震災について

東日本大地震の犠牲者のご冥福を心からお祈り申し上げます。
そして避難生活を送られている被災者の方達には
一日も早く普通の生活が戻るよう祈っています。

長文になりますが、今回の震災で学んだ事を振り返ってみたいと思います。

実はうちの実家も岩手県の宮古市なのですが、
幸いな事に、全員無事である事の確認が取れました。
災害から5日目のこと。

今回は、故郷が被災地となり、自身は帰宅難民となり、
災害を直接体験する事で、数多く学ぶ事がありました。
それをお伝えするべく、まとめてみたいと思います。

実に数多くの教訓があるのですが、これをご覧の東京近郊にお住まいの方は、
帰宅難民等に関してはそれぞれが体験なさったでしょうから割愛します。
ここでは、遠く離れた故郷が被災した時、
自分には何が出来るのか、何に注意したらいいのか書いてみたいと思います。

■TVの情報を全てと思わない

TVは被害の大きかった所、一部の情報しか繰り返して流しません。
実家の方は、堤防を越えて水があふれ出し、漁船が町中まで流される様子を映し
「宮古壊滅」と何度も報道されました。
その為、知人達にも心配をかけました。

ただ、実際には宮古市は、市町村合併で県内でも一番広く
東京23区の面積621平方kmに対し、
宮古市の面積は1260平方kmと、約2倍の広さを誇る市なのです。
なので、被害の具合は地域ごとによって違います。

TVは一番迫力のある映像を流したがる傾向がありますが、
肉親の安否を心配する側としては、それを鵜呑みにしない方がいいと思いました。

■ネット環境を整えておく

TVは2日ぐらいまでは、迫力映像特集みたいになって、
同じ情報しか流さないので、現地の情報収集としてはほとんど役立ちません。
肉親として現地の情報で一番知りたいのは無事だった場所。
しかし、それはTVでは一番後回しとなり報道はされません。

そこで特に役だったのは、ツイッター、mixi、facebookの3つ。

・ツイッター
それぞれが手にした情報を呟いているので、地名で検索
さらに市の中の町名に絞って検索する事で、欲しい情報を探す事が出来ます。
肉親の安否が直接わからないにしても、近所の被災状況がわかるので、
安否の想像がしやすくなります。

・mixi
もともと市町村コミュニティーというのが作られているのですが、
そこには地区ごとに情報がまとめられていきます。
そこの書き込み者達と協力して、さらに情報の収集が出来ます。

宮古市の場合、無事だった人が車や自転車を使って避難所をまわり、
被災者名簿は携帯写真で撮り、電波の通じる所まで行ってネットにUP。
それを、東京・大阪在住の出身者がPCで見ながらテキスト化。
文字に起こして名前の一覧を作りました。
こうすることで、検索もしやすくなりますし、
普通の携帯電話では、写真を拡大出来ず名簿写真から名前を確認する事が困難だからです。
今回、PC&スマートフォンが使えない人は、かなり歯がゆい思いをしたハズです。

のちにこの名簿は地元放送局の安否情報にも使われました。

・Facebook
これは友達関係への報告、メーリングリスト代わりとして役立ちました。
東京でも通信環境が悪くなり、メールもいちいち全員に返信する事が出来ません。
そこで、通信可能な時間にfacebookに書き込む事によって、
一斉送信と同じ役割を果たしてくれます。
さらにiphoneアプリなどだとプッシュ機能によって、
書き込みがあった事をお知らせしてくれるので、メールに近い役割を果たしてくれます。

■google person finderを活用

災害伝言ダイヤル171などもありますが、
ものすごく役だったのは、google person finder。

http://japan.person-finder.appspot.com/

自分の親類の情報を登録すると、それについて知っている人達が書き込んでくれるというもの。
うちの場合はコレで、まず最初の生存情報がもたらされました。
家族親類とも連絡が取れなかったのですが、
実家の向かいの家の人と取れた人がいて、その人が近所の安否を聞き、
このgoogle person finderに書き込んでくれました。

のちに、まとめた避難所名簿をgoogleに送ると、
googleが代行して情報打ち込みをしてくれたので、情報が集まりやすかったです。

このあたりのネット環境が肉親捜しに特に役に立ったツールです。

自分の置かれた立場や状態を最優先させる

そして故郷から遠く離れた自分の心持ちとして注意したい事。

日本人の良い所として一致団結しやすい所があげられるのですが、
悪い所として、一律同じと考えたり強制しやすい所もあげられます。
これは、紙一重なのです。

被災者、被災地域に関係者がいる人、被災をまぬがれた人、
これらは、全て立場や環境が違います。
なので考え方に温度差が生まれます。
でも、それは当たり前の事。

一番つらいのはもちろん被災者。

そして被災地域出身者は、安否情報を確かめる為、
一日中、誰とも話さずにテレビやネットにかじりつき、
不安を胸につのらせて、孤独感を増していきます。

なので自分は、近所の被災地域出身者を集めて、飲み会をやりました。
目的は、
安否を確認するための手段、方法などの情報交換。
そして、胸中に溜まった不安を吐き出させ、精神的な安定を取り戻す為です。

