ロングライダース

秋葉原

電気の街から、萌えの街になった秋葉原へ行く。
お目当ては、twitterなどでも話題になっていた、
自転車の同人誌「ロングライダース」を手に入れる為です。

僕のかつての部下は、AKB48が流行る前に、
今やプラチナチケットとなり手に入らないAKBの劇場での公演を観に行き、
今の部下は「けいおん」のOAが始まる前から、グッズを収集しはじめた
ヲタク揃いなのですが、僕にはそういう趣味はなく、
路上でメイドさんにチラシを渡されそうになっただけで、動揺がひろがります。

ZIN

このロングライダースは同人誌の為、普通の書店では売られていなく、
秋葉原と新宿にお店のある、同人誌を扱う書店「ZIN」にて販売されています。

お店の前に行くと、ヲタクというより、草食系の小ぎれいで線の細い男子が、
次々にお店に入っていきます。
今のうちの部下がそうなんですが、
洋服なんかはヒステリックグラマーなんかを着たりしてオシャレなんだけど、
趣味は二次元、アニメという完全無欠の萌えマニア。
もちろん、中にはガチもいたけど、だいぶイメージが変わっていました。

でもって、もちろん萌え萌え系の、ロリな感じの同人誌が山ほどあるのですが、
良く見ると、「古いカメラ趣味+萌え」とか「自転車散歩+萌え」とか、
ヲタクだけに、きちんと趣味が取材構成されている物が多く、
特に、メカニカルな部分は、プライドなのかこだわりなのか、きっちり描かれています。
ヘタな自転車マンガより、本当によく出来ているのです。

今回はロングライダース目的ですが、他にも読んでみたい物が多数ありました。
なんか、バカに出来ないね。

ロングライダース

ロングライダースは、これまでに3冊出版されているのですが、3冊まとめ買い。
すぐにでも読みたかったのですが、さすがに電車の中でコレを読む勇気はなく、
地元の隠れ家的なカフェの隅っこの席で広げてみました。

表紙はこんな感じですが、中身は超硬派。

ロングライダースとは、自転車で1日に200㎞以上、
500㎞とか、600㎞とか走っちゃう人達の事です。
その人達の体験談が書かれていて、その挿絵がこの萌えキャラというだけで、
中身はいたってマジメ。

自分でヘタレを名乗っている人達で、1日200㎞走っていて、
その初心者のトレーニングコースが、
僕がお正月に走った東京湾一周のコースだったりします。
という事は、僕もロングライダースの最下層ヘタレ組です。

上級者になると、女性一人で京都から千葉まで駆け抜けた話しとか、
キャノンボールと言って、
東京〜大阪500㎞を24時間以内で駆け抜ける人の話しとか、
ブルベという制限時間内での完走の認定をめざす
自転車での長距離ロングライドイベントで、600㎞とか1000㎞走る人の話。
もう超人達のエピソードが満載。

しかも、完走のための準備、コース選び、熱中症や疲労対策、
コース区間の所要時間目安など、ありがたい情報も沢山!
市販の本も何冊も読みましたが、これが一番役に立つんじゃないかという良書です。

僕が興味があるのが、東京から群馬を抜けて、碓氷峠を登り、
軽井沢、長野を通って、新潟の直江津へ日本海を観に行くコース。
この中の人達は、それを1日で走りきっていますが、
1泊2日ぐらいで、観光しながら自転車で300㎞走ってみたいなあ。

この中でロングライダースの皆さんが言っているのが、
距離感が壊れるというもの。
すごい良くわかります。

普通なら自転車で10㎞だって遠いという感覚を持っていると思いますが、
それがあっさり走れるようになると、どんどん距離が伸びて行って、
ちょっくら100㎞、なんとなく200㎞と、どんどん走れる距離感覚が麻痺していきます。

わー、この人達と話ししてみたいわー。

読んでいると、なんだか走りたくなってきます。
今年、ツールドちばとか、センチュリーライドとか目指している人、
ぜひぜひ読んでみてください!
モチベーションもあがるし、本当に為になる事が書いてあります。
ロングライド派に、マジでオススメしたい本です。

■COMIC ZIN 秋葉原店
東京都千代田区外神田1-11-7 高和秋葉原ビル
■COMIC ZIN 新宿店
東京都新宿区西新宿1-12-11 山銀ビル5F

■店舗情報はこちら!
■COMIC ZINの通販サイトは、こちら!

下北沢のカフェ・サコッシュでも手に入れられるようです。

カフェ・サコッシュ

■ロングライダースの公式ブログ

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サクリファイス

ただ、あの人を勝たせるために走る。それが、僕のすべてだ。

勝つことを義務づけられた〈エース〉と、それをサポートする〈アシスト〉が、
冷酷に分担された世界、自転車ロードレース。初めて抜擢された海外遠征で、
僕は思いも寄らない悲劇に遭遇する。それは、単なる事故のはずだった――。

最近、ツールドフランスなど自転車ロードレースのDVDを良く見るのですが、
それを見て、その面白さにハマった事を話したら、
だったらコレがオススメと紹介されたのが、この本です。

一気に読めた。
まるで自分がロードレースに参加しているかのようなスピードで。
面白い。

自転車ロードレースを舞台にしたプチミステリー。
自転車レースは、個人競技のように見えて、
実はチームスポーツである事は余り知られていません。
エースと呼ばれる選ばれし者と、
アシストと呼ばれる為に、エースの為に犠牲になる者がいて、
それぞれのチームを勝たせるために、色々な戦略が練られます。
体力戦でもあり、頭脳戦でもあり。

エースの為に風よけになり、パンクすれば、自分の車輪を差し出す。
それがアシスト。
サクリファイス(Sacrifice)とは、
そんなアシストの生き様を表した、生け贄とか犠牲という意味があります。

その特殊性のある世界を舞台にしながらも、
マニアックになりすぎず、説明臭くもなりすぎず、
その世界を描きながら、謎解きがはじまる。
単なるスポーツ根性者ではなく、ミステリーでもあるのです。

面白すぎて、一気に読んでしまいました。

2008年に、第10回大藪春彦賞を受賞し、
同時に第5回本屋大賞第2位にも選ばれた作品です。

これを原作としたマンガも出ている事がわかったので、こちらもぜひ読んでみたい。

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