人気のお蕎麦屋さんというのは、なぜか不便な場所にある事が多いです。
他のジャンルでもそういうお店はありますが、
蕎麦屋のアクセス不便率はダントツに高い気がします。
一軒家を改装したような所が多く、そういう物件が郊外にしかないからでしょうか?
それでも、皆、わざわざ食べに遠征するのですから、
蕎麦には、人を動かす何かがあるに違いありません。
それと同様に、アクセスが悪いのに、何故か人を集める人気のスポットというのもあります。
地下鉄が開通する前から、麻布十番や白金は人気だったし、
今でも不便な西麻布、そして今回訪れた三宿もその一つ。
ZESTや春秋が出来たあたりから、渋谷に飽きた人達が集まるようになり、
隠れ家的なお店が多いせいか、何気に芸能人を見かける事も多いです。
タクシーが自由に使える時代は、よく訪れていたのですが、
経費節減時代になってからは、しばらく足が遠のいていました。
さて、そんな三宿で気になるお店を見つけました。
カフェ・プラスジョーヌ。
時点やで良く使う中野通りは、「東京都道420号鮫洲大山線」の一部なのですが、
中野から東北沢を通って、三宿から下馬を経由して学芸大に抜けているので、
都内ツーリングの際は、自転車でよくこの辺を通ります。
その時に、サドルが描かれている壁が、まず目が止まり、
その奥になにやら沢山の自転車が止まっているのが気になっていました。
お店のデッキには、このようにバイクスタンドもあります。
これは嬉しい!
自転車乗りに嬉しいカフェで、
TVモニターでツールドフランスなどの映像が流れている他、
本棚には、レース系から、雑誌、写真集など、
様々な自転車にまつわる本が揃えられています。
パンプキンのグラタンパスタは、ドリンク付きで1200円。
ここには、専門誌意外の自転車特集号などもあったりして、
見逃していたバックナンバーを探すのも楽しい。
休日のお昼に、自転車の本を読みながら、のんびり過ごしたのでした。
■プラスジョーヌ
■東京都世田谷区三宿1-30-1
■営業:11:30 ~ 00:00
■定休日:月曜
■場所はこのへん
■お店のサイト
以前から思っていた事があります。
山の手通りだとか、本郷や笹塚など、現在、自転車レーンを作る動きが出ていますが、
その多くが、交通量が多くて危険なので自転車を隔離しようという発想です。
しかし、実際には、自転車レーンを作っても、
配送車や違法駐車がそこに駐車していまうので、
車道に出て回避せざるを得ない状態が生まれるのです。
そこで思いついたのが、暗渠の自転車道化です。
暗渠(あんきょ)というのは、川に蓋をして遊歩道や公園などにしている所で、
皆、あまり気づいていませんが、都内にはかなりの数があります。
そこに自転車レーンを整備して、車とは隔離された
自転車の幹線道路を張り巡らせるのです。
三宿のプラスジョーヌの前にも遊歩道があったので行ってみると、池尻大橋につきました。
行って驚き!
ここには、自分が考えていたまさに理想の自転車道が完成されていたからです。
遊歩道には、自転車、バイク進入禁止と書かれています。
しかし、その脇には自転車専用の入り口があり、駐輪場まであります。
大橋という文字が見えますが、池尻大橋は、元々目黒川にかかる橋から来ています。
この遊歩道は、目黒川に蓋をした暗渠なのです。
これぞ理想の姿!
自転車と歩道が分けられていて、歩行者の安全が確保されている他、
自転車も上下線が分けられています。
さらに、歩行者川の緑道には、ビオトープも作られ、
緑に加えて、小川を眺めながら散歩をする事も出来ます。
歩行者、自転車共存の姿!素晴らしい!