事情も知らず「飲み会=不謹慎」「飲み会は自粛すべき」という人もいます。
実際に言われたりしました。
しかし、自粛というのは、飲む元気や余裕がある人が控える事だと思います。
飲み会と言ったって1〜2杯。実際に飲んだって酔えません。
しかも酔うのが目的でなく、心配で凝り固まった心を少しほぐす事が目的。

無事でいる人達の出来る事は、元気でいる事、冷静でいる事。
それをKEEPする事で、また安否確認や支援が出来るのです。
見た目は平然を保とうとしているので、
それほど心的ストレスを溜め込んでいる事は理解されにくいですが、
自分の体調、精神状態が一番大事です。
気にせず、自分の事を最優先させてください。

■今回の震災で一番怖かったのは、一律こうすべしという論調でした。

心を一つにして難局に立ち向かわなければならない震災ですが、
それぞれの置かれている立場で、温度差は違います。
そこに一律こうすべしと押しつけようとする人が多いのに驚きました。

・震災はこう報道すべしと一律同じになっているマスコミ

速報、災害の大きかった場所、無事だった場所、子供達に安心を与える局、
それぞれが役割分担する事は出来なかったのか?
とにかく選択肢が欲しいと思いました。
バラエティーの解禁の時期も問題になりましたが、選択肢があればいいのです。
報道を続ける局もあれば、平常に戻る局もあってよし
笑顔になれる人からなればいいと思いました。

実際に被害関係者達が見たくないのはバラエティーより、
忌まわしい津波の恐怖映像なんじゃないでしょうか?
少なくとも自分はそうです。

・良かれがトラブル、揉めごとを生む

みんなが「良かれ」と思っています。
こんな事態に、はなから、悪ふざけしてやろうという人はいないと思います。
しかし、それぞれに対しての、今一番大切な事、欲しい者は違うのに、
みんなが「良かれ」を押しつけて、自分が正しいと譲らず、揉めごとを生みます。

TVではCMがカットになりACの啓蒙広告が多く流れましたが、
TVにはなく、ラジオで流れたACのCMに
「親切とお節介は紙一重。同じものでも、受け取る人によってどちらになるか違う」
というものがありました。
同様に、その人にとって正しい事も、他の人にとっては正しくない場合もあります。

でも、答えが違う場合でも、出来れば反論ではなく、スルーしてください。
正義感から揉めごとを作らないでください。
そして自分にとってベストな事を、自分で選択してください。

思いやる心は大事だけど、それを押しつけてはいけない。
まずは、それぞれの「ジブンガデキルコト」をやればいい。

「災害を乗り越える事」という目標は一つですが、
方法は一つじゃありません。
それぞれのルート、ペースで山頂を目指せばいいのだと強く感じました。

まだまだ災害と復興は続きますが、
現地からも前を向いて歩き始めたという報告が入ってきています。

ここで、一度、今回の震災について振り返った所で、
こちらも、徐々に前を向いて、歩いて行きたいと思います。
日常に戻れる事、少しずつしていきたいと思うのです。

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ア・ピース・オブ・ケイク(表参道)

プラダ

シマノが経営するチャリカフェを出た後は、その前の通りを渋谷方面に向かいました。
表参道の延長上、青山一丁目に出現したのはプラダのビル。
パフュームの容器のような、全面ガラス張りのビルは、
スイスの建築ユニット、ヘルツォーク&ド・ムーロンによるものです。

…と言われてもわからないかもしれませんが、
北京オリンピックのメインスタジアム、北京国家体育場、通称「鳥の巣」を設計した人達
というと、なんとなくイメージが湧きやすいかもしれません。

サッカー好きだと、ドイツ・ワールドカップの時に注目された
ミュンヘンのサッカー場アリアンツ・アレナ。
ブンデスリーガのバイエルン・ミュンヘンのホームスタジアムです。
あの東京ドームの屋根を壁面にしたようなデザインが特徴的で、
ワールドカップの時には、よく特集されていました。

岡本太郎記念館

プラダあたりから路地を入って、根津美術館の方に行くとあるのが岡本太郎記念館。
今年、生誕100年ということで、いろんな企画展やイベントが行われていますが、
こちらにも多くの人が訪れていました。
写真に写っている人たちはTVクルーで、ちょうどお客さんインタビューをしている最中でした。

庭

岡本太郎記念館は、岡本太郎さんのギャラリーだった場所。
入館料は、600円。

こちらが他とは違うのは、写真撮影が自由という事。
庭はもちろんの事、館内の作品なども、写真撮影自由。
チケットを買うときに「写真撮影出来ますので、よかったらどうぞ」と声をかけられます。

さすが!岡本太郎は太っ腹です!

