本が場所を取る問題で困っていたのでお気に入りのムック本は、スキャンしてipadに取り込んであります。
なので、電子ブックに非常に興味があるのですが、amazonのKindleストアがオープンしたので、Kindleストアで買って、ipadのKindleアプリで読むという事を始めてみました。PCから買っておくと、ipadアプリを開いたときに自動でダウンロードしておいてくれます。
で、最初に買ったのが、このマンガ。「のりりん」。
自転車乗りを頑なに拒む青年・丸子一典が出会ったのは、キュートな女子高生ロードレーサー・織田 輪。ひょんなことから免許取り消しになってしまった丸子に、彼女は自転車に乗ることを勧めるが……。
1〜3巻までは、免許取り消しから自転車に乗ることになり、それをきっかけにロードバイクの魅力に気づくという話。
自転車を知らない人にとっては、普通のマンガとして読めると思いますが、ちょっとかじっている人間からすると、この作者、かなりマニアックだな…という印象。
初心者である丸子一典は、ひょんな事からロードバイク経験者とが勝負する事に。そこで、女子高生ロードレーサー・織田輪のママは、丸子の為に秘密兵器を持ち出す。
女子高生「輪」のママっていうのが、このマンガの中で一番の自転車オタク。そのママが持ち出してきたのが、この自転車。
Cat Cheetah(チータ)。スイスの手作りメーカーCatのフレームで、女性トップ・トライアスリートのナターシャ バドマンの愛車である事から、トライアスロン界では有名なモデルです。
ただ、ロードレースの方では、UCIの規定に反しているので使用できず、レースでは使えないという車両。UCIというのはUnion Cycliste Internationale:国際自転車競技連合。
これに似た自転車で、ロータスのフレームがあるのだけど、(マンガにも登場)クリス・ボードマンがこのロードバイクに乗り1994年ののツールドフランスのタイムトライアルで記録した平均時速55.152 km/hは、ツール史上における歴代最速記録で、現在も破られていません。
さらに、ボードマンは、1時間にどのぐらいの距離を走れるか、トラックを周回する「アワーレコード」という競技で、1996年9月7日、56.375kmをマーク。こちらも、今も破られていません。
ところが、UCIは後で勝手にレース車両の規定を変更し、それにあてはまっていないこれらの車両で作った記録を全て無かった事にしてしまっています。
マンガの方では、
UCIでは無かった事にしているけれど、今でも記録は破られていないのだから、当時の車両の方が実は速い。素人の対決だからUCIの規定は関係ないし、だから秘密兵器として登場させた…
というストーリー展開。
スピードが出すぎという理由で制限された規定で作られている現在のロードバイク。エアロフレームだ、電子式シフターと進化しているように感じるけど、また、当時の何でもありだった頃には未だに追いついてないのが現状。最新式のバイクに、ウィギンスやカンチェラーラが乗っても、まだ当時の記録には追いつけないのだから。
このマンガ、皆が知らない、その辺のいきさつを引っ張り出して、ウンチクが語られるのだけど、ちょっぴり説教くさい。
マンガの中では現在のフレーム規定の事を「去勢されたロードバイク」と、呼んだり、乱暴な言葉遣いの登場人物が多かったり、あえてカチンと来る演出も多く、美味しんぼの雁屋哲みたいな所もあるので、その辺の好みは分かれる所でしょう。
まあ、その辺のウンチクをスルーしても普通に読めるマンガなんだけど、あちこちに散りばめられたウンチクに引っかかりマニアックに読み始めると、マニアックすぎるマンガ。…って、オレ、完全に引っかかってるじゃん。
たぶん自転車競技に興味のない人は、このへんチンプンカンプンだと思うので、ウンチクはスルーで
自転車好きの女子高生と母親に、ロードバイクについて教えて貰いながら、古い自転車で、最新式のモデルに勝負を挑む
