小石川後楽園 涵徳亭 びいどろ茶寮(後楽園)

ゴールデンウィークは飛び飛びの仕事で、どこにも行けなかったので、ちょっと別世界の日本庭園を観に行こうと、小石川後楽園へ。西門から入園します。門の前には日の丸が掲げられていましたが、ゴールデンウィークだし祝日だろうぐらいにしか思っていませんでした。

この日は「みどりの日」で入園無料。園内の張り紙をみると、みどりの日は、自然に親しむと共に、その恩恵に感謝する日との事。ふらっと来てみたくなったのですが、もしかしたら、自然が私を呼んでいたのかもしれませんね。

駐輪場は門を入ったすぐの所にあり、自転車の他、バイクもOKです。かなりの自転車が並んでいたのですが、皆さん、どのあたりからやって来ているんでしょうね。ママチャリ系はご近所だと思うのですが、ミニベロ系のポタリング慣れしている感じの人達も何人か。

小石川後楽園は背景に東京ドームの屋根が見えるとおり、お隣にあります。普段は静かで鳥のさえずりなども聞こえるのですが、後楽園遊園地も近いせいか、10分に1度ぐらいの間隔で、ジェットコースターの轟音と乗客の悲鳴が聞こえます。

小石川後楽園は水戸徳川家の頼房が作り、2代目の徳川光圀が完成させた庭園です。庭園の水は神田上水を利用したもので、水源を遡ると井の頭公園にたどり着きます。この付近は京都嵐山の渡月橋付近を再現した風景ですが、その他にも清水寺を模した場所など、あちらこちらに京都が。

本物の京都はインバウンド観光客が殺到し、原宿の竹下通りというより、ハロウィンに悲惨な圧死事故のあったソウルの梨泰院通り並の混雑度。ゴールデンウィークは、小石川のミニ京都でのんびりするのが吉です。

水面に映る姿が満月のようだという事から名付けられた満月橋。儒学の影響から、本場から学びたいと考えていた徳川光圀は、中国の儒学者を水戸藩邸へ招聘し、この橋も設計させました。なので急な弧を描く石橋は、中国の庭園などでみられるタイプの石橋となっています。

日本庭園というと、庭園の作りを楽しむ派と、花を楽しむ派と、野鳥を楽しむ派に分かれるのですが、花的には、後ろの藤棚が終わりかけで、手前の水芭蕉が始まったばかり。

こちらの稲みたいに見える所が、紫の水芭蕉なのですが、まだ蕾みにもなっておらず、6月の梅雨の時期が見頃になりそうです。

小石川後楽園は中国テイストを取り入れられた作りともなっているのですが、後楽園という名前も、中国の政治家の心がけを述べた散文「岳陽楼記」の一節「先憂後楽」(天下を以て己が任となし、天下の憂いに先んじて憂え、天下の楽しみにおくれて楽しむ)が由来。

ディズニーリゾートは、園内からビルが見えないように周辺のホテルにも高さ制限をかけていますが、かけないとこういう感じになる訳です。

ただ、これはこれで外国人観光客には新鮮に見えるようで、東京は、新しい建物と古い風景が同居しているというのは、世界的には珍しい方で、驚きを持って観光している人達も多数。新宿や渋谷の高層ビルと、明治神宮の森の対比に驚くそうです。

さて、今回の目的は日本庭園もそうなんですが、公園内の茶屋が楽しみの一つ。

茶屋の「びいどろ茶寮」のカウンターから見えるのが、こちらの風景。

楽しみは、季節の和菓子と抹茶のセット。都内にも和菓子屋や甘味処はありますが、あんみつとか、抹茶のかき氷になってしまい、こういう練り切りを出す所はあまりありません。練り切りは季節を題材に作るアートな和菓子で、こちらは薔薇です。薔薇となると王子の旧古河庭園ですね。

六義園の吹上茶屋で抹茶セットを頂いた時の和菓子が藤の花だったので、藤の花のある小石川後楽園に来てみたのですが、今度は和菓子しりとりで、旧古河庭園にも自転車で行ってみましょう。

■涵徳亭 びいどろ茶寮
■東京都文京区後楽1-6-6
■営業:10:00 – 16:00
■定休日:不定休
場所はこのへん
お店のサイト

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