そこで、この道路を行くと、どこまで行けるのか、行ってみる事にしました。
ところが、1㎞も進まないうちに道の様子が変わってきました。
先ほどまでは、自転車と歩行者分離の作りだったのに、
分離帯がなくなり「自転車は徐行してください」の張り紙だけ。
さらに、この上流は、どうなっているのか行く事にしたのですが、
三宿で、北沢川と、烏山川に分かれます。
というか、川的には、ここが二つの支流が合流して目黒川になるポイントなのですが。
池尻、三宿、下北沢が繋がっていたら素晴らしいなと、
北沢川ルートを選んでみる事にしました。
途中、歩行者と自転車が一本になったり、よくわからない区分けがあったり…。
一つの川の道なのに、設計思想が統一されていません。
地区ごとに、独自に整備したらくスタイルや方針はバラバラです。
とは、いいつつ、川+遊歩道+自転車道みたいなスタイルが多いので、
大がかりに整備しなくても、きちんと区分けしてやる事で、
歩行者と自転車を分離して共存する事は、出来るように思います。
ところが、環七の向こうに渡ると事情は一変します。
歩行者専用になり、自転車の走行は不可になります。
どうやら、当初は自転車と歩行者共用だったようなのですが、
一方的に自転車が禁止される事になりました。
小田急の梅ヶ丘の高架をくぐる所に張り紙がありました。
近隣の意見を集めて、自転車禁止にしたと。
この下には、自転車通行賛成派と反対派の意見の一部も提示されていました。
それにしても、この細い道一本を奪い合うような手法しかなかったのでしょうか?
道を広げて、自転車と歩道を分離するという選択肢は?
この先、確かに少し細くなりますが、
それでも片側に緑地を残して、分離歩道を造るだけのスペースはありました。
池尻大橋付近を見ていれば、そういう発想も生まれたのでしょうが、
遊歩道は公園管理事務所ごとの縦割りで、
トータルで設計という発想がないのが、原因です。
案の定、しばらく行くと、自転車通行可の道が現れます。
自転車置き場がある上、駐車場まであるので、車も可ですけど。
遊歩道の入り口ではなく、出口方向に「自転車、止まれ」の文字があるのは、
自転車通行可だからそう書いたという事ですよね。
普通に考えたら。
反対側にも、進入不可ではなく、出口に向かって「自転車、止まれ」と書いてあります。
豪徳寺付近まで来ると、かなり荒れているのですが、
歩行者、自転車、緑地分離のスタイルになっています。
さて、豪徳寺まで来ると、遊歩道も行き止まりになっているのですが、
その先、どうなっているのかと言うと…。
世田谷線が走っていました。
山下駅にぶつかります。
駅を越えると、今度は広い「ユリの木通り」という道に出るのですが、
ここも、車道、歩道、自転車道と分けられそうです。
この辺からだんだん興味の方向性が、
「自転車道と遊歩道」から「北沢川はどこまで遡るのか」に移ってきて、
暗渠を辿って上流方面へ上っていきました。
するとぶつかったのが、上北沢にある松沢病院の敷地。
正面に見えるのは、その中にある松沢看護専門学校。
ここで暗渠の形跡が途切れたので、敷地の外を一周してみると、
こんな地図がありました。
専門学校にぶつかった所、
左端の青とピンクの境目が暗渠らしき所なのですが、
その先の敷地内に、池があります。
ここが源流というか、湧水なんでしょうか?
中には入れそうになかったので、確認する事は出来ませんでしたが、
なんとなく、そんな感じです。
自転車に乗っていると、地名に興味深くなります。
ここからは、完全に推測というか妄想です。
下北沢付近には、北沢という地名がありますが、これは沢の北側?
下北沢の隣りの池の上は、文字通り、池の上?
自転車で走るとわかるのですが、池の上から坂道を下った所が淡島付近で、
それを川沿いに行くと、池尻。
池の端っこの事ではないでしょうか?
という訳で、この付近には、その昔、大きな池があったのではないかと思います。
その池に水が注ぎ込む北側の沢が北沢で、
「北沢」という地名が出来てから、
沢の上と下で、上北沢と下北沢に分かれたのではないかと…。
北沢川跡を遡ってみての、感想です。
あくまでも、個人的な妄想。
事実がどうであるかは、全く知らないし、
それを突き詰めるのは、方向性として違うので、この辺までにしておきます。
でも、暗渠シリーズは、行けるかもしれないと密かに思ったり。
ニヤリ(゚ー゚☆キラッ