響されたと言われています。
歌川広重の東海道五拾三次の、鞠子宿。
この作品の構図やグラデーションの影響を受けたといわれています。
ちょっと面白いなと思ったのは、
ルノワールの花飾りのある帽子。
これも浮世絵の影響を受けてるとされているのです。
こちらは、喜多川歌麿の「扇屋 瀧川」
遊女の戯れを描いたものなのですが、
閉ざされた世界での、美女のたわむれの背徳感。
こういう題材が、人々の心に何かを訴えるのは今も同じ。
華やかな役者や人気花魁を描いた浮世絵は、
江戸時代のグラビア的存在。
江戸時代から、美しい女性の戯れは人気の題材だった訳です。
こちらは、ハロプロのアイドル℃-uteの矢島舞美と鈴木愛理。
5人組のグループなんですが、グラビアでは、矢島と鈴木コンビ
通称「やじすず」の、戯れグラビアが人気を呼びます。
こちらJ-sportsさんに頂いた、弱虫ペダルのポストカード。
東堂と巻島のライバルコンビが「東巻」と呼ばれ、
友情をボーイズライブに脳内変換され、
背徳のたわむれとして人気を呼んでるけど、
こういうのも、そういう琴線にふれるものなんでしょうね。
花魁とアイドルとアニメじゃ題材違いますが、
そのフェチ的なひっかかりには、共通点がありそうな気がします。
ジャポニスムも技法や理論よりも、
西洋でも東洋でも、過去から現在まで、
そういう所は変わらないってのが、面白かったです。
今のヲタクが変なんじゃなくて、
昔から人々は変なの物、背徳の美が好きなんだよ。
関係ないけど、「背徳の」に美しい言葉をつなげると、
安っぽいJ-popのタイトル風になるね。
やっぱ、昔からこういうの好きなんだね。