℃-ute さいたまスーパーアリーナ

SSA

℃-uteの解散コンサートが、さいたまスーパーアリーナでありました。2万人入る会場も、チケットは即完売で、関係者席も応募殺到で、今回は難しいとの事だったのですが、僕を最初に℃-uteに誘っていただいた方から、「見た方がいい」と、譲っていただく事が出来ました。

最初に知ったのは、アイドルとしてというより、自転車の方からでした。TV番組をなにげに見ていたら、アイドルが新曲のヒット祈願で、東京から静岡の久能山まで、ロードバイクで行くという企画。

ちょうどサイクルモードのステージの構成を担当していた頃で、自転車好きの芸能人を探していた頃だったので、目にとまったのです。

名作と呼ばれるこの企画は、当時3千円前後だったDVDが、プレミアがついて今、3万円前後で取引がされています。

このDVDを何度も観て、コースも聖地巡礼しました

アイドルが熱海の山越えをして、250㎞を自転車でロングライド?そのアイドルこそが℃-uteのリーダーの矢島舞美さんでした。スゲー、身体能力のあるリーダーだな。…と調べるうちに、この℃-uteが凄いグループである事がわかってきました。

初めてライブを観たのは、2012年の11月、神聖なるペンタグラムというツアー。

℃-uteは、8人いたメンバーから3人が抜け、5人になってから低迷し、動員も減り、コンサートもガラガラというどん底を味わいました。

そこから、起死回生の為にダンスに力を入れたライブに特化し、

℃-uteのダンスが凄いらしいぞ!

と、伝わって来たのが、このツアーでした。

100m走みたいな全力ペースで、最初から最後まで、ガンガン踊る。観ている方もそれについていくのが大変で、「殺人セットリスト」という言葉が生まれたのも、この頃でしょう。

渋谷公会堂の関係者席が、噂を聞いて駆けつけた関係者で溢れ「℃-uteキテル!」感が、ひしひしと感じられました。今は2千人前後のホールだけど、これは武道館行くな!…と感じてから、次に来るアイドルとして℃-uteをマークする事にしました。

この頃は、まだ、冷静に仕事としての目線だったんですよね。だけど、チェックしているうちに、徐々にただのファンになってしまいました。完全に「℃-uteキテル!」の上げ潮に飲み込まれましたね。

忘れもしない2013年4月3日。この頃、番組にはスタッフのお勧めを紹介するコーナーがあり、僕は「℃-ute」を紹介しました。DJは、山寺宏一さんと、中澤裕子さん。中澤さんと言ったら、ハロプロの初代リーダーですよ。そのお方に、℃-uteの凄さを紹介する暴挙に出たのです。

今やホールツアー、SOLD OUT連発!ダンスが凄いグループとして話題で、関係者席でさえ、席が確保出来ないグループ。近いうちに必ず武道館行きますよ!

そう紹介した当日、この日は℃-uteがリリースイベントをしていたのですが、そこで、サプライズがあり、武道館決定の発表がありました。

本来なら、こういうドンピシャな予想は情報感度が高いみたいな感じで「ほら当たった」と自慢するんですが、単に、一ファンとして興奮し、嬉しかった事を覚えています。

ここから、友人達を巻き込み、℃-uteのライブに通う日々。徐々に行くメンバーも増え、男女8人の団体に。会場も、武道館、横浜アリーナとどんどん大きくなって行きました。

アイドルとして、最高峰のパフォーマンスをするグループは、勝手にMAXのように、結婚しても続くグループなんだろうなと、なんとなく思い込んでいました。しかし、突然の解散発表。

当初は、なんで?と、疑問だらけだったのですが、この日の解散コンサートをみて、全てが理解出来ました。

歌もダンスも完璧なこのグループのライブは、失敗が許されないフィギュアスケートのような感覚で観ている…と、このブログでも書いてきましたが、本人たちも、選手的なピークの時に、美しく散りたいと考えていたようです。このへんも、アスリートだよ。

℃-uteを紹介する時に「アイドルが憧れるアイドル」というフレーズがありますが、この日も、AKB、ももクロほか、多くのアイドルが詰めかけました。そのアイドル達も、口々に、「アイドルのパフォーマンスの頂点は、℃-ute」と、発信しました。

