ツールドフランスが終わった。
そして自転車好きの夏も終わった。
最終、第21ステージ、最後はパリ・シャンゼリゼの周回コースからの
ピュア・スプリンター達によるゴールスプリント。
制したのは、アルゴス・シマノのマルセル・キッテル。
5連覇を目指したマーク・カヴェンディッシュ、
そして3強と言われた、アンドレ・グライペルを制しての、優勝。
ある種、今年のツールを象徴するシーンだったのではないでしょうか?
一番若いキッテルが、ベテランを下しての勝利。
僕はグライペルのいるロットベリソルを応援していたんだけど、
この日はビューティフルトレインが組めてない。
たぶん最後の発射台はヘンダーソンかな?
飛び出して後ろ見たら、グライペルがいない。
ポカーン。
第6ステージのような、本当に美しいトレインが観たかったよ…。
でも、ロットのみんなお疲れ様。
今年のツールは、若手の台頭と共に、ベテランの凋落。
個人的には、そういう風に映りました。
若手の台頭といえば、途中、クインターナからキンタナに呼び名が統一された
モビスターのナイロ・キンタナ。
23歳の若き選手。
当初はチームメイトのバルベルデのアシストだったはずが、
あれよあれよという間に台頭し、エース交代。
山岳コースに入れば、そのスピードで、
2011年の王者のエヴァンス、クライマーのアンディー・シュレクなどを
あっという間に置き去りにしていく。
最後には、2010年王者でクライマーのコンタドールもついていけない。
動けない、エヴァンスやアンディーを観ているのも少し辛かった。
そんな躍動する姿に、若いチカラをイヤというほど見せつけられました。
そして、山岳賞、新人賞、総合2位と賞もそうなめ。
若さって凄い。
総合優勝、マイヨジョーヌに輝いたのは、
スカイプロサイクリングのクリス・フルームですが、
個人的なMVPは、彼のアシストである、リッチー・ポートです。
昨年のフルームを観ているようでした。
フルームを牽きながら、スピードを上げ、後ろの集団をちぎる。
少し離れてしまった先頭集団の所まで、フルームを引き上げる。
役割を果たして後退するものの、フルームがピンチと知るや、
あがって来て、またフルームをひき出す。
変幻自在の鉄人アシストぶり。
僕はエースより、アシスト職人が好きだったりする所もあるのですが、
昨年で、元祖鉄人・ジョージ・ヒンカピーが引退。
ちょっと淋しい思いをしていたので、新たな鉄人の出現にワクワクしました。
今年は、世代交代の夏でしたね。
ツールの終わりと共に、夏が終わった虚無感につつまれている。
まだ、7月なのに。