みちのくの仏像 東京国立博物館

みちのくの仏像

4月5日まで、東京国立博物館で開催されている
「みちのくの仏像」に行ってきました。

東京国立博物館

J-WAVEに、仏像好きアイドル、アンジュルムの和田彩花さんが出演し、
仏像の魅力について語っていたのですが、
如来像、菩薩像、明王、天部などの違いや見分け方などの説明が、
非常にわかりやすくて面白かったのです。

観てみたいなあと思ったら、
「ちょうど今やっている、みちのくの仏像がお勧め!」
というので、さっそくトーハクに行ってきました。

如来

まずは「如来」
こちらは「みちのくの仏像」展にも展示されている
福島県・勝常寺の「薬師如来座像」

如来は、お釈迦様が悟りを開いた後の姿を表しています。
出家し悟りを開いているので、余計な物はなく衣をまとっただけの質素な姿。

髪の毛は,螺髪(らほつ)と呼ばれるブツブツの巻き毛で、
頭の中央部が盛り上がって,頭が2段になっているのも如来像の特徴

何も身につけていないと言いましたが、
薬師如来の場合は、左手に薬の入った壷「薬壷(やっこ)」を持っています。

菩薩

つづいては「菩薩」
こちらも「みちのくの仏像」展に展示されている、
宮城・給分浜観音堂の「十一面観音菩薩立像」

「菩薩」は、お釈迦様が修行中で王子だった頃の姿が原形なので、
冠、首飾り、イヤリングなど装飾品を身に付けている事が多いです。
髪型は高く結い上げてあります。

ところで観音菩薩は、男か女かという話し。
観音様というと、何の疑いもなく女性と考えていましたが、
インドでの梵名などは、男性名詞だそうです。
でも、中国に入ると、中国では「慈母観音」などという言葉もあるように、
女性とみることが多いそうです。

日本ではお寺などのサイトでも
「観音様は、慈悲の心そのものですから、男女はありません。」
的な表現が多いようです。

「観音経」では、観音様は、相手によって姿を変えるとされ、
写真の「十一面観音菩薩立像」は11変化する観音様です。
33変化する、三十三応現身像というのもあり、
男にも女にも、子供にも変化するのとされています。

日本の観光地のような所にある大衆的な観音様は、
女性に変身した時の姿が多いのですが、
中国から伝わった「慈母観音」を元にした物が多いと思われます。

観音

日本でよく知られているのは、明治時代に狩野芳崖が描いた「非母観音」
切手にもなっていますしね。

ただ、元々菩薩は釈迦がモデルな訳だから、
インドに近い西に行くほど、元々の姿に近く
髭があったり男性的になっていくそうです。

明王

明王は、如来が姿を変え、化身となり人々を救うために必死になっている姿。
普通の方法では、いうことを聞かない人を従わせ、
仏教の敵に立ち向かうために、怒っている姿です。
なので、怒った顔を見たら明王かな?と思えばいいでしょう。

不動明王なんかが、一番有名ですかね。
人の道から外れる人を救う不動明王が、
入れ墨になっている事が多いのですが、
背中で守ってくれているのでしょうか?

弁天

天部は、古代インドの神々が土台となって生まれたもので、
弁財天や吉祥天などの女性の神様も。
こちらは上野の不忍池、弁天堂の弁財天。
七福神は、大黒天、毘沙門天など、天部の神様が揃っています。

四天王

東大寺の国宝、四天王も、天部の神様。
四方を守る、持国天、増長天、広目天、多聞天。
このうち多聞天は、原語の意訳が多聞天、音訳が毘沙門天で、
同じ神様です。

釈迦如来立像

さて、この「みちのくの仏像」展に行くきっかけを与えてくれた
アンジュルムの和田彩花さんが、一番のお気に入りと言っていたのが
円空によって作られた、青森県、常楽寺の釈迦如来立像。
通常の如来より、親しみやすい顔をしていて、癒しを感じるのだとか。

彼女もブログに書いているのだけど、
いとうせいこうと、みうらじゅんの「見仏記」によると、
東北で仏像つくるために、元の仏像を東北まで持っていくことは出来ないですし、
だから、仏像を絵師みたいなひとが、紙に書き写して持っていき
東北で仏像を彫ったのではないか?という説が。

だから、東北の仏像には、バランスがユニークが物が多いと。

聖観音菩薩立像

確かに!
僕の一番のお気に入りとなった、岩手・天台寺の聖観音菩薩立像も、
他の仏像とバランスが違う上に、
あえて表面に荒々しいノミ目を残す、鉈彫なのですが、
なんかインドっていうより、エジプトっぽいんですよ。

まずは、如来像、菩薩像、明王、天部の4つの特徴を覚えて
仏像を観てみましょう。
まず、表示案内を見ずに、どれか心の中で答えて、
近寄って正解を確かめる。
なんだか、これまでと違ってクイズ番組みたいで、
違う楽しみ方が出来ました。

みなさんも、どうぞ!

「アイドルが語る仏像の世界」J-WAVE HELLO WORLD

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