「歌って踊れるアイドル」という陳腐な言葉があります。歌が上手なアイドルは、いっぱいいます。ダンスも上手なアイドルも、いっぱいいます。ダンサーとボーカルに別れている、ダンスも歌も上手なグループはいます。でも、全員が歌いながら踊って、歌もダンスも上手なグループ、ほとんどいません。野暮を承知で言いますが、「生歌」という意味です。そういう意味で、℃-uteは、奇跡のグループでした。

ラストのライブ。悲しいハズなのに、なぜか悲しいというより、多幸感に包まれたライブでした。のちに、本人たちもブログに書いていますが、さいたまスーパーアリーナは、自分達がデビューの時に出させてもらったステージで、そこに単独で立ちたいという目標がかなった日でもありました。

その引き際が美しすぎて、すでに、伝説のライブとして、語り継がれはじめています。

あー。その場に立ち会う事が出来て、良かった。ありがとうございました。

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℃-ute 中野サンプラザ。

サンプラザ

℃-uteの解散は、6月12日の「さいたまスーパーアリーナ」ですが、℃-ute本来の魅力を堪能するなら、中野サンプラザだろうという事で、江古田のハロプロ好き8人で、中野へ。

もちろん、解散コンサートも観たい。でも、特別な演出で、しんみりとさせられるライブよりも、大きなステージを一杯に使うために、いつものフォーメーションを崩して、横一列になってしまうライブよりも、5人の、いつものダンスが、ビジョンを通じなくても観られる中野サンプラザのライブが、どうしても観たかったのです。

そして、中野を選んで正解でした。

アイドルヲタクじゃない人達が、それでも、このアイドルいいねという場合って、楽曲が良かったり、ビジュアルが良かったりと、聞くのだけど、テレビやラジオ、パソコンやスマホで観ているから、ライブの凄さという概念は、なかなかおわかり頂けない。

テレビカメラを通したライブって、定点で撮った物はほぼ無くカメラ割りで、表情などを抜いていく映像がほとんどです。歌割りじゃないメンバーは、映ることが少なく、この瞬間、グループ全体がどうなっているのか、わかりません。

サッカーでボールを持っている人のアップだけが続いている状態です。この間に、他のメンバーが、サイドを駆け上がったり、相手DFを引きつけたりしてるのに、そのチームプレイというのは、スタジアムでないと堪能出来ません。特に、オシム監督の時は、連係プレイが一番の売りだったので、スタジアムに行かないと、その凄さを堪能出来ませんでした。

カメラ割り無しで、さらに会場のビジョンの力を借りずに、俯瞰で全体像を楽しめる、ライブ。それを一番いい状態で堪能出来るのが中野サンプラザなのです。5人の、一糸乱れるフォーメーションと、精密機械のようなシンクロするダンス。これを思う存分、楽しめました。

本人達も、今日の5人は無敵と言っていましたが、なにか特殊部隊を観ているような、凄みがありました。

そして歌も、ライブ会場に足を運ばなければ、本来の魅力を味わう事は出来ません。

仕事柄、いろんなライブを観てきましたが、特に、アイドルのライブで気になるのが、ボーカルの音圧。楽曲がいいアイドルって、いっぱいいるのだけど、でも、歌はCDを聞いているような、レベルが抑えられた音が、ほとんど。音量を大きくしても、歌が前に出てこない。

でも、この日の℃-uteは、凄かった。ハロプロの歌姫と呼ばれる、鈴木愛理が歌い上げる。それに対し、ロックシンガーのような岡井千聖がシャウトする。メチャメチャ歌の上手い二人が、対抗するかのように、歌い上げて行くのです。

やはり、TVやDVD、CDではリミッターをかけられてしまう音圧が、そのままの状態で、バンバン体に響いてきます。まあ、思い入れたっぷりの精神的な意味もありますが、物理的にも、歌が胸に響きました。

同行した友人も、「今日のライブは圧が凄かったね」と。

こんな凄いライブをするグループがいるのに、もうすぐ観られなくなってしまうのかと思うと、せつない。モーニング娘。OGが、結婚したり、子供を産んだりした後で、ドリームモーニング娘。として、武道館に立ったように、℃-uteも、アイドルという鎧を脱ぐことが出来た後で、再結成して、大人の℃-uteが観てみたい。あと、高橋愛リーダー期の、プラチナモーニング娘。も。

そんな淡い期待を抱きながら、今はこの余韻に浸ることにしよう。

解散のSSAは、スペシャルなライブになるだろうから、今日の中野が、通常バージョンの完成形なんだろうなあ。本当に凄いライブでした。今まで観てきた℃-uteのライブの中で、一番でした。ありがとうございました。

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