1度も通った事がないのに、何となく見覚えのある風景というのがあります。
この坂の感じ、そして古い木造家屋が残っている場所。
松田龍平さん主演の映画「舟を編む」。
辞書を作る編集者の話なんですが、
その中で彼が下宿するこの家を見たときに、
「本郷じゃない?!」
と、心の中で叫んでいました。
そして映画の最後に出て来る、大学教授の家、
「これ内房の上総湊だ!」
こちらは内房の「喫茶・岬」に行く時にみかけた風景で、
鉄橋の形ですぐにわかりました。
ドライブだと一瞬で通り過ぎてしまうのでしょうが、
ゆっくりサイクリングしながら記憶に焼き付けているので覚えています。
さて、行った事がないのに、見たことがあるような風景。
本当に本郷なのか?
そこで、ロケ地を割り出すべく、映画のエンドロールをチェックすると、
協力の所に「鳳明館」の名前がありました。
調べてみると、文京区の本郷にある旅館の名前。
やっぱり!
下宿となった建物は、鳳明館の本館の脇の道を直進した所にありました。
鳳明館の本館は、有形文化財に登録されている歴史ある建物。
本館の他に、別館、森川別館の3つの建物があります。
かつては東京を訪れる修学旅行生が多かったようですが、
手軽に体験出来る純和風旅館として、外国人観光客に人気!
素泊まりで5000円からプランがあるので、
東京オリンピックのあたりには、外国人観光客に引っ張りだこになるのでは?
このぐらいのお値段だったら、忘年会とかやって、
そのままお泊まりしてもいいかもしれない。
手軽に味わえる非日常体験。
この付近には古い建物が多く、建築マニアにとっては聖地的存在なのですが、
森川別館のはす向かいには、求道会館があります。
教会風に見えますが、浄土真宗大谷派の僧侶が作った建物で、
「親鸞」の教えを伝える為の施設です。
そして、本郷といえば東大の赤門。
加賀藩の江戸屋敷跡に作られたのが、東大で、
赤門は、徳川家斉に嫁入りした溶姫が出入りする為に作られた門。
…と、時間があれば、いろいろ探索出来ます。
僕も、この日、本郷で待ち合わせだったので、
早めに行ってこのようにプチ探索しました。
そして、ランチは久々のルオー。
カレー特集や、喫茶店特集には、欠かせないお店です。
名物は、セイロン風カレー、セミコーヒー付で、980円
創業は、昭和27年だから、このカレーが生まれた当時は、
きっと他のカレーよりも、本格的でスパイシーだったに違いありません。
ただ、今となっては、真ん中のゴロっとしたジャガイモの味で、
懐かしの家庭カレーの方に近いです。
ただ、喫茶店もファストフードも、B級カレーなのに、
やたらスパイシーに寄ったお店が増え、
懐かしの喫茶カレーが激減している今、逆に、貴重な存在です。
こちらは、食後に提供されるハーフサイズのセミコーヒー。
土地柄、東大の学者が多いと思うのですが、
食べながら、ウンチクというか講釈をたれる。
この日は「後香(あとか)」について。
口に食べ物を入れ味わい、それを飲み込んだ時に、
鼻の奥に抜けるような香りを「後香」という。
味は、舌にのせた時の味覚情報の他、後香の情報が統合されるので、
飲み込んだ後にピークに達する。
だから、食べ物を口に入れてすぐに旨いというレポーターは、
TV用かもしれないけど、職業柄、味覚音痴に見える。
という話しを熱弁なされていました。
何を研究している学者さんなんだろう?
■喫茶・ルオー
■東京都文京区本郷6-1-14
■営業
9:30~20:00(月〜金)
9:30~17:00(土)
■定休日:日曜
■場所はこのへん