太陽の塔

ちょうど、3月8日(火)~5月8日(日)まで、北の丸公園の東京国立近代美術館で、
「生誕100年 岡本太郎展」を行う為、いくつかの作品はそちらに行っているようでしたが、
今の時期は、太陽の塔にまつわる企画展がされていました。

生命の樹

太陽の塔の向かいに展示されていたのは、「生命の樹」。
太陽の塔の内部に作られた巨大な作品で、
1本の木に、単細胞生物から人類まで、
進化の過程をたどる300体の生き物がびっしりと貼り付いているというもの。

本来は太陽の塔の大きさという巨大な物なのですが、
万博閉幕後に撤去されてしまった為に、現在は見ることが出来ず。
そこで、フィギュア制作の第一人者である海洋堂が、
資料を基に、クリスマスツリーぐらいのサイズのミニチュアを作って再現したのです。

これが、あの塔のサイズで作られていた訳ですから、相当迫力があったんでしょうねえ。

岡本太郎像

ギャラリーには、リアルに作られた岡本太郎像が。
あの石原慎太郎さんも岡本太郎ファンだという事で交流があり、
隣りにある「手の椅子」は、逗子の石原邸の庭にも置かれているそうです。

ちなみに、逗子にある「太陽の季節」の文学記念碑にも、
岡本太郎作の「若い太陽」という金色の作品が飾られています。

一階

1階のリビングだったと思われる場所にも、様々な作品が。
そして、やたら目力の強い岡本太郎像が、こちらでもお出迎えしてくれます。

アトリエ

一番、奥にはアトリエがあります。
あそこに収納されている作品、見てみたいですねえ。
気になる。

オブジェ

岡本太郎さんの作品は抽象的な作品が多く、
意味を理解しようとして「なんだかわからない」というという人も多いようですが、
若い人だと「エヴァンゲリオンの使徒っぽい」ってな感じで、
すんなり受け入れられる人が多いんだとか。

ある雑誌で、岡本太郎を知らない外国の子供達に太陽の塔を見せて、
何を感じるか聞いてみたアンケートがあったのですが、
PEACEという答えが多かったです。
子供の方が、意図をちゃんと感じてる。

頭で考えるのではなく、感じる事が大事なんでしょうね。

植物

不思議な形の作品に囲まれていると、植物も太郎作品に見えてきませんか?

ア・ピース・オブ・ケイク

さて、この岡本太郎記念館の1階にあるのが、
料理研究家の大川雅子さんの手作りケーキが食べられるカフェ
「a Piece of Cake (ア・ピース・オブ・ケイク)」。
こちらは、記念館に入館しなくても、利用する事が出来ます。
テラス席もあり、この日は暖かかったので、こちらで頂く事にしました。

クッキー

岡本太郎といえば「グラスの底に顔があってもいいじゃないか」というコピーが有名ですが、
レジ前で売られているクッキーにも顔がありました。

ケーキ

頂いたのは、オーガニックメープルシュガー チーズケーキ。
杏とプラムのコンポートがつきます。
カフェオレは、ケーキの自然の甘みを感じたいので、お砂糖なしで。

お庭の作品を眺めながら、頂けるのもいい感じ。
癒されながらパワーを頂くという、なんとも不思議な感じです。

■a Piece of Cake (ア・ピース・オブ・ケイク)
■東京都港区南青山6-1-19 岡本太郎記念館内
■営業:11:00~19:00
■定休日:火曜
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お店のサイト
岡本太郎記念館

青山こどもの城

この付近には、岡本太郎作品が多いというので、せっかくなので巡ってみる事に。
青山こどもの城の前にある「こどもの樹」と、自転車をコラボさせてみました。

子どもそれぞれが、違う顔で個性を発揮出来るように願って作られた作品と言われています。

家や学校では、突出しないような教育になりがちですが、
著書の中でも、
「友達付き合いを見ていると、好かれるではなく嫌われないように個性を殺しているだけだ」
と、言っていますし、
太陽の塔を作る時の万博のテーマ「人類の進歩と調和」にしても、

調和といったって、日本の常識でいえばお互いを譲り合うということだ、
少しずつ自分を殺して譲り合うことで馴れ合うだけの調和なんて卑しい!

って、言い切っています。

心に刺さるなあ。

渋谷マークシティー

渋谷駅、東急東横店から井の頭線に渡る、渋谷マークシティーの通路の所にあるのが、
「明日の神話」。
メキシコで行方不明になっていた作品が発見され、
痛みが激しかったのを、日本で修復し展示したもの。
縦5.5メートル、横30メートルの巨大壁画です。

やはり岡本太郎さんの作品からは、エネルギーを感じます。
これぞ、パワースポットですね。
自分の中に、何かを充電出来たような気がしました。

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