ぐらいで読めばOK。
作者はUCIの規定について、苦言を呈するような事を書いているのですが、この辺のいきさつを知りたい人は、この映画を観ておくといいでしょう。UCIの勝手な規定変更に振り回された選手の人生を描いたのが、実話を元にした映画「トップランナー」。
ボードマンと争ったグレアム・オブリーが主人公。
バイク便の仕事で生活費を稼ぐ毎日を送っていたオブリーはある日、ライバル選手がアワーレコードに挑戦することを知り記録更新への挑戦を決意。1993年独自のスタイルで見事アワーレコードの記録を更新。しかしそんな彼の活躍を面白く思わない競技連盟幹部の面々は彼を自転車競技会から追い出す為に理不尽なルールをかかげ始める。
僕が以前に観た時に書いた感想はこちら。
余談ですが、今年のツールドフランスで、マイヨジョーヌを獲得したウィギンスはアワーレコードに挑戦したオブリーのライバル、ボードマンに憧れて自転車に乗りはじめのちに、自分のコーチとして迎えています。
しかしこのマンガ、普通の自転車がほとんど出て来ません。だって、4巻以降で、自分の自転車を作るために、フレームを探してもらうのだけど、その時にもって来られたのがコレ。
LITESPEEDのBlade。コレ見て「ああ!」という人は、かなりのマニアック。
あのランス・アームストロングが、1999年のツールドフランスで、3回あったタイムトライアルで、3回ともぶっちぎりで勝った時のフレーム。大人の事情で、トレックというペイントになっているけど、ファンの間ではLITESPEEDのBladeである事は、周知の事実。
探したら動画があったよ。まあ、ドーピング疑惑で、ランスの記録も無かった事になっちゃったんだけど…。
P.S
4巻〜5巻は、フレームを買って組み立て、ツーリングへ出かけるというHOW TO 風になっているのだけど、登場するフレームは、かなり作者の好みやこだわりが偏っているので、あまり参考にしない方がいいと思います。タイヤも700Cじゃなく、650Cにしちゃったりしてるしね。
P.S
のりりんの愛車と同じケストレルに乗っているご主人がいるお店が、常盤台のcafe aricaです。
尻尾生えてる。⇒しゅっぱつしんこー(^^)
>kochiさん
ニールプライドは元々ウインドサーフィンのメーカーですよね。
エアロ、風とご縁がありそうですね。
僕も山は苦手すが、少しずつ克服していきたいと思います。
自転車のメカやウンチク系がお好きでしたら
宮尾岳先生の並木橋通りアオバ自転車店もオススメです。
初めまして。
私もこの漫画の影響でエアロロード大好きになりました。GIANTのFCR0に乗っていますが、うちの近所、どこ行くのにも峠を越えないといけないのですが、これで山登るのはなかなかきついですw
次のバイクは終盤に三ツ渕進が乗っているニールプライドのナザレにしようかと思っています。
弓月光先生も自転車好きだったんですね。作中で登場人物がSCOTTのバイクに乗っている描写があったのは知っていましたが。
>ロータスさん
しかし、のりりんにはレアな自転車が多数登場しますね。
昔の自転車はホント個性的でしたね。
ライトスピードのブレードで検索してこちらにたどり着きました。
どれも、当時憧れていたバイクですね。
のりりんにも登場しますが、懐かしい感じです。
ライトスピード ブレード欲しいですね。(^^;
あとは高千穂さんですか。つとに有名ですが。でもバカじゃなくて硬派な感じですね。
>よむさん
調べてみたら弓月光先生「出発シンコー!」という、
自転車モトクロスのマンガ書いたことあるんですね。
あと漫画家でいうと、大友克洋さんも自転車バカですよね。
「みんなあげちゃう」の弓月さんも自転車バカだと思いました。いや、某馬場のお店にメンテであったのを見かけた事があったのですが、確かbike Fridayだったと思います。写真も撮ったんですが見当たらず、、、