森美術館にアンディー・ウォーホルを観に行った時、
出口の他の美術館のチラシが置かれているところで、
「えー!これ行きたーい」
「うあー、面白そう!」
と、はしゃいでいる可愛い女子大生ぐらいの二人組がいました。
チラ見すると、彼女達が持っていたのは、
練馬区立美術館で行われている「野口哲哉展―野口哲哉の武者分類図鑑―」
こちらのフライヤーでした。
え?練馬区立美術館って、中村橋じゃないですか。
家から近い!
という訳で、彼女らのアンテナに引っかかった展覧会に行ってきました。
入場料は500円なんですが、この日は、ご本人によるトークショーも。
野口哲哉さんは、樹脂やプラスチックなど、
現代的な素材を駆使して、古びた姿の鎧武者を造形する作家。
ただレプリカを作るだけではなく、そこに現代的な物や、
ジョークなどを入れ込んで、真のようなウソを作り上げる現代アートです。
(ここからは、ネットから拝借した写真)
彼を有名にしたのが「シャネル侍」
こちらはシャネルのギャラリーに若手の作品を飾りたいという事で、
声がかかった時に作った作品。
シャネルのマークを家紋とした甲冑を身にまとった武者像で、
紗練家という武家があったら、こういう甲冑だろうという作品です。
まだ30代半ばで活動期間は短いのですが、
甲冑への知識をベースにした、空想アートは評価が高く、今、注目の作家。
当初は、正当派のレプリカではないし、
フィギアに近い雰囲気なので、アートとしての評価もされにくかったのですが、
シャネル侍のあたりから、人気が高まりコレクターも現れ始めました。
僕が好きだったのが、ジャーナルスタンダードのショルダーバッグを背負い
スニーカーを履いた鎧武者。
色味が似てるから、時代が違っても調和するハズと作られたもの。
当日のトークショーでは、野口さんは同じカバンを背負っていました。
一部の作品を覗き、フィギア人形のサイズの武者が多いので、
美術館での展示をあまり考えていなかったのかな?と思ったら、
その謎がトークショーで判明。
樹脂などこれらを成形するのは、オーブンで焼いて作るので、
どうしても、オーブンに入るサイズになってしまうのだとか。
この展覧会、野口さんの空想アートと、
本物の鎧や、屏風絵などが混じって展示されているので、
どれが本物で、どれがウソなのか、途中でわからなくなったりも。
戦国basaraだとか、時代物のアニメや漫画などの影響で、
戦国の武将の変わり兜が注目を集めていますが、
それとかが入ってきたら、さらにわからなくなるでしょうね。
だって、どれもが、ありそうな物なんですよ。