果な。路上卒業ワンマンライブ

路上ライブで全国ツアーをしていた「果な。」さんというアーティストが、47都道府県制覇し、路上卒業のワンマンライブをするというので、下北沢のライブハウスまで観に行って来ました。

彼女を知ったのは、練馬駅前の路上ライブ。ジムのティップネスに行った帰りに見かけて、気になったので、Twitterなどで検索。最初はYouTuberとか、歌い手とか、ネットを駆使した活動をする人が多い中、何故、誰が立ち止まるかわからない路上で活動をするんだろう?という路上アーティストへの疑問から入りました。

でも観てたら、少しでも伝わったら…という熱量が凄いんですね。池袋や新宿でも路上ライブ見かけますが、観客や通行人に話しかける感がある人って少なくて、ルーティンなプロモーショントークだったりするんだけど、あ、何か俺に言ってるな感があったのです。

自分がやっているラジオという仕事は、TVと違って「皆さん」じゃなく「あなたはどう思いますか?」と一人称で語りかけろというのが鉄則なんですが、それに近い感じ。

なんかそんな感じが、すっと刺さって、Twitterを追いかけていたら、30枚CDを売ったら次の県に移るという全国ツアーが始まり、その土地土地で起きた出来事をTwitterにあげてくれるのですが、いろいろなドラマがあり、それが楽しみとなりました。次はどうなるんだろうと。古い例で申し訳ないですが、有吉さんの猿岩石ユーラシアヒッチハイクの旅みたいな、ワクワク感。

やはり路上は厳しくなっているらしく、警察に止められたり、冬には大雪で誰もいなかったり。

30枚売れないと一泊して翌日のその街で路上ライブ。そんなつぶやきをみて、みんながその近くに住む知り合いに「行ってあげてー」と連絡したり。

で、春に見事47都道府県を制覇し、次のステップに進む為に路上を卒業する事にして、その集大成のワンマンライブを行う事にしたのです。

一つの区切りをつけ、次のステップへ進む決意のライブ。路上で出会った同じアーティスト達も見守りに来ていました。観客は150〜200の間という感じ。歌はもちろんだけど、MCに気持ちがこもっていて、内面を正直に吐露していきます。

歌をやろうと京都から上京してきたのに、バイトばかりの日々で、これは音楽活動じゃない!と、理想と現実のギャップに悩んだ日々。

そこで、路上ライブを始めたら、大阪にも来て欲しいと声をかけられるようになったり。

そこから、路上ライブの全国ツアーをする決意をしたのだけど、趣味で歌いながら小旅行していると思われたくないので、30枚売らないと次の県に移れないと、自分にハードルを設定したり。

そして、いつかは路上を卒業して次のステップに行かなければいけないけど、頻繁にライブが出来ないと、皆に忘れられてしまうのではないかと不安になったり。

これだけ人生をかけて一つの節目を乗り越えようとする瞬間を目の当たりすると、生々しくて、ものすごいエネルギーを感じました。よくある表現で「パワーを貰った」というのがあるけど、まさにコレなんだな。人の成長って凄い。

いつかラジオでお会い出来る日が来るといいなあ。2枚のCDは一つの区切りとして再販の予定は無いとの事。もしゲストでお迎えするような日が来たら、このCDを見せよう。

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