泣けると話題のアニメ「心が叫びたがってるんだ。」観てきました。
監督・長井龍雪、キャラデザ&作画監督・田中将賀、脚本・岡田磨理。
『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』のスタッフが作った、
オリジナルアニメ。
舞台は「あの花」と同じ秩父。
「あの花」は、みんなで聖地巡りしたし、
秩父自体、ヒルクライムで良く行っている場所なので、
すんなりとアニメの風景中に溶け込んで行けました。
小さい頃に何気なく言った一言で、家族が崩壊。
それがトラウマとなり、言葉を発する事が出来なくなった少女。
そんな少女が高校生になった時、学芸会的なイベント「地域ふれあい交流会」の
実行委員にさせられ、ミュージカルを作る事に。
言葉は話せないが、歌なら歌える!
自分の気持ちを歌に乗せられないだろうか?
というような、お話。
主人公の女子高生、成瀬順は、
言葉を発しようとするとお腹が痛くなってしまうので、
LINEでやりとりするのですが、そこである人の顔が浮かびました。
つんく♂さんです。
声帯を摘出して言葉を失い、今は、LINEでやりとりしている姿が、
ドキュメントなどで放送されました。
言葉は文字には、出来ます。
でも、どのぐらいの気持ちなのか声のトーンで伝える事は出来ません。
この映画、主題歌は、秋元康さん作詞で、乃木坂46が歌う
「今、話したい誰かがいる」。
この歌は、恋を意識した途端に話せなくなるという、
甘酸っぱい青春ソングなんだけれど、
トラウマを乗り越えたエンディングの曲にしては、ちょっと軽く感じてしまいました。
つんく♂さんが書いたら、映画のようなトラウマや苦しさも含めの、
深い歌になったんじゃないかと思ったり。
もちろん、現在は復帰なされて前向きに新たな曲を送り出していますが、
このアニメが制作されていた頃は、
つんく♂さんが一番苦しんでいた時期で、
そんな事、お願い出来るような状況には、なかったと思いますが。
作品は、あの花ほど号泣はしませんが、
胸がキュンとして、ほろりと涙がこぼれそうないい作品。
ちゃんと恋愛の痛さも描いているから、
逆にリアリティーもあって、良かったのだと思う。
恋愛なんぞ、そうそう都合良く転がっていかない。
そして、時には残酷だ。
きっとアニメの世界だけでしか恋を知らない人が予想していた展開、
本物はそうじゃないと、チクリとさせる物を入れ込んだのかもしれません。
高校時代、学園祭とかに一生懸命になった人は、
懐かしくて、胸がキュンキュンする世界だし、
そんなのバカらしいとやらなかった人は、
今になってやっておけば良かったと、羨ましくなる映画だと思います。
学園祭を夢中になってやっておいて良かった。
オレ達は、こんな青春をリアルで過ごしたんぞ。
いーだろ!
…と、少しだけ誇らしくなりました。
映画館では、劇中で上映されるミュージカルのパンフレットが、配られます。
それを事前に呼んでおくと、ミュージカルが始まる時、
体育館に集まった親や親戚、友人達の視点も味わえます。
銀色のパッケージは、作品のフィルムの一部。
来場者特典なのですが、これは週によって変わるようです。