ぼくたちと駐在さんの700日戦争

イタズラが大好きな高校生7人組と、
彼らの悪巧みに真っ向から対抗しようとする駐在さんの攻防を
コミカルに描いた作品。

これぞ自転車映画だと思います。
レースもマシンも関係ない。
主役はママチャリだ。
自分たちのイタズラと楽しみの為に、ただひたすらペダルを漕ぐだけ。

鉄道ヲタクと言っても、乗り鉄だの、撮り鉄だの、いろいろジャンル分けされるように
自転車好きも、大きく分けると、自転車に乗ること自体が趣味の人と、
何かを楽しむ為に自転車に乗る人の2つに分かれます。
チャリカフェは、完全に後者。

なので、市原隼人さんが、ひたすらママチャリを漕ぐ姿。
その楽しさがよくわかります。

単なるイタズラ合戦の意味のないギャグマンガのような映画だけど、それがいい!
下手に意味など持たそうとしないでくれて良かった。
青春とは、こんなにもバカな物なのだ。
だからひたすら、シンプルでスカっとしていて気持ちがいいのです。

アメリカにはこういう映画が多いのだけど、日本では、あまり当たりません。
というか、公開までこぎ着けられない物が多い。
スティーヴ・マーティン物とか大好きなんだけど、
DVDになるまで見られない物が多いもんなあ。

そんな日本で、こういうおバカ映画が当たった事を嬉しく思います。

それにしても佐々木蔵之介は演技が上手い。
素晴らしい!パチパチ!

彼らのように、ペダルを漕いでいる事さえ忘れるぐらい、
楽しく自転車に乗れていたのは、遠い昔の事だ。

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シャカリキ!

曽田正人原作の人気コミックをイケメン俳優ユニットD-BOYSのメンバー、
遠藤雄弥、中村優一、鈴木裕樹で描いた青春ムービー。
速く走ることだけを考えていた自転車バカの高校生・テルが自転車部に勧誘されて入部、
ロードレースに出場するが…。

青春ムービーというよりは、アイドルムービーと言っていいでしょう。
イケメンファンの方々が見るための映画。
残念ながら自転車好きが見て満足するようなタイプの映画ではありません。

マンガが原作ですが、それをさらに漫画的表現で演出し、
青春熱血ムービーというより、ギャグマンガ的な作品にしてしまっています。

ただ出演者の名誉の為に言っておくと、彼らはかなり練習したであろうと思われます。
頑張って乗ってる。

BGMのシンセの音色とかからも予算がない映画である事を伺わせるのだけど、
だからこそ、自転車で空を飛んだり、CGでスピードを演出しなくても、
カメラワークで迫力ある絵が撮れたと思われ、なぜこんな風にしたのかが不思議。

脇を固める俳優陣にも、柄本明、温水洋一、原田泰造、奥貫薫、中越典子など
実力派が出演しているのに、コメディーではなくコント的な演技をさせています。
唯一原田泰造さんだけが、シリアス系のいい演技をしているだけに、残念。

あまりけなしたくはないのだけど、残念ながら褒めるところがほとんどない映画。
唯一あるとすれば、自転車の初心者にとって、
自転車ロードレースという競技は、個人戦ではなく団体競技だという
ルールがわかるところでしょうか?
エースの優勝は、チームメイトの潰れ役のアシストのおかげであるという事。
実生活の中には、なかなか自転車競技ほどの潰れ役などないので、
ここはベタだけど、じんわり来ます。

ちなみに主人公達が練習している河原のサイクリングロードは、
江戸川沿いで、よく休憩するポイントは、京成本線の江戸川と国府台の間の鉄橋下。
ここを走った事はないけれど、仕事で京成本線を使う事があるので、見慣れた風景でした。

「シャカリキ!」に関しては多くの人が絶賛している原作の方をオススメしたい。

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